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「……凪がそう言うのなら、きっとそれは正しいのでしょうね。わかったわ。贈り物ではなく、何か別の方法を考えましょう」
どうしても恩を返したいのだと諦めないツバキに、凪は隠すこともせずため息をつく。
「なぜそこまで? 向こうがいらぬと言っているのだから、何かをしてやる必要は無いはず。それに、あちらは抱えきれないほどに持っているじゃないか。こちらが何を渡す必要性が無い」
地位も名誉も、贅沢をしてなお有り余る財産も、何もかもをウォルメン閣下は持っており、それを惜しみなくヒバリに使っている。ヒバリが望めば手に入らないものなど数える程度にしかないだろう。そしてその数少ない〝手に入らないもの〟を、たかだか一国の夫人が与えられるとも思えない。
呆れた、という態度を隠しもしない、使用人ではなく息子になった凪を見て、ツバキは悲しそうに瞳を揺らした。
「凪、まだ怒っているの? けれど、あなたもわかっているでしょう? あの時、あのままだったなら、私とあなたは今も生きていられたかしら?」
ツバキは自分が世間知らずであると理解していた。生まれながらのお嬢様で、苦労を知らぬと。そんな自分が幼い息子を抱えて生きていけただろうか? その答えを、誰よりもツバキ自身が知っている。
どうしても恩を返したいのだと諦めないツバキに、凪は隠すこともせずため息をつく。
「なぜそこまで? 向こうがいらぬと言っているのだから、何かをしてやる必要は無いはず。それに、あちらは抱えきれないほどに持っているじゃないか。こちらが何を渡す必要性が無い」
地位も名誉も、贅沢をしてなお有り余る財産も、何もかもをウォルメン閣下は持っており、それを惜しみなくヒバリに使っている。ヒバリが望めば手に入らないものなど数える程度にしかないだろう。そしてその数少ない〝手に入らないもの〟を、たかだか一国の夫人が与えられるとも思えない。
呆れた、という態度を隠しもしない、使用人ではなく息子になった凪を見て、ツバキは悲しそうに瞳を揺らした。
「凪、まだ怒っているの? けれど、あなたもわかっているでしょう? あの時、あのままだったなら、私とあなたは今も生きていられたかしら?」
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