思い付き短編集

神谷 絵馬

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最近更新。

お好きにどうぞ?私も好きにしますから。3

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うーん、盗賊さん、まだ来ないのかなぁ?
アイツが追い付けないくらいには離れておきたいから、もう少し進んじゃう?
でも、おばちゃん言ってたしなぁ...護衛してくれるんだよね?
うーん、うん、ゆっくり進んでおこう。

「見えてたよね?!」

「追い付くのも時間の問題かと思いましたので、少しでも距離を稼ぐためにもゆっくり進んでおこうと思いました。
連れ戻されるとか嫌なので...ごめんなさい。」

「うん、気持ちは分かるし、まぁいっか。
少しでも進もう!」

「ありがとうございます。」

盗賊さんっぽい人影が見えたので、ゆっくりなら歩き出しても良いかなと思って歩き出したら、追い付いた盗賊さんに悲しそうな顔で声をかけられた。
やはり悪いことをしてしまったかもと止まって言い訳と謝罪をすると、苦い笑みではあったけれども許してくれたみたい。
盗賊さん、聞いていた通りの優しい人で良かった。

「では、一応自己紹介を...冒険者組合に所属して盗賊をしている、シリバス。
ランクはAで、カードは金ね。
護衛はハザールまでだけど、よろしく!」

「はい、よろしくお願いします。
クラリスさんに聞いておられるかと思いますが、村で理不尽に殺された結界師の娘です。」

お名前は知らなかったので、自己紹介してくださってとてもありがたいです。
金のAってかなり高ランクだった筈なのに、シリバスさんがパーティーをぬけちゃっても大丈夫なのかな?
剣士が3人は多すぎじゃない?
聖女候補だとか言ってた回復役の女の子が気に入ったから連れていくって我が儘を言ったらしいけど、アイツよりもシリバスさんの方が大事だと思うよ?

「うん、大まかにはクラリスっておばちゃんから聞いてる。
で、今は何してるのかな?」

何って...見ての通り、

「馬車の準備をしています。」

歩いて行ったと見せかけて、馬車で移動して距離を稼ぐという寸法です。
男女の2人旅なら、こっちが自然でしょ?
雨に濡れない壁と屋根があれば野宿も快適だし、街に着いても私は収納することが出来るから問題ないしね。

「それ、何処から出したの?」

「結界魔法を駆使してから応用して、こう...グニャリというかベシベシというか、まぁ......色々と変形させて作りました。
生きてるもの以外ならなんでも入る、便利なポーチです。
見た目を継ぎ接ぎだらけにしたからか、誰にも奪われずに済んだのです。
あそこでは、綺麗なものは奪われるので...本当にクズ共ばかりでした。」

「へぇー、それ、可愛いのにー。
あ、青系の同じ大きさにした布を繋いでるんだねー。
てかさ?人のものを奪うってところがおかしくない?
立派な犯罪だよ?」

でしょう?
でも、皆さん"ぼろっちぃ"とか言うの......。
"捨てた方が良い"とか"ちゃんとマトモなのを買いな?"とか、一所懸命に作ったのに本当に失礼過ぎる。
小さい四角を繋いでいかないといけないから縫うのは大変だったけど、完成したときの達成感が凄く良いのにね。
しかも、綺麗なものを作ると奪いにかかって...なにが、"子供が持っていて良いものじゃない!"よ!!
その子供が作ったんだっつーの!
母の形見も粗方奪われたしね...本当に、人間って恐ろしいわぁー。
あ、そうだ!

「もうひとつありますけど、いります?
こっちは試作品なんで容量が少ないんですけど...厚手の毛布が2枚くらいなら余裕で入りますよ。
あ、生物ナマモノは入れないでくださいね?
試してみたんですが、確実に腐りますから。」

たしか、緑系の布で作った試作品があった筈!
あれなら、そんなに容量無いけど護衛のお礼として渡しても大丈夫よね!

「え、貰っても良いの?
報酬はおばちゃんに貰ってるから大丈夫だよ?」

「ゴルドリウスが追いかけて来ないように、足留めしてくださったお礼です。」

「あぁ、あれはパーティーを抜けるってことを伝えるために話しかけたんだけど...このポーチ、とても欲しいのでお言葉に甘えます。」

「うふふ、元々、きちんとこのポーチのことを理解して使ってくださる方に差し上げようと思っていたんです。
シリバスさん、ご活用ください。」

「ありがとう。」

シリバスさんの手のひらに収まる大きさだから、リュックの中でも嵩張らない筈!
嬉しそうに笑って、早速ボタンを開けて中を覗いているシリバスさんがなんだか可愛い。
中は、何の変鉄もない袋ですよ?





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