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やまがたに行こう
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新入社員としてまだ入社してから4ヶ月。夏樹は世の中の役に立ち、地方を活性化出来る仕事に意義を感じていた。早く仕事に慣れよう。頑張ろう。
6月に結婚式もあったが、新入社員が新婚旅行に長く出かけるなどとんでもない。仕事を優先すべきと、休まずに働いていた。
金沢グループ本社では、夏休みが設定されている。颯介が休めるのは土日を挟んで五日程度。そのうち二泊三日を旅行にあてようと相談していた。
「夏樹、どこか行きたいところ、ある?連れて行くよ」
「わっ。良いの?嬉しいな。僕やまがたに行ってみたいと思っていたんだ」
「?山形県?山形市?」
「ううん。山県市。岐阜県の」
「岐阜?ごめん。知らなかった」
「そっか。じゃあ、止める?他に行く?」
「いや。夏樹の行きたいところに行くに決まってるよ。交通手段と宿を取り急ぎ予約しておく」
「本当?ありがとう」
ニコッと笑顔の夏樹。颯介は、直ぐにスマートフォンを取り出して調べた。名古屋から車で一時間。トレインアンドレンタカーが楽だろう。
折角なので客室露天風呂のある温泉旅館に泊まりたい。夏樹を誰かに見られたくないので客室露天風呂はマストである。
本来、颯介は自分の陣地や知っている所に連れていくほうが楽だと思っている。夏樹をリードしたいからだ。つまり格好をつけたいのだ。今回はコネとお金をフル活用してこれまで知らなかった所に宿をとり、新幹線とレンタカーを予約した。
ネットで調べると、大桑城跡や明智光秀の墓があるらしい。ヤマトタケルノミコトに関わる神社や祭り。?夏樹はこれに興味があるのか?取り敢えずの行動予定を考えておいた。
「颯介、旅行楽しみだね。ありがとう。気象条件が心配。うまく見られると良いなぁ」
「ちょっと待って。夏樹は何を見たいの?」
「言ってなかったっけ?」
「まだ聞いてはいないね」
「大桑城跡からの雲海と、円原川の伏流水で、出来たら川霧と光芒がみたいな」
そっちか!神話でも戦国でもなく自然景観を求めていた。自分としたことが、夏樹の嗜好を掴めていなかった。いつも通りの微笑を浮かべながら、冷や汗が出た。
「そうだね。見られるといいね」
「うん!」
急いで行動予定を変更することにした。恋するアルファは一生懸命なのだ。
「うわあ!とっても綺麗。颯介ありがとう」
早朝の円原川、夏樹の求めていた景色を見ることが出来た。美しい水辺、木々の間から太陽が差し込んで美しい。
「ねえ、予定を変えて今日はサイクリングに行かない?」
思い立った夏樹のためにレンタサイクルを探し、サイクリングコースを考えて。調べた食事処はお盆休みで開いていなかったり、なかなか一筋縄では行かない。リード出来ない場面では顔に出さずとも落ち込む颯介。
宿に戻る頃には夏樹だけでなく体力に自信のある颯介も疲れはてていた。
川を望む特別室で、ソファに二人で体をもたれかけた。夕食まではまだ少し時間がある。
「颯介はアルファで凄いし格好良いし、いつも頑張っているよね。僕を大切にしてくれて、いつも感謝してる。大好きだ。でも僕達はパートナーだよ。同じ年なんだし。困難や予定どおりに行かないこと、これから子供がもし出来たらより一層起こりえるよ。一緒に乗り越えて行こうね。今日は本当にありがとう」
「夏樹…」
颯介は、夏樹を抱きしめた。囲いこんだつもりが振り回されているのかも知れない。でも、夏樹の為ならば、二人ならば、どんな困難も乗り越えられる。振り回されるのも楽しいではないか。
「ふふふ。幸せ」
