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✨2025年ご褒美企画✨ 12月31日公開
柊の喘息2
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柊side
喘息を発症したらしい俺は、治療中にもよく発作を起こすようになった。
今日も北都先生との治療の時に発作を起こし呼吸ができずに苦しい思いをした。
「柊、晩ご飯行こー!」
照に呼ばれ治療後で怠い身体をベッドから起こし、シューズを引っかけ部屋から出た。
食堂には、既にほとんどの人が集まっていて、お盆を持ってご飯を受け取るカウンターの列に並んだ。
「柊、どのくらい食べる?」
ご飯をよそっているスタッフに聞かれ、もう少し減らして欲しいと伝えた。
晩ご飯をお盆に乗せ空いている席を探すと照に呼ばれた。
「斗真が先に席確保しといてくれてたよ!」
「サンキューな。」
「いいよ。それより柊、疲れた顔してんね?今日の治療ハードだった?」
「……それなりに。半分北都先生の趣味の時間だったような気もするけど…。」
「なんだそれ。先生が治療に趣味ぶっ込むとかある?」
「……いや?だけどあれは絶対楽しんでやってるとしか思えなかったわ。」
「要するに柊は、北都先生にいじめられたの?」
「……たぶんな。」
晩ご飯を食べながら、3人で顔を突き合わせひそひそ話していると、南先生が食後の薬を持ってやって来た。
「何ひそひそしてるの?」
「柊が北都先生に治療中いじめられたって話を聞いてたの。」
「へぇー。北都先生が?」
「そー!…南先生は北都先生がいじめると思う?」
「ん~、時と場合によるかなぁ…。でも北都先生意外と加虐心あると思うよ?先生になるのに必要な要素だしね。」
「なにそれ…。じゃあ、南先生もいじめたくなるの?」
「いじめてるっていうより性的興奮を煽ってるって感じかなぁ…。」
「…ふぅ~ん。」
「照、あんまよく分かってねぇだろ…。」
「まぁ、照は甘ったれだからいじめたら泣きそうだよな。」
「いじめられなくても毎日泣いてるよ!先生たちすぐ痛い事してくるし…。」
照が頬を膨らませ怒りを露わにする姿が可愛くてクスリと笑ってしまう。
「それはそうと…柊、ご飯終わったらスタッフステーション来てね。」
「…ぅえ"?!……俺、なんかした?」
「そう思うって事は何かやましい事したの?」
「……いゃ?……してねぇと思うけど…。」
「ふふ……じゃあ怒られないから大丈夫だよ。安心しておいで。」
南先生は、俺の肩をポンと叩き食堂から出て行った。
「俺ら先に風呂に行ってるわ。」
夕飯が終わり食器を返却口に置くと、斗真と照がお風呂に行くと部屋に服を取りに戻った。
俺は食堂から出てスタッフステーションに向かった。
「…………しつれーしまーす…。」
「おっ、来たきた。柊、こっち。」
俺を見つけた南先生に手招きされ傍に寄ると、テーブルの上に置かれた機械の前に座らされた。
「……なにすんの?」
「吸入だよ。ここ最近寝てる時に咳が出てるんでしょ?」
っ……バレてたのか。
眠っていると突然喉が詰まったように咳が立て続けに出て、治まるまで布団に潜って凌いでいたのに…。
「それ喘息発作だからね。気管支を広げるお薬吸って寝たら少しは楽になると思うよ。はい。そこ口元に当ててモクモク出てくる煙吸っててね。」
渡されたマスクの先端を口元に当て南先生が機械の電源を入れると、苦い味のする煙が出始めた。
「…ぅゔ……まず…。」
「口離さない。しっかりお薬吸っててよ。」
暫くして機械から吸入終了を知らせる電子音が響き解放された。
「お疲れ様。お風呂行っておいで。」
「…ん。…ジュース飲んでいい?」
「吸入したばっかりだから、せめてお風呂から出てからにして。」
口の中が苦いのはうがいをして風呂に入った。
10時が就寝時間で治験棟内の電気が切られる。
ロビーの数個とスタッフステーションだけ電気が点っていて、眠たくなるまで大体の子はロビーで過ごす。
日付が変わる頃には、俺を含め2、3人になっている。
「そろそろ部屋戻れよ。」
今日の当直の先生が見回りに来て、ロビーの電気も切られた。
俺は、布団に入ってもなかなか寝付けずに1時を回った頃にようやく眠った。
「……ゴホッ…ゴホッゴホッ……ヒュー……ゴホッ……」
またか…。
咳込んで、その息苦しさに目が覚めた。
いつものように布団に潜り同室の斗真たちに聞こえないように凌いでいたが、今日の咳はしつこくどんどん喉が締まって呼吸ができなくなってくる。
昼間治療中に起きた発作だと直感した。
咳の音がうるさいとか気にしている余裕もないほど苦しくて、布団を跳ね飛ばし起き上がった。
「…ヒュー…ヒュー……げほっ!ゴホッゴホッ……ヒュー…。」
立て続けに出る咳に視界が霞ながら、壁際掛けっぱなしのなっていたコールボタンを探り押した。
「ゴホッ!ゴホッ!……ヒュッ、ヒュー…ゴホッ…。」
「…喘息発作ですね。吸入しますよ。」
コールを受け駆けつけてくれた香西先生の声がして、背中を大きく摩られ口元に吸入口を当てられる。
「ゴホッゴホッ…ヒュー……ゴホッ…。」
「苦しいと思いますが…落ち着いて咥えて。」
咳の合間になんとか吸入口を咥え…ヒュッと酸素を吸ったタイミングでカシュッと吸入薬が噴射された。
「ゴホッゴホッ!ゲホッ!……ヒュー…ゲホッ!」
「…もう1回吸入しましょう。」
酷くなるばかりで一向に治まらない発作にもう一度吸入薬を吸わされる。
それでも気管支が狭まる感覚が取れずに咳込んでしまう。
「…香西です。点滴お願いします。」
隣からPHSで連絡する香西先生の声がして、すぐにベッド周りを囲っていたカーテンが開き北都先生が点滴を持って来た。
「柊、しんどいと思うけど左腕貸してね。」
ヘッドライトの下で血管を探る北都先生。
「チクッとするよ。これで発作治まってくれるからね…。」
薄暗い中器用に針を血管に進めた北都先生は、点下速度を調整すると呼吸がしやすいように肩に頭を預けるように抱えてくれた。
点滴のお陰でようやく咳が治まり、息苦しさから解放されると猛烈な睡魔に襲われ眠りについた。
喘息を発症したらしい俺は、治療中にもよく発作を起こすようになった。
今日も北都先生との治療の時に発作を起こし呼吸ができずに苦しい思いをした。
「柊、晩ご飯行こー!」
照に呼ばれ治療後で怠い身体をベッドから起こし、シューズを引っかけ部屋から出た。
食堂には、既にほとんどの人が集まっていて、お盆を持ってご飯を受け取るカウンターの列に並んだ。
「柊、どのくらい食べる?」
ご飯をよそっているスタッフに聞かれ、もう少し減らして欲しいと伝えた。
晩ご飯をお盆に乗せ空いている席を探すと照に呼ばれた。
「斗真が先に席確保しといてくれてたよ!」
「サンキューな。」
「いいよ。それより柊、疲れた顔してんね?今日の治療ハードだった?」
「……それなりに。半分北都先生の趣味の時間だったような気もするけど…。」
「なんだそれ。先生が治療に趣味ぶっ込むとかある?」
「……いや?だけどあれは絶対楽しんでやってるとしか思えなかったわ。」
「要するに柊は、北都先生にいじめられたの?」
「……たぶんな。」
晩ご飯を食べながら、3人で顔を突き合わせひそひそ話していると、南先生が食後の薬を持ってやって来た。
「何ひそひそしてるの?」
「柊が北都先生に治療中いじめられたって話を聞いてたの。」
「へぇー。北都先生が?」
「そー!…南先生は北都先生がいじめると思う?」
「ん~、時と場合によるかなぁ…。でも北都先生意外と加虐心あると思うよ?先生になるのに必要な要素だしね。」
「なにそれ…。じゃあ、南先生もいじめたくなるの?」
「いじめてるっていうより性的興奮を煽ってるって感じかなぁ…。」
「…ふぅ~ん。」
「照、あんまよく分かってねぇだろ…。」
「まぁ、照は甘ったれだからいじめたら泣きそうだよな。」
「いじめられなくても毎日泣いてるよ!先生たちすぐ痛い事してくるし…。」
照が頬を膨らませ怒りを露わにする姿が可愛くてクスリと笑ってしまう。
「それはそうと…柊、ご飯終わったらスタッフステーション来てね。」
「…ぅえ"?!……俺、なんかした?」
「そう思うって事は何かやましい事したの?」
「……いゃ?……してねぇと思うけど…。」
「ふふ……じゃあ怒られないから大丈夫だよ。安心しておいで。」
南先生は、俺の肩をポンと叩き食堂から出て行った。
「俺ら先に風呂に行ってるわ。」
夕飯が終わり食器を返却口に置くと、斗真と照がお風呂に行くと部屋に服を取りに戻った。
俺は食堂から出てスタッフステーションに向かった。
「…………しつれーしまーす…。」
「おっ、来たきた。柊、こっち。」
俺を見つけた南先生に手招きされ傍に寄ると、テーブルの上に置かれた機械の前に座らされた。
「……なにすんの?」
「吸入だよ。ここ最近寝てる時に咳が出てるんでしょ?」
っ……バレてたのか。
眠っていると突然喉が詰まったように咳が立て続けに出て、治まるまで布団に潜って凌いでいたのに…。
「それ喘息発作だからね。気管支を広げるお薬吸って寝たら少しは楽になると思うよ。はい。そこ口元に当ててモクモク出てくる煙吸っててね。」
渡されたマスクの先端を口元に当て南先生が機械の電源を入れると、苦い味のする煙が出始めた。
「…ぅゔ……まず…。」
「口離さない。しっかりお薬吸っててよ。」
暫くして機械から吸入終了を知らせる電子音が響き解放された。
「お疲れ様。お風呂行っておいで。」
「…ん。…ジュース飲んでいい?」
「吸入したばっかりだから、せめてお風呂から出てからにして。」
口の中が苦いのはうがいをして風呂に入った。
10時が就寝時間で治験棟内の電気が切られる。
ロビーの数個とスタッフステーションだけ電気が点っていて、眠たくなるまで大体の子はロビーで過ごす。
日付が変わる頃には、俺を含め2、3人になっている。
「そろそろ部屋戻れよ。」
今日の当直の先生が見回りに来て、ロビーの電気も切られた。
俺は、布団に入ってもなかなか寝付けずに1時を回った頃にようやく眠った。
「……ゴホッ…ゴホッゴホッ……ヒュー……ゴホッ……」
またか…。
咳込んで、その息苦しさに目が覚めた。
いつものように布団に潜り同室の斗真たちに聞こえないように凌いでいたが、今日の咳はしつこくどんどん喉が締まって呼吸ができなくなってくる。
昼間治療中に起きた発作だと直感した。
咳の音がうるさいとか気にしている余裕もないほど苦しくて、布団を跳ね飛ばし起き上がった。
「…ヒュー…ヒュー……げほっ!ゴホッゴホッ……ヒュー…。」
立て続けに出る咳に視界が霞ながら、壁際掛けっぱなしのなっていたコールボタンを探り押した。
「ゴホッ!ゴホッ!……ヒュッ、ヒュー…ゴホッ…。」
「…喘息発作ですね。吸入しますよ。」
コールを受け駆けつけてくれた香西先生の声がして、背中を大きく摩られ口元に吸入口を当てられる。
「ゴホッゴホッ…ヒュー……ゴホッ…。」
「苦しいと思いますが…落ち着いて咥えて。」
咳の合間になんとか吸入口を咥え…ヒュッと酸素を吸ったタイミングでカシュッと吸入薬が噴射された。
「ゴホッゴホッ!ゲホッ!……ヒュー…ゲホッ!」
「…もう1回吸入しましょう。」
酷くなるばかりで一向に治まらない発作にもう一度吸入薬を吸わされる。
それでも気管支が狭まる感覚が取れずに咳込んでしまう。
「…香西です。点滴お願いします。」
隣からPHSで連絡する香西先生の声がして、すぐにベッド周りを囲っていたカーテンが開き北都先生が点滴を持って来た。
「柊、しんどいと思うけど左腕貸してね。」
ヘッドライトの下で血管を探る北都先生。
「チクッとするよ。これで発作治まってくれるからね…。」
薄暗い中器用に針を血管に進めた北都先生は、点下速度を調整すると呼吸がしやすいように肩に頭を預けるように抱えてくれた。
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