3 / 20
3
しおりを挟む
「はぁ~、良く寝た」
天蓋を閉めた暗いベッドで心ゆくまで充分に眠って、やっと目が覚めた。厚いビロードのような天蓋を開けると、周囲は明るかった。
「おはようございます。ハルト様」
「うわっ、びっくりした」
「あ、驚かせてしまい申し訳ございません」
「いえ…どちら様ですか?」
「はじめまして。わたくし、ハルト様のお世話を仰せつかりましたリノと申します」
「リノさんですね」
「はい。ベータで女性のリス獣人です。どうぞ宜しくお願い致します」
「えっ?見た目はヒトに見えますが…」
「リスの特徴をご覧にいれましょうか?」
「はい。可能でしたらお願いします」
「では…」
リノさんはヒトでいう50歳~60歳くらいの女性。うちの母親と同年代くらいに見える。メイドさんのような黒い長袖、長いスカートを着ていてヒトにしか見えなかった。
しかし、ぱっと頭に可愛らしいリスの茶色い毛に覆われた耳が現れたのだ。
「あ、お耳が出るんですか?」
「はい。尻尾も出せます。私たちは形態を変身出来るかどうか、どのくらい変化するかは個人の能力と申しますか、体質と申しますか、個人差が大きくございます」
「へぇー!すごいですね。因みにアルは見た目ヒトそのものでしたけど、どのようになるかご存知ですか?」
「わたくしからは申し上げられませんので是非陛下にお尋ねになられてください。ハルト様が陛下にご興味を持たれたとお喜びになられる事でしょう」
「わかりました。今度聞いてみます。すみません。そのお耳を触らせて頂く事は出来ますか?」
「少しでしたら、どうぞ」
「ありがとうございます。では、失礼して」
リノさんがベッドサイドに近づいてきて、膝を折ってくれた。僕の目の前にかわいいリスの耳がある。もちろん、サイズ的には、ヒトの頭に乗っているのでリスの耳より大きいが、ふわふわの毛が柔らかそう。
僕は動物の毛を触るのは大好きだから楽しみで仕方ない。そーっと手を伸ばして触って見ると思っていた通りの柔らかさ。ふわふわしている。
「うわー、ふわふわですね」
「ふふふ。このくらいでよろしいですか?」
「はい。ごめんなさい」
「いいえ。ハルト様は獣人を怖れて居られないようで、嬉しく存じました。過去の文献では異世界から渡られたヒトが私たちを大変怖れたとの伝承がございましたので、ヒト型に変化出来るわたくしがお世話役に選ばれたのです」
「そうだったんですか。では過去にも僕達の世界からの転移者が居たって事ですね。是非その文献等も見せて欲しいですが…」
「そちらにつきましても後程陛下にお尋ねくださいませ。わたくしは過去のヒトに関する事実の口止めをされておりませんので、おそらく叶えられるのではないかと存じます。ハルト様、お目覚めでしたらお召し変えやお食事に致しましょうか?」
「はい。お願いします」
少し獣人の知識が増えたぞ。そしてすっきり眠って起きたら元気がでてきた。食欲も出たから、食べてもっと色々この世界とこの国の事を知りたい。
ベッドを降りて靴を履き、衣装部屋に案内された。
「この部屋には、いろんな服が有りますね。男女双方、色や形も」
「はい。陛下が番のお妃様を呼ぶ儀式をなさるとお決めになりましてから、お妃様がどのような方でも大丈夫なようにと多種取り揃えました」
「そうですか…ここから着れるもの選んで良いって事ですね」
僕は男性としては若干小さめであるが勿論女性サイズでもなく、なるべくなら動きやすい普段のような服が良い。
「男性用で動きやすいシンプルな服が良いです」
「承知致しました。こちらへ」
男性用の服のうち、日本のMサイズくらいの物があったが、ヒラヒラしたブラウスみたいなものや装飾の多い騎士服みたいなジャケットが目立つ。
その中から、シンプルな黒のズボンと仕方なくフリルが他の物より少なめのブラウスを選ぶ。色味は綺麗なミントグリーンだ。着替えを手伝おうとしてくれるリノさんに恥ずかしいからと伝え後ろを向いてもらって、自分で着替えた。
「どうでしょうか?」
「大変お似合いでございます。こちらへどうぞ」
姿見の前に連れていかれ確認した。いつも作業服が多いから自分でも見慣れない。まるでどこかのお坊っちゃんみたいでちょっと恥ずかしい。
「お肌やお髪のお手入れもわたくしのお役目でございます」
洗面所で顔を洗うと椅子に座らされ、顔に何かを塗ったり、髪を整えられたり。また鏡を見たらますますどこかのお坊っちゃんだ。細くて中性的といわれる顔がますます中性的に見える。
「はぁ。普段手入れなんて何もしないので見慣れません」
「もったいのうございますね。こんなにお美しいのですから。これからはわたくしにお任せください」
