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「農作物を作るには光と水と栄養が必要だ。しかし水を念じても降らない時は川や井戸から水を運ぶ。しかしその川や井戸が干上がったり、反対に水が溢れてしまうことが起こり、農作物に被害が出ているんだ」
「そうか。僕の故郷も同じだ。その対策として、治水工事を行っているよ。川の流れを変えたり、堤防を作ったりダムを作る。そういう対応はしているの?あと国内の地形図はある?」
「ハル。凄いな。知らないことがある。ダムとは何だろう?地形図は簡単な物があるが」
「詳細な地形図はきっと役立つよ。山や川。海との境界とか。疾患の地域性と照らし合わせるにも役立つかも」
「ありがとう。早速調査隊を編成して、国中に派遣しよう」
「病気については?」
「いくつか、種族とも関係性があるかも知れないが流行している病がある」
「わかった。では図書館でも調べながらまた、教えて貰うね。ある程度知識を得たら一緒に国内の問題箇所を回りたい。実際に見てみないと」
「ああ。愛しいハル。素晴らしい。神が遣わした救世主だ」
「いやいや、まだ何も成果が出てないよ」
午後も少し本を読み、また夕食をとる時間になった。
「ハル。迎えに来たよ。食事を取ろう」
「アル。ありがとう。もう夕食か」
「ああ。ゆっくり、無理をしないで欲しい」
「うん」
手を取られ、二人でダイニングルームに歩いた。アルは僕と手を繋ぐのが好きみたいだ。
夕食の席につくと、野菜のグリル、コンソメスープが出てきた。そして、エスカベッシュ。揚げた魚の種類が以前と違うかもしれない。それを野菜と共に。豆を炊いて潰したペーストが添えられていた。それから、今回は白米に近いもの。朝のお願いを叶えてくれたのか、柔らかく炊いてくれてある。
うーん。白米に近いがもう少し足りない。風味?甘さ?みりんがあればな…、そういえばアルコールの消毒液とかあるのか?ワインがあるなら蒸留して作れそう。
「いかがでしょうか?」
「だいぶ近いです。美味しいけどもうちょっと。みりんとか無いですかね?」
「初めて聞きました。おそらくございません」
「そうですよね」
そこでお酒を作る工程を応用してアルコール消毒液を作ったり、米を蒸して何らかの麹とアルコールでみりんを作れないか、もう少し本を調べて実践してみることにした。
「料理長にも手伝って貰おう。他に調理や酒作りに詳しい者を集めて補助にあたらせる」
「ありがとう。楽しみだな」
フルーツの煮たものを頂いて、ハーブティーを飲み食事を終えた。
「他に何か欲しいものはないだろうか?私は貴方に好かれたい。見当がつかないから何か言ってくれると嬉しい。例えば花や装飾品は、聞いたところハルの気を惹けるとは考えにくい」
「そうだなあ。お花は美しいけど、特に飾りたいとも思わないし、宝飾品に興味は無いんだ。あ。そうだ。アルに獣型でもふもふさせてくれないかな?あれ、気持ち良かった。もふもふすると癒されるんだよね」
「モフモフ?」
「うん。前みたいに、ぎゅってしたり毛を撫でたいんだ。でもそれ以上は無しでね」
「…ああ…わかった。努力する」
「良いの?やった」
「では、就寝前に寝室に伺うとしよう」
部屋に送って貰い、入浴したり就寝前の支度を済ませた。リノさんお勧めの美容液を顔に塗った。乾燥しないで肌を守ってくれるらしい。
「待たせてすまない」
アルがやってきた。簡素な服を着ているから、アルも入浴したのかな。
「どこが良い?」
「ソファーで良いか」
ソファーにアルが進み獣型になって寝そべった。
「ふふ。触って良い?」
頷くのを待ってそっと背中を撫でて、緩く抱きつく。もふもふの毛並みに自分を埋め、堪能した。ああ。癒される。肉球を触ってみたいなあ。
「アル。肉球触って良い?」
また頷くのを待った。あ、すごい。猫より弾力ある。これも気持ちいいかも。かわいいな。爪は勿論立派だけど。
「ありがとう。堪能した」
「それなら良かった。ハルの望みであればまた対応する」
「うん。またお願い。じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ。愛しいハル」
服を着たアルが前に立つ。顔を見上げると僕を好きなんだなって表情が語っている。微笑まれると僕も嬉しい。
だんだん、アルに惹かれている感じがする。この年になってアレだけど、まだ殆ど恋愛経験が無いんだ。自分がどんな人を好きになるのかもわからない。良いなって思った事はあるんだけど、恋愛に発展しなかった。友愛だったのかもしれない。対象も男女どちらもいたから自分の志向がわからない。
