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第二章
マリアベル式教育方
しおりを挟むドゥラーク邸に人が集まる
ノーザンコート伯爵
アルビス公爵
ジョン•クレイ法務大臣
前法務大臣のカーバンクル卿
殿下の更生プログラムを作成する為であった。
「殿下を収容する場所ですが、どんな場所を考えておられるのですか?」
「それなのよね!殿下、魔力強いから脱走するんじゃないかと心配なのです。」
「それなら大丈夫ですよ!
マリアベル様が加えた眉間の一撃、あれで眉間の魔力溜まりが傷つき現在魔力を溜める事が出来ないようです。
今の殿下は生活魔法程度しか使えないでしょう。」
アルビス公はそう教えてくれた
「まあ、そうなのね!だったら候補地の範囲が広がるわ。
だって殿下の脅威は魔法だけですもの。
頭はパーで、剣もへなちょこ
よくも、あんな馬鹿に育ったものね。」
私はため息をついた。
「そうね、私が監視出来る距離でないと駄目だわ!」
「おや、マリアベル様は責任は取られないとおっしゃっておられませんでしたか?」
クレイ法務大臣は言う
「あれは、あくまでも弁護人としての立場です。今の私は保護責任者ですもの。
他の人に任せたらまた殿下を奉るわ!
そしたらあの馬鹿、また図に乗ってしまうわよ。今度こそ本当に死罪よ。」
「お祖父様、ノーザンコートの外れに 人が1人耕せるような土地を見繕い私にお貸し下さいい。そして庶民出身の武術が達者な者を護衛兼監視として置きましょう。
殿下を殿下として扱わない事が出来る人がよいですね!」
「食事も1人で支度する、洋服も1人で着る、ベッドも1人で整える。全て自分でする。」
「殿下には難しいのではないのでは?せめて女中を1人位付けた方が良いのでは?」
アルビス公爵が口にする。
「アルビスのおじ様、そうやって甘やかして傲慢な性格に育ててしまったのですよ!
分からなかったら頭を下げて聞く。
それが出来なかったら野垂れ死にすれば良いのです。
私達に、それくらいの覚悟がなくてどうしますか?!」
「ワハハ、アルビス公 一本取られましたな!」
カーバンクル卿が豪快に笑った。
「死なす者を生かした、その代償を私達も払わなければならない。その場凌ぎの優しさなど毒にしかならんわ。
あーいう傲慢な者はまずは心を折っていかぬとその後の矯正が出来ないであろう。」
「私はな、先の呪いでリチャード王子の死刑執行にサインをした。
その苦しみから逃れる事が出来ぬのだ。
女神の末裔を処刑する、これ程恐ろしい事は無い。
クレイ、お前は運がいい、マリアベル様のおかけで心に傷を負う事がなかったのだからな。」
カーバンクル卿は過去を思い出し 苦いモノを飲み込んだ。
「後は、学園の修理の見積もりと、被害を受けた生徒父兄の名簿作りですわね。
被害に応じて謝罪の手土産を決めないと•••」
「そこまでしなくとも良いのではないのか。」祖父は私に聞く。
私は日本人、謝罪に行くのに手ぶらなど許される事ではないのだ。
「手土産は絶対必要です。そうだわ、殿下に土下座を、教えなきゃ!」
「お前、、殿下に土下座をさせるのか•••」
「当たり前です、謝罪の基本は土下座です。」
ドヤ顔で答えた私をみて祖父の目は虚ろになった。
話し合いも終わり皆が帰り支度をし出した。
「なあ、マリアベル、わざわざ土地をお前に貸さなくてもワシが直接陛下にお貸しした方が早いのではないのか?」
「お祖父様、」わたしはヒソヒソと小声で話した。
「まず、私がお祖父様から借りる。そして、それを私が陛下に又貸しする。
その間のマージンを取りさらに私もお祖父様も節税が出来る。一石二鳥ですわ!」
「マリアベル様、私も一枚噛ませ貰えませんかな?」
背後から、クレイ卿の声が聞こえた。
「私が殿下の食料を お出ししましょう。」
「そして私が それを買い上げる形を取る。
ウフフ、クレイ卿、其方もなかなか悪よのぉう、、、」
「いやいや、マリアベル様の足元にもおよびませんよ!」
ワハハ、オホホ、意気投合した。
***********
[ジョン•クレイの考察]
ノーザンコート伯爵は怪物を育てたのか!
マリアベル様
王宮で私を負かしたあの議論、話の持って行き方から間の取り方、そして己の美貌を利用しての笑い方。
どれをとっても一流だ。
あの年であれを出来るとは、、末恐ろしい。
「ノーザンコート伯爵、素晴らしいお孫様ですな!感服致しました。
どのような教育方法を取られたのですか?
あそこまでの教育とは大変興味あります。」
「あれはなぁ、12歳まで、女中として床磨きしておったのだ。」
「床磨き???」
「マリアベルに与えたれた神託によりクラレンスで放置して育てた。その間、後妻に虐待されて女中として育ったのだ。
あれは、その中で培った資質と独自の考え方なのであろう。」
「では、伯爵が教育したのでは•••」
「いやいや、まったくもって 素晴らしい娘であろう。
あの才、あの美貌、デビューまでに沢山の味方を付けてやらねば欲望の渦に巻き込まれてしまう。」
「では、私もお見方に付きましょう。」
「其方、助けてくれるか?」
「ええ、この負け知れずの論客と言われた私に唯一の黒星を付けたマリアベル様。
キチンとお育てして、この借りをお返しさせていただかないと気が済みませんからね!
おまけに彼女は大事なビジネスパートナーです。御守りするのになんの支障がありましょうか、、、」
「クレイ殿、ありがたい、、、」
「本当に将来が楽しみな姫様ですな!」
「でもな、あれは何故か金儲けが好きなのだよ••• ちょっと頭が痛い問題なのだ。」
こうしてマリアベルにまた味方が増えた
***********
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