魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第12話 ただのテイマーです

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 「大丈夫ですかー!」

 巨大なヘビを魔法で倒し、アケアが走ってくる。
 だが、状況が理解できないセレティアは思わずたずねた。

「今のは、あなた様が助けて下さったんですか!?」
「はい、僕はアケアといいます!」
「アケア、様……」

 すると、セレティアはすとんとその場に座り込んだ。
 極度の緊張が一気にほぐれ、安心感を抱いたのだろう。
 その美しい瞳からは涙もこぼれている。

「あ、ありがとうございます……!」
「いえ、間に合って良かったです」
「ですが……私は取り返しのつかないことをしてしまいました……」

 だが、セレティアはすぐに周囲に気を配る。
 彼女の周りには、護衛たちが倒れていたのだ。
 
「この傷ではもう……。例えきゅうてい治癒ちゆ士であろうと──」
「あ、お仲間さんでしたか。ではちょっと待ってて下さい」
「え?」

 セレティアの護衛だと認識したアケアは、人差し指に魔法を灯す。
 人々を癒すような、優しい黄緑色の光だ。

「【上級治癒ハイ・ヒーリング】」
「……!?」

 光が周りに波及した途端、ぐったりとしていた護衛たちが徐々に目を開く。
 もう助からないはずの護衛たちが、一瞬にして回復したのだ。
 
「なんだ!?」
「体が動く!?」
「はっ、姫様はご無事ですか!?」

 すると、護衛たちはすぐさまセレティアに駆け寄った。
 この態度から、彼女はよほど慕われているのだろう。
 
 そして、アケアの存在にも気づいたようだ。

「まさか、あなたが救ってくださったのですか?」
「あの魔物も一人で倒したのか!?」
「なんて強さだ!」

 また、セレティア自身も信じられないような目でアケアを覗いていた。
 
「アケア様、今のは一体何を……? あなたは魔法系のギフトではなかったのですか?」

 魔法系のギフトは、基本的に攻撃に関する魔法を授かる。
 だが治癒魔法は、治癒系というまた違う系統のギフト由来なのだ。
 だからこそ、両方を使いこなしたアケアに戸惑ってしまった。

 だが、アケアは首を横に振る。

「いえ、どちらでもないです」
「どちらでも!? では一体どんな最上位ギフトを!?」
「最上位というか……」

 アケアは自信なさげに答えた。

「僕はテイマーです」
「テ、テイマーですか!?」
「は、はい……」

 セレティアは思わず声を上げる。
 だが、油断するにはまだ早かった。

「「「キシャアアアア!」」」
「「「……!」」」

 巨大なヘビの魔物は、一体だけではなかった。
 騒ぎに乗じて、残りの個体が周りから寄って来てしまったようだ。

「まさか群れだったというのか!?」

 この状況に、女性騎士レイルは歯を食いしばる。

(私たちは一匹に壊滅させられたのだぞ!? こんなのが四匹もいるなんて……!)

 再び絶望感に打ちひしがれた表情だ。
 対してアケアは、全くもって飄々ひょうひょうとしていた。

「あ、まだいたんだ」
「少年!? そこはあぶな──」
「【四属性のクローバーフィーア・クローバー
「……!?」

 すると、アケアの手から火・水・雷・風を合わせた魔法が四方向に広がる。
 複数の耐性を持つヘビだが、この魔法には成す術がなかった。

「「「シャ、シャアァ……」」」
「「「……っ」」」

 セレティア達は、信じられない光景に再び目を疑う。
 実際に目にしているはずが、頭で理解できないのだ。
 なぜなら、彼女たちが住む国において、最高の魔法使いが三属性まで・・・・・しか使えないのだから。

 すると、騎士レイルの口からは、セレティアと同様の言葉がこぼれていた。

「き、君は一体……」
「えと、ただのテイマーです」
「「「……」」」

 対して、今度は全員が一斉に叫ぶ。

「「「なわけあるかーーーーーーー!」」」
「え?」

 こうして、アケアはセレティア達と出会ったのだった。
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