それから、応接セットと書棚、書き物の出来る机と椅子の置いてある部屋に移動。そのソファーに座るように促された。
ふかふかのソファーにかけると、ワゴンに乗った料理が運ばれてきた。
「こちら、お口に合いますかどうか。召し上がれるものをお好きなだけどうぞ。お召し上がりになれないようでしたら、他の物をお持ちします」
「光と水は念じるとついたり出たりしますね、食材や調理はどうなってるんですか?」
「はい。植物は、光や水を与えて成長させた上で収穫致します。調理は調理担当者が行っております。火を扱える者や火を出せる者は、限られております」
「そうですか、では人力で収穫と調理をしている感じですね。でも水と光がコントロールできるなら、収穫量は安定しそうだ。すごいな」
並べられた料理の数々。煮たり焼いたりした野菜や豆のようだ。さすがに獣人の国だからか肉はなさそうだけど、身をほぐした魚っぽい物と、切って揚げた魚みたいなものはある。食器は普段使っていたような陶器であるが、高価な洋食器という感じ。カトラリーもほとんど同じ、銀色のスプーン、フォーク、ナイフがあり、お箸は無かった。一つの皿から野菜炒めのような物をスプーンで掬って一口食べてみる。
「あ、美味しい」
他に野菜を煮たような物も器から一口掬って食べる。別の皿から、フォークで揚げて野菜と一緒にしたエスカベッシュのようなものを一口。ポトフのようなスープも一口。
「全部美味しいです。基本的には野菜と塩味ですね」
「ありがとうございます。海から塩と魚をとっております」
日本人の僕には馴染みの味だ。お腹が満たされて来て、ブドウのような色の果実を一つ取ってみた。薄い皮を剥くと中に白いジューシーな実があって甘かった。量が多くて食べきれないが、全てを味見して満腹になった。
「ご馳走さまでした。とても美味しかったです」
「お口に合って何よりです。では食後のお茶をお淹れします」
出てきたのは薄い緑の液体。匂いはローズマリーのような感じ。ふーふーと冷まして少し飲んでみたら、やっぱり。ハーブティーの味だ。
「これも美味しいです。薬草茶のような物で合ってますか?」
「はい。いくつも種類がございますので順にお出しして参ります。お好みをお知らせください」
ふーっ。満足だ。お茶で落ち着いた。さあ、後は何をするかな?
「陛下がお話をなさるためにお見えになられます。この部屋でお待ちくださいませ」
「はい。わかりました」
天蓋を閉めた暗いベッドで心ゆくまで充分に眠って、やっと目が覚めた。厚いビロードのような天蓋を開けると、周囲は明るかった。
「おはようございます。ハルト様」
「うわっ、びっくりした」
「あ、驚かせてしまい申し訳ございません」
「いえ…どちら様ですか?」
「はじめまして。わたくし、ハルト様のお世話を仰せつかりましたリノと申します」
「リノさんですね」
「はい。ベータで女性のリス獣人です。どうぞ宜しくお願い致します」
「えっ?見た目はヒトに見えますが…」
「リスの特徴をご覧にいれましょうか?」
「はい。可能でしたらお願いします」
「では…」
リノさんはヒトでいう50歳~60歳くらいの女性。うちの母親と同年代くらいに見える。メイドさんのような黒い長袖、長いスカートを着ていてヒトにしか見えなかった。
しかし、ぱっと頭に可愛らしいリスの茶色い毛に覆われた耳が現れたのだ。
「あ、お耳が出るんですか?」
「はい。尻尾も出せます。私たちは形態を変身出来るかどうか、どのくらい変化するかは個人の能力と申しますか、体質と申しますか、個人差が大きくございます」
「へぇー!すごいですね。因みにアルは見た目ヒトそのものでしたけど、どのようになるかご存知ですか?」
「わたくしからは申し上げられませんので是非陛下にお尋ねになられてください。ハルト様が陛下にご興味を持たれたとお喜びになられる事でしょう」
「わかりました。今度聞いてみます。すみません。そのお耳を触らせて頂く事は出来ますか?」
「少しでしたら、どうぞ」
「ありがとうございます。では、失礼して」
リノさんがベッドサイドに近づいてきて、膝を折ってくれた。僕の目の前にかわいいリスの耳がある。もちろん、サイズ的には、ヒトの頭に乗っているのでリスの耳より大きいが、ふわふわの毛が柔らかそう。
僕は動物の毛を触るのは大好きだから楽しみで仕方ない。そーっと手を伸ばして触って見ると思っていた通りの柔らかさ。ふわふわしている。
「うわー、ふわふわですね」
「ふふふ。このくらいでよろしいですか?」
「はい。ごめんなさい」
「いいえ。ハルト様は獣人を怖れて居られないようで、嬉しく存じました。過去の文献では異世界から渡られたヒトが私たちを大変怖れたとの伝承がございましたので、ヒト型に変化出来るわたくしがお世話役に選ばれたのです」
