魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第46話 アケアとマルム

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 「来たか、クズども」

 とある倉庫裏にて、マルムが口を開いた。

 魔族騒動から数日。
 フォーロス家領地に戻ったマルムは、護衛役にしていた冒険者を強制招集していた。
 もちろんフィルも含まれている。

「先の件は散々だった。なぜだか分かるか?」
「「「……っ」」」

 ギロリと睨むマルムに対して、冒険者たちは口を開かない。
 機嫌を損ねると面倒だと分かっているからだ。
 すると、マルムは自ら言葉にした。

「お前たちが使えなかったからだよ」
「「「……!」」」

 やはりと言うべきか、マルムは冒険者たちのせいにする。
 功績を上げるために前衛を自分一人にしていたのは棚に上げ、彼らを囮にしたことも認めない。

「じゃあ言いたいことはわかるな」
「え?」

 にやりとしたマルムは、あくどい顔で手を伸ばす。

「てめえら全員、違約金を払え」
「「「……!?」」」
「そうだな、一人100万コインってところか。安いもんだろ?」

 この領地における平均月収は20万前後。
 明らかにおかしい条件だ。
 ましてや、母が倒れて大変なフィルは反抗せざるを得なかった。

「そんな横暴な! 私たちの依頼は、護衛として付いた時点で達成しているはずです!」
「は? 役に立ってねえんだから達成もクソもねえだろうが」
「そ、それはマルム様が……!」
「あん?」

 対して、マルムはフィルに剣を向ける。

「それ以上口応えするなら、前の話の続きをしてもいいんだぜ?」
「……!」

 前の話とは、フィルに“奴隷になれ”と言った件だ。
 マルムもフィルが受け入れるとは思っていないため、金を払わせるつもりだろう。
 ならば予想通りだったと、フィルは諦めたような顔で口にした。

「やはりそうなるんですね」
「あん? ……っ!」

 すると、フィルは懐から小さな球体のようなものを出す。
 ぷにぷにとした体に、マルムは思わず目を見開く。
 
「ぷよっ!」
「スライムだと!?」

 そうして、冒険者たちの後方から少年が現れた。

「それはさすがに言いがかりですよ。マルム・フォーロス様」
「……! て、てめえ!」

 その姿には、マルムは一気に頭に血を昇らせる。
 ゆっくりと歩いてきたのは──アケアだ。

「本当に生きてやがったのかよ! 今までどこで何してやがった!」
「……」

 マルムの怒号にアケアは答えない。
 代わりに、今回の件の続きを話す。

「今は関係ないでしょう。それより会話を聞かせていただきました。今のは明らかに契約違反です」
「はあ!? 指図すんじゃねえぞ、このクソ貧乏孤児が!」
 
 マルムは怒りを爆発させる。
 ずっとバカにしていた者が、先の騒動で大活躍したからだ。
 だが、まだ優位に立っているつもりのマルムは上から問う。

「なぜてめえにそれが言える?」
「僕も資格をもらいましたから」
「そ、それは……!」

 対して、アケアが出したのはBランク冒険者の証。
 マルムが喉から手が出るほど欲しい資格だ。

「ついでにこちらもありますよ」
「なっ、公認冒険者資格だと!」

 さらに、アケアは公認冒険者の証まで出してきた。
 本来はAランク以上が必要な資格だが、魔族騒動の謝礼として、アケアに限り発行してくれたのだ。
 期間限定で公認冒険者となったアケアならば、とある権利を行使できる。

「公認冒険者の権利にのっとり、今の取引は中止とする」
「てめえ……!」

 公認冒険者は、双方が合意しない冒険者間の取引を中止できる。
 強者による搾取さくしゅを防ぐための措置だ。
 アケアは冒険者たちに振り返って口にした。

「もう皆さんが違約金を払う必要はありません」
「「「……っ!」」」
 
 冒険者たちの顔が一気に晴れる。
 フォーロス家が領土を治めているとはいえ、ギルドは独立機関だ。
 これでマルムの金儲け計画は潰されたことになる。

「ふざけ、やがって……」

 マルムの悪行をことごとく裁くアケア。
 ならばと、マルムはとあることを決意した。

「じゃあもう潰せばいいか」
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