魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

文字の大きさ
23 / 71

第23話 冒険者ギルドにて

しおりを挟む
 「ここかあ」

 横に長い木造の建物を見上げて、僕はつぶやいた。

 目の前にあるのは──冒険者ギルド。
 冒険者が日々依頼を受けたり、情報交換をする場所だそうだ。

「ちょっと緊張する……」

 セレティアと王都を巡ってから、数日。
 一度、森の拠点の様子を見に帰ってから、この王都に戻ってきた。
 セレティアに勧められた“冒険者”になるためだ。
 
 ちなみに、拠点は相変わらずだった。
 長老スライムさんを中心に、『働かざる者お肉食べられない』の信念の元、わいわいと生活をしていた。
 みんなが頼もしいと、僕も気兼ねなく王都で活動することができる。

「よし、行こう」
 
 そうして、覚悟を決めて木の扉を開けた。

「こ、こんにちは──」
「「「わっはっはっは!」」」

 中はすごく賑やかで、僕の声は簡単にかき消されてしまう。
 酒場も併設されているからかな。
 そろーりと受付に向かっていると、ちょいちょい声をかけられた。

「お、見ない顔だな」
「新人くんかい」
「頑張れよ~若人わこうど!」

 顔や体格はちょっぴり怖いけど、みんな良い人たちみたいだ。
 冒険者同士の仲間意識なのかもしれない。

「あ、ありがとうございます~」

 励ます声をそれなりにもらいながら、受付嬢さんの元へたどり着く。

「初めましての方ですかね。本日はどうされましたか」
「あの、セレティア・ヒルナーデ公爵令嬢からお話が来ていると思うんですが……」
「「「……!?」」」

 その瞬間、周囲がざわっとした気がした。
 騒がしかった酒場の声はいつの間にか止み、コソコソと声が聞こえる。

「おい、あれが噂の……」
「あの年でセレティア様の推薦を?」
「直々の推薦なんて聞いたことねえぞ」
「実はすげえ力を持ってんのか?」

 会話の内容までは聞き取れない。
 なんとなく僕のことを話しているような気もするけど。
 また、受付嬢さんも途端に顔色を変える。

「では、あなたがアケアさんでしょうか!」
「はい……」
「少々お待ちを! 急いでお取り次ぎいたします!」

 そのまま慌てた様子で奥へと行ってしまった。
 こうなると、急に静まった周りが気になってしまう。

「……っ」

 あえて振り返りはしないけど、なんとなく視線を感じる。
 僕の代わりに、肩で透過しているスライムくんが確認してくれた。

『みんなアケアのこと見てるよー?』
(だ、だよね……なんでだろう)
『さあー。でも悪い感じじゃなさそー』

 スライムはこう見えて意外と鋭い。
 何気なく人の確信を突くというか。
 この子がそう言ってくれるなら大丈夫かな。

 そうして気まずくしていると、受付嬢さんが帰ってきた。

「お、お待たせいたしました! 本日は冒険者ライセンスの発行でよろしかったですか!」
「はい、お願いします」
「でしたら──」
「続きはワタシから説明しよう」

 すると途中で、受付嬢さんの後ろから来た人が口を挟んだ。
 
「ワタシはシルリアだ」
「は、初めまして、アケアです」

 シルリアさんが出してきた手に、僕も握手で応える。

 騎士のような装備。
 後ろでまとめた紫色の長い髪。
 僕より少し高い彼女は、同年代ぐらいに見えるけど、すごくしっかりしてそうな人だ。
 
「ワタシはギルドから認められた“公認冒険者”だ。まあ、公務員のような冒険者だと思ってもらえれば良い」
「はあ」

 公務員も分からなかったけど、とりあえず続きを聞いた。

「ライセンス発行には“予備試験”と“本試験”を受ける必要がある。面倒だが、これも志願者を守るためだ」
「なるほど」
「ということで、まずは予備試験を受けてもらう。これに合格すれば本試験へと進めよう」
 
 冒険者は八歳以上なら誰でも志願できる。
 でも危ない職業でもあるため、二段階で実力を計ってから認めるみたいだ。
 
「予備試験では本試験に行かせても良いか、剣や魔法の習熟度を計る。魔法を得意とする場合は、的当てなどをさせるのだ……本来はな・・・・
「え?」

 だけど、シルリアはニヤリと口角を上げた。
 ちょっと嫌な予感がする。

「だが、アケアはセレティア様の推薦だ。そんなもの必要なかろう」
「あの?」
「予備試験はワタシと模擬戦をしろ。それで判断してやる」
「ええっ!?」

 こうして、急に公認冒険者シルリアとの模擬戦が決まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

処理中です...