「そうだったんですか。では過去にも僕達の世界からの転移者が居たって事ですね。是非その文献等も見せて欲しいですが…」
「そちらにつきましても後程陛下にお尋ねくださいませ。わたくしは過去のヒトに関する事実の口止めをされておりませんので、おそらく叶えられるのではないかと存じます。ハルト様、お目覚めでしたらお召し変えやお食事に致しましょうか?」
「はい。お願いします」
少し獣人の知識が増えたぞ。そしてすっきり眠って起きたら元気がでてきた。食欲も出たから、食べてもっと色々この世界とこの国の事を知りたい。
ベッドを降りて靴を履き、衣装部屋に案内された。
「この部屋には、いろんな服が有りますね。男女双方、色や形も」
「はい。陛下が番のお妃様を呼ぶ儀式をなさるとお決めになりましてから、お妃様がどのような方でも大丈夫なようにと多種取り揃えました」
「そうですか…ここから着れるもの選んで良いって事ですね」
僕は男性としては若干小さめであるが勿論女性サイズでもなく、なるべくなら動きやすい普段のような服が良い。
「男性用で動きやすいシンプルな服が良いです」
「承知致しました。こちらへ」
男性用の服のうち、日本のMサイズくらいの物があったが、ヒラヒラしたブラウスみたいなものや装飾の多い騎士服みたいなジャケットが目立つ。
その中から、シンプルな黒のズボンと仕方なくフリルが他の物より少なめのブラウスを選ぶ。色味は綺麗なミントグリーンだ。着替えを手伝おうとしてくれるリノさんに恥ずかしいからと伝え後ろを向いてもらって、自分で着替えた。
「どうでしょうか?」
「大変お似合いでございます。こちらへどうぞ」
姿見の前に連れていかれ確認した。いつも作業服が多いから自分でも見慣れない。まるでどこかのお坊っちゃんみたいでちょっと恥ずかしい。
「お肌やお髪のお手入れもわたくしのお役目でございます」
洗面所で顔を洗うと椅子に座らされ、顔に何かを塗ったり、髪を整えられたり。また鏡を見たらますますどこかのお坊っちゃんだ。細くて中性的といわれる顔がますます中性的に見える。
「はぁ。普段手入れなんて何もしないので見慣れません」
「もったいのうございますね。こんなにお美しいのですから。これからはわたくしにお任せください」
それから、応接セットと書棚、書き物の出来る机と椅子の置いてある部屋に移動。そのソファーに座るように促された。
ふかふかのソファーにかけると、ワゴンに乗った料理が運ばれてきた。
「こちら、お口に合いますかどうか。召し上がれるものをお好きなだけどうぞ。お召し上がりになれないようでしたら、他の物をお持ちします」
「光と水は念じるとついたり出たりしますね、食材や調理はどうなってるんですか?」
「はい。植物は、光や水を与えて成長させた上で収穫致します。調理は調理担当者が行っております。火を扱える者や火を出せる者は、限られております」
「そうですか、では人力で収穫と調理をしている感じですね。でも水と光がコントロールできるなら、収穫量は安定しそうだ。すごいな」
並べられた料理の数々。煮たり焼いたりした野菜や豆のようだ。さすがに獣人の国だからか肉はなさそうだけど、身をほぐした魚っぽい物と、切って揚げた魚みたいなものはある。食器は普段使っていたような陶器であるが、高価な洋食器という感じ。カトラリーもほとんど同じ、銀色のスプーン、フォーク、ナイフがあり、お箸は無かった。一つの皿から野菜炒めのような物をスプーンで掬って一口食べてみる。
「あ、美味しい」
他に野菜を煮たような物も器から一口掬って食べる。別の皿から、フォークで揚げて野菜と一緒にしたエスカベッシュのようなものを一口。ポトフのようなスープも一口。
「全部美味しいです。基本的には野菜と塩味ですね」
「ありがとうございます。海から塩と魚をとっております」
日本人の僕には馴染みの味だ。お腹が満たされて来て、ブドウのような色の果実を一つ取ってみた。薄い皮を剥くと中に白いジューシーな実があって甘かった。量が多くて食べきれないが、全てを味見して満腹になった。
「ご馳走さまでした。とても美味しかったです」
「お口に合って何よりです。では食後のお茶をお淹れします」
出てきたのは薄い緑の液体。匂いはローズマリーのような感じ。ふーふーと冷まして少し飲んでみたら、やっぱり。ハーブティーの味だ。
「これも美味しいです。薬草茶のような物で合ってますか?」
「はい。いくつも種類がございますので順にお出しして参ります。お好みをお知らせください」
ふーっ。満足だ。お茶で落ち着いた。さあ、後は何をするかな?
