14 / 14
第14話 私を奪ってください
しおりを挟む
オスヴァルトの発作が落ち着いてから数日後、フィーネとオスヴァルトは彼の部屋で過ごしていた。
「ごめんね、発作のこと言わなくて」
「きっと私が心配すると思って言ってなかったのしょう?」
「そうなんだけど、いずれわかっちゃうよね……」
オスヴァルトは申し訳なさそうに頭をさげるも、フィーネは首を振って笑みを浮かべた。
「大丈夫です。あなたが生きていれば」
その言葉を聞いてオスヴァルトは、フィーネの頬に手を添える。
「オズ?」
「君を見つけて君とまたいられるようになって、本当によかった」
「私もです。伯爵家での辛い日も、教会での辛い日も毎日あなたを想って過ごしていました。頑張って生きてきました。いえ、あなたがいたから私は生きてこられたのかもしれません」
「フィーネ……」
オスヴァルトは、フィーネの手を引くと、そのままベッドに押し倒した。
「オズ!?」
「ふふ、あのね、『稀血の大聖女』のもう一つの秘密、知ってる?」
「え?」
聞き返したフィーネの耳元でオスヴァルトの甘い声が響く。
「吸血されても、吸血鬼にならないんだよ」
そうして二人の目が合った。
その瞬間、フィーネはオスヴァルトが今から何をするのかわかった。
「吸血、したいですか? 私を」
「ふふ、したいに決まってるでしょ。好きな人の血を求めるのは吸血鬼の性だからね」
そういって、オスヴァルトはフィーネの首元に唇をやるとぺろりと舐めた。
くすぐったさでフィーネは体をよじってしまう。
すると、そんな彼女を逃がすまいとオスヴァルトの足がフィーネの足をからめとった。
「君のこと食べないって言ったけど、撤回。君を食べたい、欲しい。僕の初めての吸血をもらってくれますか?」
フィーネはオスヴァルトの頬に両手を添えて笑みを浮かべると、少し恥ずかしそうに言う。
「私を奪ってください、オズ」
その言葉にオスヴァルトは一瞬目を大きく開き、そして微笑む。
「絶対に離さない。もう、逃がさないから」
オスヴァルトはゆっくりとフィーネの首元に牙を突き立てた──。
*********
ヴァンパイアものを昔書いていたのですが、
それを長期連載版として小説家になろうで投稿をはじめました。
ヴァンパイア好きな人はよければ。。。
「ごめんね、発作のこと言わなくて」
「きっと私が心配すると思って言ってなかったのしょう?」
「そうなんだけど、いずれわかっちゃうよね……」
オスヴァルトは申し訳なさそうに頭をさげるも、フィーネは首を振って笑みを浮かべた。
「大丈夫です。あなたが生きていれば」
その言葉を聞いてオスヴァルトは、フィーネの頬に手を添える。
「オズ?」
「君を見つけて君とまたいられるようになって、本当によかった」
「私もです。伯爵家での辛い日も、教会での辛い日も毎日あなたを想って過ごしていました。頑張って生きてきました。いえ、あなたがいたから私は生きてこられたのかもしれません」
「フィーネ……」
オスヴァルトは、フィーネの手を引くと、そのままベッドに押し倒した。
「オズ!?」
「ふふ、あのね、『稀血の大聖女』のもう一つの秘密、知ってる?」
「え?」
聞き返したフィーネの耳元でオスヴァルトの甘い声が響く。
「吸血されても、吸血鬼にならないんだよ」
そうして二人の目が合った。
その瞬間、フィーネはオスヴァルトが今から何をするのかわかった。
「吸血、したいですか? 私を」
「ふふ、したいに決まってるでしょ。好きな人の血を求めるのは吸血鬼の性だからね」
そういって、オスヴァルトはフィーネの首元に唇をやるとぺろりと舐めた。
くすぐったさでフィーネは体をよじってしまう。
すると、そんな彼女を逃がすまいとオスヴァルトの足がフィーネの足をからめとった。
「君のこと食べないって言ったけど、撤回。君を食べたい、欲しい。僕の初めての吸血をもらってくれますか?」
フィーネはオスヴァルトの頬に両手を添えて笑みを浮かべると、少し恥ずかしそうに言う。
「私を奪ってください、オズ」
その言葉にオスヴァルトは一瞬目を大きく開き、そして微笑む。
「絶対に離さない。もう、逃がさないから」
オスヴァルトはゆっくりとフィーネの首元に牙を突き立てた──。
*********
ヴァンパイアものを昔書いていたのですが、
それを長期連載版として小説家になろうで投稿をはじめました。
ヴァンパイア好きな人はよければ。。。