1日疲れたから、これ以上考えずに眠ろう。ふかふかの気持ち良いベッドに入って、アルのもふもふを思い出して眠りに就いた。
「そうか。僕の故郷も同じだ。その対策として、治水工事を行っているよ。川の流れを変えたり、堤防を作ったりダムを作る。そういう対応はしているの?あと国内の地形図はある?」
「ハル。凄いな。知らないことがある。ダムとは何だろう?地形図は簡単な物があるが」
「詳細な地形図はきっと役立つよ。山や川。海との境界とか。疾患の地域性と照らし合わせるにも役立つかも」
「ありがとう。早速調査隊を編成して、国中に派遣しよう」
「病気については?」
「いくつか、種族とも関係性があるかも知れないが流行している病がある」
「わかった。では図書館でも調べながらまた、教えて貰うね。ある程度知識を得たら一緒に国内の問題箇所を回りたい。実際に見てみないと」
「ああ。愛しいハル。素晴らしい。神が遣わした救世主だ」
「いやいや、まだ何も成果が出てないよ」
午後も少し本を読み、また夕食をとる時間になった。
「ハル。迎えに来たよ。食事を取ろう」
「アル。ありがとう。もう夕食か」
「ああ。ゆっくり、無理をしないで欲しい」
「うん」
手を取られ、二人でダイニングルームに歩いた。アルは僕と手を繋ぐのが好きみたいだ。
夕食の席につくと、野菜のグリル、コンソメスープが出てきた。そして、エスカベッシュ。揚げた魚の種類が以前と違うかもしれない。それを野菜と共に。豆を炊いて潰したペーストが添えられていた。それから、今回は白米に近いもの。朝のお願いを叶えてくれたのか、柔らかく炊いてくれてある。
うーん。白米に近いがもう少し足りない。風味?甘さ?みりんがあればな…、そういえばアルコールの消毒液とかあるのか?ワインがあるなら蒸留して作れそう。
「いかがでしょうか?」
「だいぶ近いです。美味しいけどもうちょっと。みりんとか無いですかね?」
「初めて聞きました。おそらくございません」
「そうですよね」
そこでお酒を作る工程を応用してアルコール消毒液を作ったり、米を蒸して何らかの麹とアルコールでみりんを作れないか、もう少し本を調べて実践してみることにした。
「料理長にも手伝って貰おう。他に調理や酒作りに詳しい者を集めて補助にあたらせる」
「ありがとう。楽しみだな」
フルーツの煮たものを頂いて、ハーブティーを飲み食事を終えた。
「他に何か欲しいものはないだろうか?私は貴方に好かれたい。見当がつかないから何か言ってくれると嬉しい。例えば花や装飾品は、聞いたところハルの気を惹けるとは考えにくい」
「そうだなあ。お花は美しいけど、特に飾りたいとも思わないし、宝飾品に興味は無いんだ。あ。そうだ。アルに獣型でもふもふさせてくれないかな?あれ、気持ち良かった。もふもふすると癒されるんだよね」
「モフモフ?」
「うん。前みたいに、ぎゅってしたり毛を撫でたいんだ。でもそれ以上は無しでね」
「…ああ…わかった。努力する」
「良いの?やった」
「では、就寝前に寝室に伺うとしよう」
部屋に送って貰い、入浴したり就寝前の支度を済ませた。リノさんお勧めの美容液を顔に塗った。乾燥しないで肌を守ってくれるらしい。
「待たせてすまない」
アルがやってきた。簡素な服を着ているから、アルも入浴したのかな。
「どこが良い?」
「ソファーで良いか」
ソファーにアルが進み獣型になって寝そべった。
「ふふ。触って良い?」
頷くのを待ってそっと背中を撫でて、緩く抱きつく。もふもふの毛並みに自分を埋め、堪能した。ああ。癒される。肉球を触ってみたいなあ。
「アル。肉球触って良い?」
また頷くのを待った。あ、すごい。猫より弾力ある。これも気持ちいいかも。かわいいな。爪は勿論立派だけど。
「ありがとう。堪能した」
「それなら良かった。ハルの望みであればまた対応する」
「うん。またお願い。じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ。愛しいハル」
服を着たアルが前に立つ。顔を見上げると僕を好きなんだなって表情が語っている。微笑まれると僕も嬉しい。
だんだん、アルに惹かれている感じがする。この年になってアレだけど、まだ殆ど恋愛経験が無いんだ。自分がどんな人を好きになるのかもわからない。良いなって思った事はあるんだけど、恋愛に発展しなかった。友愛だったのかもしれない。対象も男女どちらもいたから自分の志向がわからない。
1日疲れたから、これ以上考えずに眠ろう。ふかふかの気持ち良いベッドに入って、アルのもふもふを思い出して眠りに就いた。
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