「陛下がお話をなさるためにお見えになられます。この部屋でお待ちくださいませ」
「はい。わかりました」
396
あなたにおすすめの小説
不憫王子に転生したら、獣人王太子の番になりました
織緒こん
BL
日本の大学生だった前世の記憶を持つクラフトクリフは異世界の王子に転生したものの、母親の身分が低く、同母の姉と共に継母である王妃に虐げられていた。そんなある日、父王が獣人族の国へ戦争を仕掛け、あっという間に負けてしまう。戦勝国の代表として乗り込んできたのは、なんと獅子獣人の王太子のリカルデロ! 彼は臣下にクラフトクリフを戦利品として側妃にしたらどうかとすすめられるが、王子があまりに痩せて見すぼらしいせいか、きっぱり「いらない」と断る。それでもクラフトクリフの処遇を決めかねた臣下たちは、彼をリカルデロの後宮に入れた。そこで、しばらく世話をされたクラフトクリフはやがて健康を取り戻し、再び、リカルデロと会う。すると、何故か、リカルデロは突然、クラフトクリフを溺愛し始めた。リカルデロの態度に心当たりのないクラフトクリフは情熱的な彼に戸惑うばかりで――!?
【完結】家族に虐げられた高雅な銀狼Ωと慈愛に満ちた美形αが出会い愛を知る *挿絵入れました*
亜沙美多郎
BL
銀狼アシェルは、一週間続いた高熱で突然変異を起こしオメガとなった。代々アルファしか産まれたことのない銀狼の家系で唯一の……。
それでも医者の家に長男として生まれ、父の病院を受け継ぐためにアルファと偽りアルファ専門の学校へ通っている。
そんなある日、定期的にやってくる発情期に備え、家から離れた別宅に移動していると突然ヒートが始まってしまう。
予定外のヒートにいつもよりも症状が酷い。足がガクガクと震え、蹲ったまま倒れてしまった。
そこに現れたのが雪豹のフォーリア。フォーリアは母とお茶屋さんを営んでいる。でもそれは表向きで、本当は様々なハーブを調合して質の良いオメガ専用抑制剤を作っているのだった。
発情したアシェルを見つけ、介抱したことから二人の秘密の時間が始まった。
アルファに戻りたいオメガのアシェル。オメガになりたかったアルファのフォーリア。真実を知るたびに惹かれ合う2人の運命は……。
*フォーリア8歳、アシェル18歳スタート。
*オメガバースの独自設定があります。
*性描写のあるストーリーには★マークを付けます。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
【本編完結】最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!
天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。
なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____
過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定
要所要所シリアスが入ります。
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
「禍の刻印」で生贄にされた俺を、最強の銀狼王は「ようやく見つけた、俺の運命の番だ」と過保護なほど愛し尽くす
水凪しおん
BL
体に災いを呼ぶ「禍の刻印」を持つがゆえに、生まれた村で虐げられてきた青年アキ。彼はある日、不作に苦しむ村人たちの手によって、伝説の獣人「銀狼王」への贄として森の奥深くに置き去りにされてしまう。
死を覚悟したアキの前に現れたのは、人の姿でありながら圧倒的な威圧感を放つ、銀髪の美しい獣人・カイだった。カイはアキの「禍の刻印」が、実は強大な魔力を秘めた希少な「聖なる刻印」であることを見抜く。そして、自らの魂を安定させるための運命の「番(つがい)」として、アキを己の城へと迎え入れた。
贄としてではなく、唯一無二の存在として注がれる初めての優しさ、温もり、そして底知れぬ独占欲。これまで汚れた存在として扱われてきたアキは、戸惑いながらもその絶対的な愛情に少しずつ心を開いていく。
「お前は、俺だけのものだ」
孤独だった青年が、絶対的支配者に見出され、その身も魂も愛し尽くされる。これは、絶望の淵から始まった、二人の永遠の愛の物語。
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる