転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第二章

学園祭 .2

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展示室に入ると、室内監視の男の子がギョッとした。
そーだよね!目立つ三家+怪しい男と うちの身内。
大の大人が、ズラズラと入って来たらそりぁビックリだわ。ゴメンよ。

王様がはしゃぐ
「おお、ここは4-Mの教室だ!懐かしいなぁ•••」
かってに黒板をズラす。

「お客様、室内のものにはお手を触れぬよう•••」

「あぁ、まだあった、ほらほら!」
黒板の後ろにはいたずら書きが残っていた

[ばか、ハゲろ] 

「なんですか?このアホらいしのは?」

「デュカスと喧嘩して腹が立ったのだよ。
アイツは今でも腹が立つ男だ!
アイツの娘、園遊会で マリーちゃんにジュース掛けただろう、親子揃ってクズだな」

園遊会でそんな事が、
あの家は降格させろ!潰せ
おっさん’s 熱弁を交わす。

「それよりも、私の作品をご覧になって下さい。」
皆様にミサンガをお見せして説明をした。

「こちらは、願いを込めて1つひとつ私が編んだ物です。
ランディ様には怪我などしないように、と願いを込めてお渡し致しております。
エリザベス様には母子共に健やかに、と願って編みました。」

エリザベス様も貰ったのか?キングスバリーのヤツ、聞いてないぞ!
ザワザワ、ザワザワ、

「マリーちゃん、叔父さんも欲しいなぁ、」
催促されてしまった。
王様にお願いされちゃぁねぇ 断れないなぁ

祖父を見ると、(編んでやれ)サインが出ている。

「マリアベル、お父様も欲しいよ」
父が言うと、「お前わぁ、コーネリア様を貰っただろう、我儘言うな!」ボコボコにされた。

これから 各学年を回り、午後からのお披露目会にまた皆様で来てくるそうだ。

「絶対来て下さいねぇー!」
私は手を振って喫茶室に帰っていった。

喫茶室はもう終了しており午後の為にテーブルクロス交換をしていた。
「お手伝いします!」
•••••••••••••••••• 無視された
「洗い物でも、」
••••••••••••••••••無視された
でも解散の時間まではここにいなければ。

「まー、お早いお帰りですこと」
「やはり、身分が高い方はゆったりしていますわぁ~」
「ソフィア様などは公爵家でありながら先頭に立ち動かれておいでですのに、」
「そんな事おっしゃると、また私達のせいにされますわよ!」
「おー怖い!」

この子達、暇なんだなぁ。
口動かさなくていいから、手動かしなさい。

お昼の鐘が鳴った。
やっと終わりだ。
ソフィア様がいらして 責任者から鍵を受け取っている。

「マリアベル様、大変でしたわね。
先ほどアビゲール様よりお聞きしました。
よく、我慢されましたわね。」
慰めてもらった。

「午後からは父が四家と合流すると言っておりました。
催し物 楽しみに、しておりますわ!」
でわ、とソフィアは去っていった。

午後の出し物 順番はくじ引きで決める。
え、15件しかないの?
自由参加だったの?、、知らなかったわ。
7番目だから真ん中ね。
だいたい3時くらいかしら。

ガブリエルが妙に乗り気だ。
「この、リズムなんか癖になりますねー」

おっ、皆んないるぞ!
準備した 舞台衣装に着替える。

チャンカ、チャンカ、チャンカチャンカ

「マリーちゃーん、マリーちゃーん」
前の席ほぼ7人のみから 声援があがる
まるで地下アイドルのステージのようだ。

アさて アさて アさてさてさてさて
さては南京玉すだれ
チョイと伸ばせば 魚釣り竿に早変わり
魚釣り竿が お目に止まればおなぐさみ
お目に止まれば元へと返す

おお、凄い、
あれ何?伸びてるよ!
おおー、皆んなノリノリじゃないの!

アさて アさて さては南京玉すだれ
チョイと返せば 王都の大橋 川がないのがおなぐさみ
お目に止まれば元へと返す

パチパチ、いいぞー、
わーい、凄い!他の人にも受けてる、やったね!

アさて アさて さては南京玉すだれ
チョイと伸ばせば 月か太陽
後光に見えればおなぐさみ
丸い太陽 お目に止まれば元へと返す

アさて アさて さては南京玉すだれ
チョイと、、、、、

「なんだ!この下品な音は、、」
「映えある学園の発表会にこのような芸人よような真似事など、誰だ?」
いきなりステージに上がって来たのは、、、
三馬鹿だった。

「また、お前か、どうしてこうも騒ぎを起こすのだ、この様な服など来て」
私の胸ぐらを掴む。
やめてよ、着物合わせだからはだけるでしよ!
ガブリエルがすぐさま庇ってくれた。

それを見ていた7人の大人が 舞台に上がって来た。
舞台上は大乱闘である。
「お前達、マリアベル様に何と失礼な!」
三馬鹿を叱る。

「なんだ、このジジイは、」顔を見て王子唖然
「父上、何ですかこの格好は、どうしてそんな変な格好を、、、それでは王家の威信が丸潰れです。」
なんて事を•••、王子はボヤく

陛下、陛下がいらしているのか?
外野がざわめく。

「皆の者、我が息子が邪魔をして悪かった。」
王は変装をとき挨拶した。

「なあ、皆んな、クラレンス侯爵令嬢の催し物は下品であったか?
私は楽しかったぞ、
詩を読んだり、ピアノを弾いたり、それはそれで素晴らしい。
でも、芸のどこがいけない?
突き詰めれは、芸も芸術だと余は思うのだが••••••」

パチパチ パチパチ、拍手が沸いた。

陛下は、私の頭をポンポンして
「マリアベル嬢、楽しかったぞ!楽しむのに王家の 威信など不要だ」

皆の者、残りの時間を楽しんでくれ!
手を上げて挨拶し、陛下は去っていった

私の叔父さんはお茶目さんだか、
確かに王様なのだ、この人は本物の王の器なのだと実感した。


***********

その後[南京玉すだれ]はというと、
[ナンキー編みすだれ]と、名を変え販売される事になった

それに伴い、[すだれ]というカーテンが庶民の間では夏の風物詩として定着していった。

************
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