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冷徹からの熱愛⑤
しおりを挟む「ずっと触れていたい。これからずっとフローラがそばにいると思うと舞い上がりすぎてどうにかなりそうだ」
私の手を取ると、クリフォードの心臓に当てた。
私以上にドキドキしている心臓にびっくりして目を見開くと、肩頬を引き上げて恥ずかしそうに目を細める。
ゆっくりと顔が近づいてくるのに合わせ、私は目を閉じた。
柔らかな唇をクリフォードはぷにっと押しつけ、ちろりと舌で舐め取っていく。それからふっと息を吹きかけると、上唇を軽く食んだ。
獰猛に瞳を光らせ、支配者たる視線で私の動きを封じてくる。
先ほどより弾力がわかるほど触れ合いとときおり食まれる口づけ。それだけなのに触れた部分から熱がじわりと身体を巡っていく。
「フローラ。俺のものにしていい? ずっとずっと渇望しすぎて、少しでも早く埋め尽くしたくてしかたがない。夢みたいにいつ暴走するかわからないくらいフローラに欲しくてほんとおかしくなりそう」
「おかしくなるのは困りますね」
待てができるようになったけど、許された後の本人の申告に正直ビビる。
こっちは初心者なのだと思うけれど、きっとこの屋敷に来た頃から待ってくれていたのだと思うと強く言えない。
変な拗らせ方をして歪みが爆発したけれど、信頼している周囲や私に言われて律儀に約束は守ってはいたので、六年半いろいろ押さえ込んでいたと思うとさすがに可哀想になってくる。
それに口ではそう言いながらも、今のクロフォードはきっと無茶をしない。
今もなお胸に当たる手だって、クリフォードの精一杯の愛情表現で怖がらせないように考えてのことだろう。
彼の気持ちの真剣さ、そしてまっすぐに思われ大事に思われていることと、行動への信頼はある。
多少羽目を外すのは視野に入れている。言ったら暴走しそうなので言わないけれど。
クリフォードのぎらりと熱を帯びた眼差しが私を射貫いてくる。
彼が伝えてくる熱に浮かされたように身体が勝手に震えしびれ出す。
私だけに見せる歪さと、ずっと密やかに熱心に思われてきてこんなにも欲してくれることに、女性の喜びを感じて。その手を、熱を、拒めない。拒みたくない。
クリフォードが左手で私の頬を撫で、右手で私の鎖骨をなぞりそこにあるエメラルドのネックレス持ち上げる。
「わざわざ自分の色のプレゼントをする意味はわかっている?」
「はい」
「それは良かった。今度は置いていこうとしないと約束してくれ。俺のこともだ」
「もちろんです」
クリフォードには身を切るようにつらかったようだけれど、私たちには大事だったと思っている。この四年間があったから今一緒にいる。
しっかり頷くと、安堵したようにクリフォードが柔らかく笑う。
その表情を見てとくとくと逸り出す鼓動にきゅっと唇を引き結ぶと、さらにクリフォードの笑みが深まった。
私の言動で喜びを表現してくれることがとても愛おしい。
「これからはずっと一緒に居たいです。好きです」
「ああ。俺もだ。最初怖がらせて悪かった。気持ちも大事にするから、こんな俺とずっとともにいてほしい。愛してる」
「はい」
熱くなった身体にネックレスが落ちる。そのまま手をくすぐるように這わせ、首から顎、そして唇や頬へと辿っていき、また胸のほうへと下がる。
反応を確認するように覗き込まれ放たれる大人の空気に呑まれて、芯から熱くなってくるようだ。
愛おしいと隠さない双眸に、胸の奥が熱くなって溶かされる。
「こんなにも触れたいと思ったのもフローラだけだ。フローラのすべてが欲しい」
「私もクリフのすべてが欲しいです」
好きだからこそ欲しいという気持ちは私にもある。心も身体の体温も混ざり合いたい。
そう思って見つめると、凄絶な色気とともに笑み自身の唇をぺろりと舐めた。キスをしやすいように私の顎を持ち上げると、深く唇を奪われる。
どうすればいいかわからない私の唇をこじ開けると、長い舌が器用に私の舌を絡め取ってくる。
「……んっ」
うまく息が吸えず苦しくて顔を歪ませると、少し隙間を空けたクリフォードが零れた唾液を舐め取りちゅるりと吸い取る。
「フローラ。息して。……そう、鼻で。上手だ」
とにかく丁寧に怖がらせないようになのかゆっくりと舌が這い回り、ねちっこい。
キスの気持ちよさを教えるように様々な角度で攻めたてられる。
「とろんとして可愛い」
「……んあっ」
キスの合間に確認のように告げられ、そのたびに頷くまで口内を攻められる。
ぴくっとその刺激に肩を揺らすと端整な顔に浮かぶ表情と怪しげな指の動きに、熱い眼差しに捕われて声が上擦る。
「フローラ。ローラ。戻ってきてくれてありがとう」
キスを受けながらささやかれた言葉に、今までのことが一気に駆け巡る。
様々な感情が溢れ、改めて今向き合えていることに感動する。ありがとうと伝えてくれる優しい人で良かったと胸が熱くなった。
「……はい。これからはずっと一緒です」
嫌われていると思って出て行こうとしてから、なんでこんなに拗れたのかと思うほど時間を要した。
それは主にクリフォードが原因だけど、ほんのりスパイスはまだ感じるがこうして穏やかに向き合える今はとても温かくて私はクリフォードに身を預けた。
FIN.
短編修練といつもと違った困った癖のあるヒーローの溺愛に挑戦と思い出来上がったのが今作です。
難儀なヒーローにエネルギーもってかれました(´>ω<`)
しばらくは甘めや好きを詰め込んだ作品に集中しチャージしようと思います笑
甘め好きな方は、さっそくこの後現代ものですが投稿(短いです)する予定なのでよければ覗いていただけたら幸いです。
最後まで本当にお付き合いありがとうございました!
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知風さま
お付き合い、感想ありがとうございます!
正統派ばかりもなと思って書いたらこんなヒーローになってしまって。
それでも楽しんでいただけたと教えていただき、本当に嬉しいです゚+.゚(´▽`人)゚+.゚!!
励ましも、そして丁寧な誤字報告(直しました)も本当にありがとうございます(*//艸//)♡
もともと気にしてましたし、恋愛は双方しかわからないものもあるので。
あとはもう……ですね。
お付き合いありがとうございます!
多分……。
そう不安になる不安定な怖さがあるクリフォードです。
なんか申し訳ないです 。゜゜(」。≧⊿≦)」汗