転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

文字の大きさ
20 / 163
第二章

旅の仲間 〜アビゲールが見たのも〜

しおりを挟む

ソフィア様というご学友を得て マリアベルは学園生活を謳歌していた。

「ほら、マリアベル様お口の端にケチャップが」(ふきふき)
「スカートがシワになってますわ!」(伸ばし伸ばし)
大変気の利く親切な娘さんである。

(ヘルパーの山田さんみたいな人ね。
あの子 ゲームの課金が凄いって言ってたけど大丈夫なのかしら?
破産してなければいいけど、、、)
他人の心配をついついしてしまうおばあちゃんであった。

この光景を目撃した 女の子目線では
「ほら、またソフィア様にお世話をさせているわ、」
「傲慢ね」
「ソフィア様は公爵令嬢なのに 低位の侯爵令嬢がソフィア様にあのような態度を取るなんて、何様のつもりかしら?」

嫉妬の雨あられ
マリアベル悪役令嬢伝説の幕開けである。

男の子目線では
「金の髪がそそるな!」
「そぅかぁ?そんなに美人ではないだろう?」
「綺麗なんだけどなんだか印象がハッキリしないんだよなぁ。」
「いや!あれはいい女だよ」

マリアベルの金のカツラ
魔力量の多さで見え方の違いはあるが 印象が曖昧になるような魔法陣が刻んである。
国王自らが塗布したためこのカツラさえかぶっていれば魔法の痕跡で彼女の場所を特定出来るようにしてある。
国王の癖にストーカー犯罪者予備軍である。

そんな光景を見ながら
両手を強く握りしめながらマリアベルを見つめる緑の髪のメガネ少女がいた。

深い森を思わせる緑の髪、晩秋の紅葉のような落ち着いた赤い目をもつ少女

意を決したようにソフィアに近づき

「キングスバリー公爵令嬢、クラレンス侯爵令嬢、低位の者よりのお声がけご容赦下さい。
わたくしは、ウッドフィールド伯爵が娘アビゲールと申します。」

「お.お、お席をご一緒させていただきたい所存でございますが、、、
御許可をお願いいたします。」
 
まあぁ、ナイナイのお見合いのテレビみたい。
プルプル震えて可愛いわぁ
確かOKのときは握手して、こう言うのよね

「こちらこそ宜しくお願いします!!!」
深々とお辞儀をした。

「「「頭をお上げくださませぇーー」」」

アビゲールは真っ赤になってアワアワし
ソフィアは二人のやり取りを隠すように サッと後ろに立った。


あびげーる が なかまに くわわった



****************************



私はアビゲール•ウッドフィールド

私のクラスには不思議な御令嬢がいらっしゃる。

我が家は伯爵としての歴史はそれ程古くはないが、森の一族として昔から存在している。
私たちは 生き物を慈しみ 緑を育み 自然と共存する一族である。
我が一族は 一代に何人かの「森の乙女」が誕生し 森を敬う依代となり 緑の加護を得る。
森から加護をいただけた者は 濃い薄いの違いはあるが 大抵が緑の髪をもつ。
その中でも赤い紅葉色の瞳を持つ者が森の神の加護が強いと言われている。
それが私、アビゲールである。

加護が強ければ強い程何故か視力が弱い
私はメガネを掛ければ見える程度なのだか、やはり女の子なのでメガネっ子はちょっといやだなぁと思っている。

視力が弱いのには訳がある。
変わりに心の目で人が見えるのだ。

悪い性根をもっている人は、禍々しい黒、
恋に落ちている人は、心躍るようなピンク、
怒りに燃えている人はドス黒い赤、
相手の状態を色で見ることが出来るのである。
この色はオーラと呼ばれている。

しかし、見ようと思い見れる訳ではない。
見る為には かなりの集中と魔力が必要になってくるので日常的にには見えてはいない。
(初代巫女様は盲目で集中せずとも色が見れたという言い伝えがある)

そんな私が、何もせずとも見えてしまった!

侯爵令嬢マリアベル様
身体の回りに金、それを囲むよう銀
そして全身を包むように春の雲のような白いモヤ。

金は太陽 銀は月
そして白は真実

この方は誰 人形を取られた神? 
いったい何者なの、、、、

困惑して判断に迷い 3歳年上の兄 次期ウッドフィールド伯になる予定のアルフレッドに相談した。

「クラレンス侯爵令嬢かぁ、悪い噂しか聞かない令嬢だが•••、人の噂程当てにならないもは無いよ!」

「アビー、お前は我が一族 一番の巫女じゃないのかい。
そのお前の心の目が写し出したモノ。
それなら 自分の目で確かめてみてはどうかい?
生憎ここは学園だ、友達は必要だろ!」

アルフレッドの黄色い紅葉色の瞳が 悪戯っぽく笑った。


*****************************







しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ

柚木 潤
ファンタジー
 薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。  そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。  舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。  舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。  以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・ 「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。  主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。  前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。  また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。  以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。  

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん
ファンタジー
 誰もが魔力をもち魔法が使える世界で、アンナリーナはその力を持たず皆に厭われていた。  運命の【ギフト授与式】がやってきて、これでまともな暮らしが出来るかと思ったのだが……  与えられたギフトは【ギフト】というよくわからないもの。  だが、そのとき思い出した前世の記憶で【ギフト】の使い方を閃いて。  これは少し歪んだ考え方の持ち主、アンナリーナの一風変わった仲間たちとの日常のお話。  冒険を始めるに至って、第1章はアンナリーナのこれからを書くのに外せません。  よろしくお願いします。  この作品は小説家になろう様にも掲載しています。

【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む

凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

処理中です...