学内一のイケメンアルファとグループワークで一緒になったら溺愛されて嫁認定されました

こたま

文字の大きさ
9 / 12

9

しおりを挟む
 ジューンブライド。6月の花嫁は幸せになれる。元はヨーロッパで農繁期が終わった後、天候が良い時期であったこと、またローマ神話に由来があるという結婚の季節だ。
 このジューンブライドに、夏樹が憧れているのは映画をみているときに知った。

「素敵。良いよね」
「そうだな」

 6月の花嫁の姿に目を潤ませて感情移入する夏樹をみて颯介は決めた。結婚式は6月にしよう。日本では梅雨の時期で特に結婚式向きということも無いが、入社後後継者として発表されるので時期として悪くない。

 颯介は夏樹には告げずに、両親、会社と夏樹のご家族に打診しておく。披露宴会場はグループ関連のホテルになってしまうのは仕方ない。希望を聞いてあげられなくて申し訳ない。その分、希望があれば海外なども含めて他で式を挙げても良い。披露宴会場をまずは見て貰おうと颯介は考えた。

「夏樹。就職後の6月に結婚式を挙げて籍を入れない?双方の家族も僕達の希望に沿って、異論は無いみたいだよ?」
「えっ?6月!?」

 夏樹の目が輝いたのを颯介は見逃さなかった。

「そう。6月。披露宴会場は申し訳ないけれど会社関連のホテルが都合良くて。結婚式は、そこのチャペルでも、夏樹の希望でどこか海外や軽井沢とか、他で挙げることも可能だよ。明日午後、予定空いてたよね?」
「特に予定は無いよ」
「ホテルを見に行かない?」
「行きたい。でもそんなに急に見学出来るものなの?」
「明日は仏滅で挙式はないから、貸し切りで見学出来るように連絡済みだ」
「え?颯介、仕事が早いね」
「夏樹のためならね」

 そのホテルは、とても大きく高級感があった。宴会場を広く取れるので、会社の関係者を招いた披露宴に適する。

「うわー、綺麗なところだね」
「まだ新しいから。披露宴は、家族と友人で一回目。会社関連で二回目を行う事になってしまう。疲れさせてごめんね」
「ううん。必要なことでしょう?」
「そう言ってくれてありがたいよ」

 宴会場には、結婚式用の装飾した円卓を数種類、サンプルとして用意してくれてあった。

「色んな色味やお花の種類もあって、選べるんだね」
「せっかく二回するから、それぞれ変えてみようか」

 料理もサンプルが数種類並んでいて、実際に食べてみる事も出来た。ゲストがどのような食事をしたいか、考えていく。

「アレルギー対応もできますか?」
「もちろんでございます。調理器具から専用に分けて作ることも可能です」
「良かった。それなら皆で頂けるね?」
「ああ。兄と甥が喜ぶな」

 チャペルは、屋上に設置されてあった。広い敷地にガラス張りで明るいチャペルが建っていた。参列者からは、新郎新婦越しに空を見られる。晴れても、雨でも美しく厳かな雰囲気が出るように作られていた。
 控え室から、チャペルまでは渡り廊下で屋根付きだから梅雨の時期でも濡れずに移動できる。

「素敵。とっても綺麗で良いね。ここで挙式しよう?」
「良いの?他も見てから決めて良いんだよ」
「うん。大丈夫。とても気に入ったよ」
「それなら良かった。衣装も見ておこうか」

 移動してブライダルサロンに行くと、颯介と夏樹のサイズの婚礼衣装が、挙式、披露宴用に数組ずつ、組まれて吊るされていた。

「あらかじめ概ねサイズは伝えてあったんだ。まだ挙式まで時間がたっぷりあるから、これを参考にデザイン変更して新しく作ろう。デザイナーさんも来て貰ったよ」
「え?そんな準備万端だったの」
「さあ、まずはこれから順に着てみて」

 着せ替え人形よろしく、あれこれと試着した。サイズを測ったり、実際の衣装で長さを見たり。

「う。沢山ありすぎて、何がなんだかわからない」
「大丈夫。デザイナーさんが考えてくれているから。これからまたデザイン画やサンプル、フィッティングで何度も調整するからね。最高の衣装を着よう」
「ありがとう。でもそこまでしなくても...」
「一生に一回だよ?可愛い夏樹を皆に見せびらかしたいんだ」
「そっか。ありがとう。颯介のは?」
「夏樹が決まったらテイスト合わせて作るから大丈夫」

