転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第一章 おばあちゃん編

アクシデント

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先日 奥様に呼ばれたの

私って先妻の娘さんだったのね!
道理で奥様の当たりがキツい訳だわ。
なさぬ仲の子供にキツく当たるのは後妻さんの定番よね。よくある話だわ。
まるで昼ドラみたい。

うーん•••
なんだか、どう説明したらいいのか分からないんだけどね、この世界、テレビドラマとか漫画本の話の中にいる感じがするの。
何故かしら ?

でもね、奥様からカツラもらったちゃったの。
素敵!宝塚みたい 
「オスカルー アンドレー」なんちゃって
日本人の顔だったら似合わないけど 今は外人だから似合うかも?
クリクリ縦ロール憧れてたのよねぇ
これかぶって学校通うのね!楽しみだわぁ

(その後 カツラは没収されアイロンでストレートヘアに伸ばされて返ってきた。
おばあちゃんガックリであった。)

サリバン先生に動作が綺麗と褒められちゃった  
私、娘時代からずぅーと日舞習ってたの。
膝が痛くてやめたけど 名取も取れる位の腕前だったのよ。ちょっと自慢なの。
案外 体が覚えていたのね

でも、ついつい着物の癖で、袖口を押さえてしまう。ダメねぇ~

実は おばあちゃんち、一部上場の株式会社なの
舅のオーナー会社で 高度経済成長に乗って夫の時に上場して株式会社になって•••
あの時は本当に忙しかったわ。
経済界のパーティーとか婦人会とか、お付き合いばっかり。面倒だったわ、まったく。

おばあちゃんの友達 皆んな亡くなっているのよね。
死亡通知来る度に落ち込んでいたけれど•••

若返させてもらって学校まで行かせてくれるなんて神様に感謝だわ
久々にお祈りしちゃおう。
銀の女神様、ありがとうございました。

満天の星々がキラキラ輝いた。



****************



学園入学まで後一か月。

夜 いつも通りのお仕事を終えて部屋に戻ると
部屋が滅茶苦茶に荒らされていた。
ワンピースは破かれ、ご丁寧にインクまでがかけられていた。
アクセサリーも盗まれている。
文房具も壊された。

誰がなんでこんな事を……..
直ぐ執事さんに連絡を と思い廊下を走っていると 意地悪侍女軍団従えたアナベルお嬢様と出会った。

「侯爵家が買った物だから わたくしの物でもあるのよ!だから壊そうと汚そうとわたくしの勝手、アナタにはその使用人服がお似合いよ ホーホッホ」

唖然とした  何かと言うと……
「舞台の人みたい、実際こんなセリフ言う人いるんだ」

騒ぎを聞いて執事さんがやって来た。
部屋の惨事を目の当たりにしたて
アナベルお嬢様にこう言った
「マリアベルさんのお支度金は侯爵家では全く出されておりません。
これはマリアベルさんの叔父君様よりのご好意で購入された物です」

旦那様が走って来た。
顔から血の気が引いている。
「あれ程マリアベルには関わるなと言って聞かせたであろう 何故こんな事を、、」

「お父様 悔しいじゃありませんか!あんなに綺麗なワンピース、緻密な細工の宝石、
どうしてなの? 
あの子の伯父ってそんなにお金持ちなんですの?誰なんですの?」

「それに関しては話せないと言っただろう。お前はもう関わるな!」  
「お前達 アナベルを連れて行きなさい。」

「お父様ぁ~ 何故、何故なの~」

暴れながらアナベルは退場していった。

「宝石は後で返させる。
衣装は作っている時間が無い。
セバスチャン、明日にでも出来合いの物を買って揃えろ。」

そう言い捨てて クラレンス侯爵は本館に帰って行った。


クララさんとリリアンさんが片付けを手伝ってくれた。

「ドレス駄目になっちゃいましたね。こんなにいい生地なのに勿体ないです。」
とリリアンが生地に頬擦りしている。

「ねぇ、これって捨てないて解体して使える所は取って置きましょうよ、
ほら このレース裏側は綺麗だし、ドレスもギャザーたっぷりだからワンピースの着分くらいは取れそうです!
この刺繍も凄いから手提げ袋作ったら凄く可愛いわぁ」

(おばあちゃん 昭和の人間だからソーイングなんてお手のもの。
頭の中はリフォームで夢一杯に膨れていた。)

それから暫くは 夕食後は3人でドレスを解体してリフォームの話に華を咲かせていましたとさ。

*****************






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