転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第二章

ジェイコブ対マリアベル

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「まず、刑を決める前にジェイコブ殿下と接見させていただきたく思います。」

「危のうございます、今の殿下は興奮されておりマリアベル様に危害が及ぶかも•••」

「いや、ジェイコブにはそんな力はもう無い。」王はそう断言した。

男8人と少女1人、そして背後からコッソリと1人
足音を忍ばせながら地下に降りて行く。

その先にはスィートルームを思わせるような豪華な空間があった。
でもスィートルームと違う処はそこに鉄格子が嵌っているところである。

ジェイコブ殿下は私を見て声を荒げた
「おのれ、悪魔の化身め、お前の思う様にはさせん!
父上、皆の者、お前達は騙されているのだ目を覚ませ、」

よく見ると、昨日私が殴った眉間に傷が残っている。
そこからサラサラと魔力が漏れ出ている感じがした。

「悪魔に光魔法を封印されてしまった。
誰か術者を読んでくれ!
ヨーゼフ早く、早くしないか」
ヨーゼフと呼ばれた青年は俯き答える事が出来ずにいた。




「殿下、貴方は何がしたいのですか?」

「お前を倒してこの国を悪魔から救うのだ!」

「誰が悪魔なの?」

「マリアベル、お前だ、この悪魔め!」

「ふぅーん、、、じゃあ倒してみたら?」

「この牢から出れさえしたら お前の息の根を止めてやる。」

「いいわよ、出してあげるわ。」



私は殿下を解放するように指示した。
皆は難色を示したが私は強行した。

「まずこの騎士を倒してからその台詞を言いなさい。」
騎士さんによく言い含める。
「遠慮なくバシバシ行きなさい、殿下は弱っチーので大丈夫よ!」

殿下にも剣を渡す。

「この、学年1の剣術をみせてやる!吠え面を描くなよ!」

うおぉーーー

カチン、殿下の剣は簡単に振り落とされた。

うおぉー、カチン、うぉー、カチン、うっ、カチン、、、、

殿下の剣は全く届かない。

「ね、凄く弱いでしょ!」

私は、以前フレディ兄様の試合を見に行き、殿下の剣術を目にした。
素人の私が見ても周りがワザと負けているのがわかった。

「それが、学年一番の腕前?」

「 貴方、皆んなが貴方に勝ちを譲っていたのが分からなかったの?

きっと勉強もそうなのでしょうね、
学園で操作されていたのではないの? 」

ヨーゼフと呼ばれていた青年は、小さな声で答えた。
「テスト前に試験に出るとこをコッソリとお教えしておりました。」

王は愕然とした、
「私は お前達にそんな事は命じた覚えは無い。」

「ですが、殿下の成績が振るわないと王家としての威信が•••」

「 ヨーゼフ、お前はぁ— 、嘘を言うなぁぁぁあ!!! 」

殿下はヨーゼフさんに襲い掛かった。

私は側にあった本で思いっきり叩いた。

殿下は「このヤロー」そう叫ぶと私に殴りがかかって来たが騎士に取り押さえられた。

私は今度はグーで殿下にゲンコツをおとした。

「殴ったな!親にだって ぶたれた事がないのに•••」

「そこが甘ったれなのよ!言う事聞かない悪い子はぶたれて当たり前よ!」

そう言うと私は、また殴った。

「父上、王族に暴力を振るうこんな女は死罪にして下さい。」

「ゴツン」
ジェイコブの言葉を聞いて、トラビス王は初めて自分の子供を殴った。

「うわーん、父上は私が可愛くは無いのですかあぁぁぁあ———-」
殿下号泣する。

「皆様、殿下は図体ばかりデカイ子供なのですよ。
こんな御霊を天国に上げても、女神様に邪魔だ!と言われるのが落ちです。」

「では、処罰は?」

「そうね、まず迷惑をかけた卒業生のお宅に謝罪しに行かせましょう。」

「私は悪くない、国を救う為にやったのだ!
感謝されるべきなのに、謝罪どありえん」

<バコーン>私は また、殿下を叩いた。
「黙れバカ!!!」

「 まず殿下には頭を下げる事を、覚えさせなければなりません。
王族としての地位の剥奪。
被害が出ている家庭全てに謝罪に向かわせます。
そして、強制収容し労働させます。損害を自分で支払わせます。

猶予は取り敢えず三年、これで性格の改善が無ければ死罪にいたしましょう。
それも、やむ負えないと思います。」

「 如何でしょうか? 」

皆はウンウンと首を縦にふる。

「 ます、最初は殿下の髪を[丸刈り]から始めましょうか! 」

「 あっ、陛下、
ジェイコブ殿下の補償金や、隔離施設は陛下個人の資産で行ってくださいね。
自分の子供の不始末です。
親が尻拭いをするのが当然だと思いませんか? 」

「それもそうだ!」
皆は賛同してくれた。

話し合いはやっとひと段落ついた。

牢から出て階段を登り王宮に繋がるドアを開けた。
「あぁ、戻られたか。」
そこには、濃紺の私の騎士様が、控えていた。
「待っていてくれたの?ありがとう。ちょっと疲れちゃったわ。」

「 では 姫、失礼を、」
ドゥラーク辺境伯は、子供を乗せるようにマリアベルを腕に乗せた。

「高い所から失礼いたします。
皆様、今日は私の、我儘をお聞きくださりありがとうございました。
殿下の無事を確保出来たのは単に、皆様のおかげでごさいます。ありがとうございました。」

マリアベルが挨拶を終えると、ウーラノス•ドゥラークは マリアベルを落とさぬよう器用に膝を降り「失礼いたします」と言葉を残して去っていった。


******************

マリアベルは、帰りの馬車で考えてた。

「私って、令嬢辞めても、弁護士で食べていけるんじゃないの?!
マリアベル弁護士、、、ウフフ、カッコいいわぁ。」

********************








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