 そうして、バタバタと挙式披露宴が決まり、招待客や招待状、装花など決めることが沢山あった。コーディネーターさんや金沢グループの秘書さんも二人を手伝う。

 二人で暮らし初めてからは、時間を合わせやすくなった。卒論、卒業前後の忙しさと新入社員として研修等々多忙な中で結婚準備もすすめていった。


 そして遂に結婚式を迎えた。晴れ間がのぞき、暑くもない絶好の結婚式日和。

 控え室では両家の家族を紹介し、ガラスのチャペルで永遠の愛を誓った。神父様の後ろに青く澄んだ空を望む。時折白い雲が流れ、明るい日差しが指したり曇ったり。

 チャペルを出ると、親族、友人からのフラワーシャワーが行われた。二人と軽井沢に同行したグループの仲間も参列した。
 夏樹が後ろ向きに青い空を彩るブーケを投げた。花束は、佐藤、高橋のベータ女性二人のもとに弧を描いた。

「わあっ!」「きゃ!」
「「大野くん、おめでとう!ブーケありがとう」」

 白いドレス、スーツの夏樹と颯介はモデルのように美しく、にこやかに笑顔を浮かべていた。
 颯介肝いりの婚礼衣装は、鮮やかに新郎新婦二人を引き立てていた。

「夏樹。愛してる」
「僕も。颯介ありがとう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】逃亡オメガ、三年後に無事捕獲される。

N2O
BL
幼馴染の年上αと年下Ωがすれ違いを、不器用ながら正していく話。 味を占めて『上・中・下』の三話構成、第二弾!三万字以内!(あくまで予定、タイトルと文量変わったらごめんなさい) ※無事予定通り終わりました!(追記:2025.8.3) 表紙絵 ⇨うつやすみ 様(X:@N6eR2) 『下』挿絵 ⇨暇テラス 様(X:Bj_k_gm0z) ※オメガバース設定をお借りしています。独自部分もあるかも。 ※素人作品、ふんわり設定許してください。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

側近候補を外されて覚醒したら旦那ができた話をしよう。

とうや
BL
【6/10最終話です】 「お前を側近候補から外す。良くない噂がたっているし、正直鬱陶しいんだ」 王太子殿下のために10年捧げてきた生活だった。側近候補から外され、公爵家を除籍された。死のうと思った時に思い出したのは、ふわっとした前世の記憶。 あれ?俺ってあいつに尽くして尽くして、自分のための努力ってした事あったっけ?! 自分のために努力して、自分のために生きていく。そう決めたら友達がいっぱいできた。親友もできた。すぐ旦那になったけど。 ***********************   ATTENTION *********************** ※オリジンシリーズ、魔王シリーズとは世界線が違います。単発の短い話です。『新居に旦那の幼馴染〜』と多分同じ世界線です。 ※朝6時くらいに更新です。

アルファの双子王子に溺愛されて、蕩けるオメガの僕

めがねあざらし
BL
王太子アルセインの婚約者であるΩ・セイルは、 その弟であるシリオンとも関係を持っている──自称“ビッチ”だ。 「どちらも選べない」そう思っている彼は、まだ知らない。 最初から、選ばされてなどいなかったことを。 αの本能で、一人のΩを愛し、支配し、共有しながら、 彼を、甘く蕩けさせる双子の王子たち。 「愛してるよ」 「君は、僕たちのもの」 ※書きたいところを書いただけの短編です(^O^)

番に囲われ逃げられない

ネコフク
BL
高校の入学と同時に入寮した部屋へ一歩踏み出したら目の前に笑顔の綺麗な同室人がいてあれよあれよという間にベッドへ押し倒され即挿入!俺Ωなのに同室人で学校の理事長の息子である颯人と一緒にα寮で生活する事に。「ヒートが来たら噛むから」と宣言され有言実行され番に。そんなヤベェ奴に捕まったΩとヤベェαのちょっとしたお話。 結局現状を受け入れている受けとどこまでも囲い込もうとする攻めです。オメガバース。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

処理中です...