ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航

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第三章 秘匿ダンジョン

第83話 トラブルメーカー

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<ホシ視点>

「ふい~」

 地下一階の草原で寝そべりながら、一息つく。
 でも、さっきから気になって仕方がない。
 俺はちらっと横に視線を移した。

《星にならないんですか?》

「な、なりません!!」

 現在は配信中。
 『雑談』とめいってゆるい配信をするつもりが、コメントの勢いがすさまじい。

《星になれ》
《俺はかっこいいと思ったよ!笑》
《僕も星になりたいです》
《星にさせてください》

「も、もうやめてくださいー!」

 玉依たまより家との対決から、約一週間。
 対決後、念願の京都旅行も終えて、俺はようやく家に帰ってきていた。

 だけど、イベントの反響が予想の何十倍も大きかった。
 その中でも、『星になれ』という言葉はネットミーム化(流行)しているらしい。

 べ、別にかっこいいと思って言ったわけじゃないもん!

《彦根家のみんなもいますか?》

「いますよ。ほらあそこー」

 俺はカメラの向きを変えた。
 すると奥の方から、三匹が跳び跳ねるように走ってくる。

「キュイ!」
「クゥン!」
「ボォッ!」

 めろん、わたあめ、いちごだ。
 それはもう嬉しそうな顔をしながら、猛スピードで突っ込んで来る。

「ははっ! 元気だったか~!」
「キュ!」「ワフ!」「ボォッ!」

《ペット達だあ!》
《かわいいー!!》
《きゃわあああ!》
《勢いえっぐw》
《ドゴオって突っ込んできたけどww》
《ホシ君にはノーダメージ》
《もっふもふ!》
《癒しだ……》

 食料などは、ダンジョン内で全てそろうので問題ない。
 でも、一週間ぶりともあって余計に強く抱き着いてきた。
 さすがに寂しかったみたいだ。

 代表して、わあためが話をしてくれる。

「え、イベントを見ててくれたの?」
「ワフ~ン!」
「そっかそっか、嬉しいなあ!」
「いや、おかしいでしょ。冷静に」

 三匹は仲良く、スマートテレビで配信を見てたみたい。
 俺はご機嫌で三匹を抱きかかえる。
 サラっとツッコミを入れていったのは、ブルーハワイだ。

《本当だよ、なんで見てんだよw》
《頭良すぎて草》
《かわいいけどw》
《テレビ操作するの妄想したらシュールすぎ》
《ブルーハワイちゃん笑》

 また後方では、姉さんがパンパンと手を叩いていた。

「お茶」
「はいぃ!」

 すると、すぐに流転君がお茶を持ってする。
 完全にこき使われてるな。
 もう一回ちゃんと言っておかないと。

 でも、そんな周りを見渡して改めて思う。
 日常が返ってきたんだなって。

《そういえば、地下三階はどうなったんですか?》

「あ、あーそうですね……」

 コメントには少し詰まるも、今の心情を素直に伝えた。

「地下三階はトラブルメーカーですからね」

《まあなw》
《渋るのは分かるw》
《イナリちゃんもなあ笑》

 何かと騒がしいので、今日は一旦置いておきたい。
 ──と、させてくれるはずもなく。

「ホシー!!」
「……あ、この声」

《やばい!》
《言ったそばからかよw》
《トラブルだ!》

 視聴者も気づいたのだろう。
 息を切らしながら走ってきたのは、イナリさんだ。

「ホシ、聞いてくれぬかー!」
「さっき神社に帰ったんじゃないんですか?」
「そうじゃが、大変なんじゃ!」
「え?」

 いつものイナリさんじゃない。
 緊迫した様子に、俺は体を起こして聞く。

「地下三階に、しょうが充満し始めておる!」
「え、それって!」
「ああ、おそらくが目覚めたのじゃ」
「……っ」

 その言葉に、俺も思わず息を呑む。

《なんだなんだ?》
《本当の事態か?》
《イナリさんが焦ってる》
《奴って誰だ……?》
《まさか新しい住人か?》

「仕方ない。様子を見に行ってみるか」

 俺は立ち上がり、すぐに準備を始めた。

「ヤマタノオロチさんの元へ」
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