転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第一章 おばあちゃん編

サリバン先生の暗躍.2

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私の生徒 マリアベル嬢

砂が水を吸うようにグングンと知識を吸収していく。
一を聞いて十を知る 柔軟な発想と深い知識
ただびととは思えない。
この賢さは王家の血筋なのであろうと思わざるを得ない。
彼女が本物のコーネリア姫の娘である事はもう疑う余地はないだろう。

でも、真実は何処にあるのか?
彼女は記憶が無いと言う
使用人棟に住み 頑なに「私は召使いです」と言う

侯爵に洗脳されているのか?

少し周りから事情を探ってみよう
まずは仲の良い先輩使用人のリリアンに探りを入れてみましょうか。
庶民にはちょっとフレンドリーな感じが好感持てるわよね

「ねえ リリアンさんこれ王都で流行っているお菓子なんだけれど食べ切れないからもらってくれないかしら?」
「えーーー!いいんですか?
クララさん お菓子ですって!早くぅー」
「サリバン先生ありがとうございます。
有り難くお相伴に預からせていただきますね。」

暫くは王都の流行りの洋服や演劇などの会話をしてすごした。
少し間があり クララさんが何か思い詰めた様な表情をして語りだした。

「先生はいつもマリアベルさんに心を砕いて下さり私どもとしては大変感謝しております。
マリアベルさんはこの家のお嬢様なのに私達が不甲斐ないばかりに苦労かけてしまい、、、うううぅ(涙 
美しい髪も奥様が目障りだから染めておしまい と言うので仕方なく、、、涙涙 」

ああ、やっぱり本物のマリアベル様だったのね。
探るつもりが いきなり真実!

リリアンさんとクララさんから大体の事を聞く事が出来た。

コーネリア姫の死後 侯爵は前からの恋人であった子爵令嬢と即再婚。
マリアベル様はそのまま育児放置された。

王家の用意してくれた高位の使用人は全て解雇
執事のセバスチャンは旦那様の実家から連れてきた人なので留任
庭師だったジミーは人として数に入っていなかったのでそのまま雇用
マリアベル様のお世話の為に下働きのクララだけが残された。
出入り業者の紹介でリリアンを雇い 
侯爵付きの警護デイックと料理長ピエールはお嬢様が余りに哀れで影でコッソリ見守り隊
現在はこの6人がマリアベル様の唯一の味方

ほかの使用人には知られてはならない。
知られて落ち度があればお嬢様が叩かれる 
6人でひっそり守って来たお嬢様

12才の時の出来事
2階のアナベル様の部屋で言い争いの声を聞き急いで駆けつけたところ
窓からお嬢様が落ちている姿を発見

「わたくしは何も悪くない!!」と叫び逃げ出したアナベル様
「この女が勝手に落ちたのです。」と言う奥様

3日間昏睡状態の末に目が覚めたら全てを忘れていた。
そして、何故が自分を使用人だと思い込んでいる。
そして、毎日楽しく掃除洗濯に精を出している。

クララ曰く
「過去が余りにも お辛かったので、今楽しく掃除をしているお嬢様を見ると このまま庶民になるのもいいのかもと錯覚してしまう程でした。
サリバン先生がいらして やはりお嬢様は姫様なのだ、と、、、涙涙
先生がいなければこのままお嬢様を庶民にしてしまうところでした」

話を聞いてキレた
モーレツにキレた
淑女にあるまじき行為だが もうキレっキレ
直ぐに陛下に直訴よ
私の、私のコーネリア姫の忘れ形見になんて事するの
クラレンス侯 天中を下してやるから首を洗って待っていなさい
…………………………………….
……… ちょっと落ち着いたかしら オホホ
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