「ああ。幸せだね」
夕食の後は、露天風呂を楽しもう。夜は夏樹を目一杯愛して翻弄しよう。ベッドの中ではリードするぞと意気込む颯介だった。
6月に結婚式もあったが、新入社員が新婚旅行に長く出かけるなどとんでもない。仕事を優先すべきと、休まずに働いていた。
金沢グループ本社では、夏休みが設定されている。颯介が休めるのは土日を挟んで五日程度。そのうち二泊三日を旅行にあてようと相談していた。
「夏樹、どこか行きたいところ、ある?連れて行くよ」
「わっ。良いの?嬉しいな。僕やまがたに行ってみたいと思っていたんだ」
「?山形県?山形市?」
「ううん。山県市。岐阜県の」
「岐阜?ごめん。知らなかった」
「そっか。じゃあ、止める?他に行く?」
「いや。夏樹の行きたいところに行くに決まってるよ。交通手段と宿を取り急ぎ予約しておく」
「本当?ありがとう」
ニコッと笑顔の夏樹。颯介は、直ぐにスマートフォンを取り出して調べた。名古屋から車で一時間。トレインアンドレンタカーが楽だろう。
折角なので客室露天風呂のある温泉旅館に泊まりたい。夏樹を誰かに見られたくないので客室露天風呂はマストである。
本来、颯介は自分の陣地や知っている所に連れていくほうが楽だと思っている。夏樹をリードしたいからだ。つまり格好をつけたいのだ。今回はコネとお金をフル活用してこれまで知らなかった所に宿をとり、新幹線とレンタカーを予約した。
ネットで調べると、大桑城跡や明智光秀の墓があるらしい。ヤマトタケルノミコトに関わる神社や祭り。?夏樹はこれに興味があるのか?取り敢えずの行動予定を考えておいた。
「颯介、旅行楽しみだね。ありがとう。気象条件が心配。うまく見られると良いなぁ」
「ちょっと待って。夏樹は何を見たいの?」
「言ってなかったっけ?」
「まだ聞いてはいないね」
「大桑城跡からの雲海と、円原川の伏流水で、出来たら川霧と光芒がみたいな」
そっちか!神話でも戦国でもなく自然景観を求めていた。自分としたことが、夏樹の嗜好を掴めていなかった。いつも通りの微笑を浮かべながら、冷や汗が出た。
「そうだね。見られるといいね」
「うん!」
急いで行動予定を変更することにした。恋するアルファは一生懸命なのだ。
「うわあ!とっても綺麗。颯介ありがとう」
早朝の円原川、夏樹の求めていた景色を見ることが出来た。美しい水辺、木々の間から太陽が差し込んで美しい。
「ねえ、予定を変えて今日はサイクリングに行かない?」
思い立った夏樹のためにレンタサイクルを探し、サイクリングコースを考えて。調べた食事処はお盆休みで開いていなかったり、なかなか一筋縄では行かない。リード出来ない場面では顔に出さずとも落ち込む颯介。
宿に戻る頃には夏樹だけでなく体力に自信のある颯介も疲れはてていた。
川を望む特別室で、ソファに二人で体をもたれかけた。夕食まではまだ少し時間がある。
「颯介はアルファで凄いし格好良いし、いつも頑張っているよね。僕を大切にしてくれて、いつも感謝してる。大好きだ。でも僕達はパートナーだよ。同じ年なんだし。困難や予定どおりに行かないこと、これから子供がもし出来たらより一層起こりえるよ。一緒に乗り越えて行こうね。今日は本当にありがとう」
「夏樹…」
颯介は、夏樹を抱きしめた。囲いこんだつもりが振り回されているのかも知れない。でも、夏樹の為ならば、二人ならば、どんな困難も乗り越えられる。振り回されるのも楽しいではないか。
「ふふふ。幸せ」
「ああ。幸せだね」
夕食の後は、露天風呂を楽しもう。夜は夏樹を目一杯愛して翻弄しよう。ベッドの中ではリードするぞと意気込む颯介だった。
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