38
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
醜貌の聖女と呼ばれ、婚約破棄されましたが、実は本物の聖女でした
きまま
恋愛
王国の夜会で、第一王子のレオンハルトから婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリエル・アルヴァリア。
顔を銀の仮面で隠していることから『醜貌の聖女』と嘲られ、不要と切り捨てられた彼女は、そのまま王城を追われることになる。
しかし、その後に待ち受ける国の運命は滅亡へと向かっていた——
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
運命の秘薬 〜100年の時を超えて〜 [完]
風龍佳乃
恋愛
シャルパド王国に育った
アリーリアはこの国の皇太子である
エドアルドとの結婚式を終えたが
自分を蔑ろにした
エドアルドを許す事が出来ず
自ら命をたってしまったのだった
アリーリアの魂は彷徨い続けながら
100年後に蘇ったのだが…
再び出会ってしまったエドアルドの
生まれ変わり
彼も又、前世の記憶を持っていた。
アリーリアはエドアルドから離れようと
するが運命は2人を離さなかったのだ
戸惑いながら生きるアリーリアは
生まれ変わった理由を知り驚いた
そして今の自分を受け入れて
幸せを見つけたのだった。
※ は前世の出来事(回想)です
傷物の大聖女は盲目の皇子に見染められ祖国を捨てる~失ったことで滅びに瀕する祖国。今更求められても遅すぎです~
たらふくごん
恋愛
聖女の力に目覚めたフィアリーナ。
彼女には人に言えない過去があった。
淑女としてのデビューを祝うデビュタントの日、そこはまさに断罪の場へと様相を変えてしまう。
実父がいきなり暴露するフィアリーナの過去。
彼女いきなり不幸のどん底へと落とされる。
やがて絶望し命を自ら断つ彼女。
しかし運命の出会いにより彼女は命を取り留めた。
そして出会う盲目の皇子アレリッド。
心を通わせ二人は恋に落ちていく。
第一王女アンナは恋人に捨てられて
岡暁舟
恋愛
第一王女アンナは自分を救ってくれたロビンソンに恋をしたが、ロビンソンの幼馴染であるメリーにロビンソンを奪われてしまった。アンナのその後を描いてみます。「愛しているのは王女でなくて幼馴染」のサイドストーリーです。
ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜
嘉神かろ
恋愛
魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。
妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。
これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。
過去の青き聖女、未来の白き令嬢
手嶋ゆき
恋愛
私は聖女で、その結婚相手は王子様だと前から決まっていた。聖女を国につなぎ止めるだけの結婚。そして、聖女の力はいずれ王国にとって不要になる。
一方、外見も内面も私が勝てないような公爵家の「白き令嬢」が王子に近づいていた。
八つ当たりで、聖女をクビになりました。失恋した王子の乱心によって、王国は危機的状況です。
木山楽斗
恋愛
リステラは、レバデイン王国の聖女である。
ある日、彼女は上司である第三王子のスルーガからクビを告げられる。
彼は、平民であるリステラが聖女の地位に就いていることが気に入らないらしいのだ。
クビになってしまったリステラだったが、知り合いの騎士などの協力によって、第四王子のセルトスと出会った。
彼は、兄による解雇が不当であるとして、リステラを聖女の地位に戻すことを約束してくれた。
そこで、リステラは衝撃的な事実を知る。スルーガは、振られた八つ当たりで、彼女をクビにしたらしいのだ。
※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。
※2021/06/04 改題しました。(旧題:振られた王子の八つ当たりで、聖女をクビになりました。彼の暴走で、王国は危機的状況です。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる