思い付き短編集

神谷 絵馬

文字の大きさ
106 / 112
最近更新。

拾っちゃった...2

しおりを挟む
「...急に抱き上げたからか?」

「そうそう、驚いて、怖くなっちゃったみたい。」

下がった眉にクシャッと歪めた情けない顔をするロルフ。
こういうところが可愛いよね。

<アンタとなら契約してあげても良いわよ?>

「そんなに懐かれて、妬ましいやら羨ましいやら...クソ、対応ミスったー。」

「ん?あ、そうなの?僕と?うーん、どうしようか?
君と、契約したいってこの人が言ってるんだけど、嫌かな?」

肩に乗って頬にスリスリしてくれるのは可愛いし嬉しいんだけど、ロルフが契約したがってた子だからなぁ...どうしようか?

「おいおい、良いのか?
そんなに懐いてくれてるのに、自分から手放すなんて...」

<嫌よ!!絶対に嫌!!>

「んー、そっか、じゃあ僕と契約する?」

<うん、アンタとなら良いわよ!>

あらら、期待させたのにリスちゃんに拒否されちゃって、ロルフに悪いことしたかな?

「あーあ、んじゃ、ちょっくら探してくるかー。」

<アタシの双子の子なら契約出来るんじゃない?
ほら、ソイツの足元にいるじゃない!>

「あ、ロルフー、この子双子らしくて、この子の双子の子が契約してくれるみたいだよ?」

「え?マジで?」

「ほら、その子!」

リスちゃんが指し示す方を見たら、ロルフの足元でよじ登ろうとしてるリスちゃんがいた。
この子よりも薄めの茶色にクリーム色の水玉模様のちょっと太めで、何度も挑戦してはポテッと落ちる...どんくさい感じがまた可愛い。

「抱っこしても良いか?
お、ありがと!んで、契約してくれるのか?」

<えー、してやっても構わんよー?>

今度はちゃんと抱っこの許可を求めてから手のひらに乗せたロルフ。
契約してくれるかも!って興奮してるのは分かるけど、顔が近すぎてリスちゃんが引いてるよ?
ちょびっとだけ体を仰け反らせて、頬をポリポリと掻きながら嬉しそうにしてるリスちゃん。
リスちゃんが答えているのに、ロルフは何故か答えを待っているみたいだから僕から伝えてみようか?

「してやっても構わんよ?だってー。」

「おぅ!ありがとな!って、おい、さっきから、なんか言葉が分かるっぽいけどさ?」

「うん、分かるよ?
え、皆そうでしょ?違うの?」

「契約しないと分からんのが普通だぞ?」

「...へぇー、そうなんだー。」

知らなかったなぁ...普通に聞こえてたから、皆分かるもんだと思ってた。
そっか、ロルフ、さっきのリスちゃんの答えが分からなかったんだ。

「まさかだけどさ?」

「ん?」

「熱く語ってるのにビックリしたって言ってたけど、それって獣魔族も含んでるのか?」

「うん。」

皆、めちゃくちゃ思い思いに語ってたよ?
<フハハハハッ!!
強いのと契約して、俺様の名を轟かせるんだゼ!!>
<なにをぉう??!
俺様の方が強いのと契約するんだジョ!!>
と、オラオラ感の強い暑苦しいのもいたし、
<ねぇねぇ、人族の子供よ!
あら、あの子可愛いわ!>
<あの子なんて、きっと将来イケメンになるわぁ!!>
<可愛い方が良いわよ!>
<いいえ、イケメンよ!>
とキャーキャーしてるのもいたし、
<お家に帰って寝たい......>
なんて、隅っこの方でのんびり横たわってるのもいたからね。





*
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

私が……王太子……のはずだったのに??

#Daki-Makura
ファンタジー
最愛と朝を迎えたら……城下が騒がしい……?? 一体……何が起きているのか……??

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

本当に現実を生きていないのは?

朝樹 四季
恋愛
ある日、ヒロインと悪役令嬢が言い争っている場面を見た。ヒロインによる攻略はもう随分と進んでいるらしい。 だけど、その言い争いを見ている攻略対象者である王子の顔を見て、俺はヒロインの攻略をぶち壊す暗躍をすることを決意した。 だって、ここは現実だ。 ※番外編はリクエスト頂いたものです。もしかしたらまたひょっこり増えるかもしれません。

旧王家の血筋って、それ、敵ですよね?

章槻雅希
ファンタジー
第一王子のバルブロは婚約者が不満だった。歴代の国王は皆周辺国の王女を娶っている。なのに将来国王になる己の婚約者が国内の公爵令嬢であることを不満に思っていた。そんな時バルブロは一人の少女に出会う。彼女は旧王家の末裔だった。

処理中です...