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第二章
アイラ•クロスリー子爵令嬢の話 .1
しおりを挟むローガン様との出会いは6歳の時
王妃主催のお茶会の時、わたくしの椅子を引いてくれたの。
そして、お茶をサーブして下さりお話をして下さった。
優しくって、背が高くて、まるで王子様のよう!
一目で好きになったの。
わたくし、この方と結婚するわ!
お父様 お願い。
わたくしのお母様は小さい時に死んでしまったの。とても寂しの。
だから父は、わたくしの言う事だったら何でも叶えてくれる。
でも、珍しく反対された。何故?
「ローガンは次男だからなぁ、
お前の相手はやはり跡継ぎがいいだろう」
何故?何故?何故?
「跡継ぎじゃな無いと貴族籍から外れてしまうし、領地も無いから貧乏になるぞ!
ドレスも買えないし、パーティーにも出れなくなるけれどいいのか?」
じゃあ、お父様、爵位買ってくださいませ。
わたくし、この家でローガン様と暮らしますわ。
「そうだなぁ、次男に爵位を買ってやればノーザンコートに恩を着せられるな!あの家は歴史だけは古いからなぁ。
よし、手を打ってみるか、」
うふふ、ローガン様と結婚出来るのね。
わたくしの王子様。
お父様、まだぁ?
「相手から断りが来たから諦めろ」
いやよ、そんなの、わたくしローガン様じゃなくてはイヤなの!
「分かった、分かった、また、打診してみるから•••」
貴族学校に入ってもまだローガン様と、婚約出来ない。
何故なのかしら?
同級生は、皆 愛する人を見つけていると言うのに •••••
沢山の男の方から お付き合いのお誘いを受けたけれど、わたくしの王子様に比べるとかなり見劣りするわね。
やはり わたくしの隣はローガン様でなければ。
卒業しても、ローガン様とまだ婚約が出来ない。
お父様、お願い。どうにかして!
「何度も打診しているのだが、アイラ、諦めないか?」
イヤイヤ、彼がいいの、彼じゃなきゃ嫌なの。
どうしてローガン様はわたくしの手を取ってくださらないの?
何年か経った冬の日、パーティに出席したところ、ローガン様が王女と結婚したというニュースが飛び交っていた。
嘘よ、ローガン様はわたくしと結婚する筈だったはずよ!
わたくしは父に、継いだというクラレンス侯爵邸を調べさせた。
コーネリア、そんな女聞いたことないわ、きっと偽王女よ。
おまけにお腹が大きい?妊娠しているですって?!
結婚もしていないのに、妊娠?そんな阿婆擦れな女を わたくしのローガン様に、、、
王家に押し付けられたのだわ。
悔しい、悔しい、悔しい
本当だったら、今頃 わたくしがクラレンス侯爵夫人だったのに•••
王家の阿婆擦れに全てを奪われた。
ローガン様、わたくしが貴方をその阿婆擦れから助けて差し上げるわ。
父にクラレンス邸を探ってくれるようお願いた。
半年後、阿婆擦れが死んだ。
いい気味だわ、天罰が下ったのよ。人の物をとるから•••
そうだわ、弔問に行かなくっちゃ。
きっと わたくしを 待っているはず。
馬車に乗ってクラレンス侯爵領に辿りついた。
わたくしは この度のお悔やみを言い、ローガン様に弔問の面会を申し出た。
彼はゲッソリと痩せ目は窪んで、今にも倒れそうだった。
あの女のせいね!こんなに苦労されて お可哀想に•••
わたくしが何とかして差し上げなければ。
聞けば、お食事も睡眠も余りお取りになっていらっしゃらないご様子。
何かお薬でも、、、
家に帰って父に相談しましょう。
取り敢えず王都の家へと帰った。
父に酷く怒られた。
「未婚の女が1人で男の家を訪ねるなど もっての外。今後外出は許さん!」
クラレンスに行く事を禁止されてしまった。
気晴らしにパーティにでも、と思い出席した。
そこで、珍しく貴族学校の同級生に出会った。
メラニーウイッカーズ男爵令嬢
結婚して、コンソールに変わったとか、、
あの騎士科の方と結婚されたのね!おめでとう! と言ったら怪訝そうな顔をされたわ。
何故かしら?
話を聞いたら 結婚は別の方だとか••••
あんなに仲睦まじくお過ごしだったのに
破談になったのね、お可哀想に。
わたくしは 久しぶりの女友達のとの再会で嬉しくなり、ローガン様の事を相談してみた。
メラニーはお薬を作っているとかで、[媚薬]なる物を勧められた。
それって、男と女の事でしょう?
わたくし、純潔なのよ。いやらしいわ!
でも、わたくしが居ない隙にまた、ローガン様が誰かに取られたら•••
メラニーから名刺をもらい一旦 邸に帰った。
でも、こうしている間に、誰か他の女が••••
嫌よ、また取られるなんて
考えてると気が狂いそうになる。
ローガン様の、顔色の悪さも気になる。
せめて眠り薬でも もらえないであろうか、
そう思い彼女に連絡を取った。
「媚薬は少量でしたら、眠りを誘う効果がありましてよ!」
メラニーは言った。
そうなのね、だったら使ってみようかしら?
メラニーは親切にも、薬に長けた女使用人を付けてくれると申し出てくれた。
持つべき者は女友達ね、頼りになるわ!
1人でクラレンス邸には行ってはいけない、と 父に言われたが、女使用人と一緒だったら大丈夫ね!
付けてもらった使用人はルルという女だった。
ちょっと下品な感じがするが、庶民の出だから仕方ない。
薬を受け取り、ルルと一緒にクラレンス邸へと急いだ。
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