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第二章
ジェイコブの一人暮らし .2
しおりを挟む「坊ちゃん、気が付かれたかな?」
目の前には医者がいた。
確か私は、腹を下し、、、、、
「もう大丈夫でしょう。一応今日一日は消化の良い物を食べるように、
確か、そこに粥があったな、それを温めて食べなさい。」
腹が、グゥーとなった。
「若いから回復も早いなぁ、ではこれで」
いつも居る付き添いの男は医者と話をしていた。
ボンヤリとだが、たしか、誰かがいた。
手を握っていてくれた。
そして、口の中に甘い物を入れてくれて•••
暖かくて、いい匂いがして、母上のようで•••
「誰か女性が看護していませんでしたか?」私は医者に聞いた
「いや、私達だけだが•••
そういえば、すれ違った侍女と令嬢がいたなぁ。」
ああ、その方だ!私を介護してくれた方は!
「どんな令嬢でしたか?」
「うーん、あまり華美なドレスでなかったから低位の貴族か?裕福な商人か?そんな感じでしたな。」
「お前は合わなかったのか?」
目付け役の男に尋ねる
「俺は倒れているのを見つけベッドに運び、お医者様を呼びに行ってたもので会っておりません。」
誰なんだろう、私はその御令嬢が気になって仕方なかった。
パン粥の脇に、[ウォームで温めるて食べて下さい]と書かれた紙が置いてあった。
ウォームで温める?どう言う事だ?私は男に聞いた。
「坊ちゃん、知らないんですか?
ウォームを唱えて器ごしに中身を温めてるんですよ。」
「へー、便利な魔法があるものだな。
私は暖かい物しか食べた事がないからなぁ
そうだ、其方名前はなんと申す」
その男はマイクと言った。
私がおかしな事をしない様に見ていてくれと頼まれているのだとか
マイクに温めてもらった粥を食べる。
「優しい味だな、粗末だか中々と旨いものだ」
「ハイハイ、粗末ね、そーですよね、粗末ですよね、」
「すまぬな、其方がこしらえたのか?」
「いや、医者を連れて来たら、そこに作ってありました。」
では、看病してくれた方が作ってくれたのか•••
ではこの置き手紙もその方の筆跡か、、、
ジェイコブはちょっぴり心が暖かくなった。
「坊ちゃん、生水は飲んじゃダメですぜ、
加熱した水置いておきますんで、、、
水は加熱しないと今日みたいにピーピーになりますよ!」
そういってマイクは帰って行った。
そうか、水は加熱するのかぁ•••
世の中は私の知らぬ事ばかりだな。
そんな事を考えジェイコブは眠りについた。
一晩寝たら身体の調子も大分良くなった。
汗をかいたので湯浴みがしたかった。
「おい、湯浴みの準備をいたせ!」
マイクにそう言い付けた。
しかし、帰って来た答えは、
「あんた、何様ですか?
風呂にはいりたきゃ、水汲んでウォームで温めりぁいいじゃないですか!」
なんたる事、この私にその様な口の利き方をするとは、、、
「お父さん、どうしたの?」
マイクの後ろから子供がヒョコンと顔をだして言った。
「この兄さんが風呂に入りたいんだとさ、」
「ふ~ん、じゃあ僕が支度してあげるよ!」
子供はテキパキと丸太の湯船に水を溜め、魔法で温めた。
浴槽から湯気が上がっている。
私は入ろうとしたが、子供に止められた。
「お兄さん、お金は?」
は?私から金を取るのか?
「持ち合わせがないのでマイクからもらうがいい!」
「えっ?お兄さんの依頼で僕は仕事をしたんだよ、なんでお父さんからお金を貰わくちゃいけないの?
お兄さんはお金も無いのに、僕に仕事をさせたの?それじゃあ詐欺だよね。」
詐欺?私は子供相手に詐欺をしたのか?
「お金が無いならお風呂はダメだね。」
子供はそう言うとお湯を抜こうとした。
まてまて、どうしたら良いのか、、、
「じゃあ、物々交換にしない?」
物々交換?
「お金が無いなら品物で払ってくれてもいいよ!例えばハムとかパンとか、、、」
私はとにかく湯に浸かりたかった。
「おい、少年、
では、そこにあるハムを持って行くがいい」
「僕は少年じゃないよ、ハロルドだよ、お兄さんは?」
余は•••
「お兄さん、ヨさんなの?」
違う、余は、ジェイコブと言う名だ!
「ジェイコブさん、ヨロシクね!」
私は、ハムをハロルドに渡し、湯船に足を入れた。
ハァ~
そして全身を湯船に沈めた。
幸せが全身を包み込んだ。
*******************
ハロルド「あの兄さん、チョロいね」
マイク「お前、風呂の代金でそのハムちょっとボッタクリじゃーねーの?」
ハロルド「相場を知らないヤツの方が悪いんだよ!」
マイク「でもなぁ~」
ハロルド「お父さん、搾り取れるうちに搾り取っておかないと•••
知恵がついたら 簡単にお金落とさなくなるよ!」
マイク「お前、逞しいなぁ~」
ハロルド「だって、姫様がそう言ってたよ!」
*********************
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