14 / 102
1
1-14
しおりを挟む
それには固まる・・・。
いや、固まっている場合ではなくて・・・。
「佐藤先輩が高校に入ってからはあんまり関わることもなくなっちゃってるので、それはナイですよ。
それに私、”妹”というか"弟"みたいだし。
名前も晶とか、男の子みたいな名前だし。」
「いや、弟ではないよ、”妹"。
それに晶とか世界で1番可愛い名前じゃん。」
佐藤先輩は凄く凄く嬉しそうな顔でそう答えてから、少し不貞腐れたような顔で続けた。
「俺はこんなに愛してるのに、成長してきたらうちの”妹"もあんまり絡んでくれなくなったよね。
高校では階も違うし部活の時間も違うし、朝練だけは一緒に行って練習も少し付き合えて、昼練ではたまに会えて、たまに体育館ですれ違って・・・とか出来てたけど、最近はたまに家の近くのコンビニとかで会えたら立ち話するとか、たまに晶の家に行って晶の家のハムスターにオヤツを差し入れする口実で晶に会うとか、そのくらいしか出来なくなって。
怪我のことで俺はめちゃくちゃ心配してたのに晶は全然頼ってくれなくてなぁぁぁぁ・・・・、そういえばその時の彼女がアレだ、5日で振ってきた彼女だ。
確かにその時は晶の話ばっかりしてたけど、でも怪我の心配をしてただけだし、別れ話の時も彼女からそんな話されたこともないよ?」
「・・・・へぇ、そうなんだ。
よし、俺らは帰るか。」
「え、いいの・・・?なんか・・・」
「いや、いい。
こういうのは周りはどうにも出来ないやつだから時間の無駄。」
「ぁ・・・・っ、晶先輩!!
お先に失礼します!!!」
「うん、今日もありがとね。」
「晶先輩に"ありがとう"って・・・・っっ今日も感謝をしていただいて・・・・・っっ」
「分かった分かった、後で聞くから。」
ラブラブというよりは仲の良い兄妹みたいな2人の後ろ姿を見ながら、”こういうカップル、良いな"と思った。
佐藤先輩が彼女と一緒にいる所を見ても、不思議と”佐藤先輩の彼女になりたいな"とか、”佐藤先輩と付き合えたら・・・"みたいなことを思ったことがなかったのに、あの2人の後ろ姿を見て初めて思った。
「いいなぁ・・・、私も付き合いたいなぁ・・・。」
磯貝さんの後ろ姿には自分を、そして磯貝さんの彼氏の後ろ姿には佐藤先輩を重ねながら呟いた。
そして・・・
「エッチ・・・、したいなぁ・・・。」
そんなことまで無意識に口から出てきて、それにはめちゃくちゃ慌てながら両手で口をおさえた。
顔も耳も熱くなってきて・・・、それだけではなくて、身体中がどんどん熱くなってきた。
言い訳の言葉が何も思い浮かばない中、自分の心臓の音が聞こえてきて・・・
「晶にはまだまだ早いよ。」
佐藤先輩の低い声・・・、やけに低くて冷たい声を聞き、下を向きながらギュッと目を閉じた。
そしたら、見えた。
妄想の中の佐藤先輩が優い顔で笑いながら私に手を伸ばしてくれている姿が。
今日1日、何度も何度も何度も見てしまったそんな妄想を今また見てしまって・・・。
「ちょっと思ってみただけです・・・。」
「思うだけでもまだまだ早いよ。」
「思うくらいなら良いじゃないですか・・・。
私、もう高校2年生だし・・・。
そういうことをしてる子はもうしてるし・・・。」
「いや、思うだけじゃなくて声にも出てたし。」
「間違えて言っちゃっただけです・・・。」
「そういうこと、言わない方が良いよ。
そういうことを言われると男も空気読んでやらないといけなくなるし。」
「彼女さん達とはそんな感じでしたんですか?」
「・・・・・まあ、そんな流れ。」
「佐藤先輩だって佐藤先輩の彼女さん達だって、高校生なのにエッチしてるじゃないですか。」
「いや、でも晶にはまだまだ早すぎてダメ。
兄貴の俺としては、晶は結婚してからじゃないとダメなやつだ。
・・・・・いや、やっぱり結婚してからでもダメかも。」
「それはもう意味分かんないです!!」
無理矢理にでも笑い、男子更衣室を指差した。
「寒くなってきたので早く着替えてきてください!!」
「確かに、今日ちょっと寒いね。」
佐藤先輩が頷き、手に持っていた自分のジャージの上着を私の胸に押し付けてきた。
それにはドキッとして・・・。
「これ着て待ってて。」
そう言われたけれど、その上着をなかなか受け取れなくて。
一旦引けていた熱がまた一瞬で戻ってきた。
「佐藤先輩・・・・胸・・・・・・。」
「胸?」
「手・・・・・、胸・・・・・に、当たってるので・・・・。」
いや、固まっている場合ではなくて・・・。
「佐藤先輩が高校に入ってからはあんまり関わることもなくなっちゃってるので、それはナイですよ。
それに私、”妹”というか"弟"みたいだし。
名前も晶とか、男の子みたいな名前だし。」
「いや、弟ではないよ、”妹"。
それに晶とか世界で1番可愛い名前じゃん。」
佐藤先輩は凄く凄く嬉しそうな顔でそう答えてから、少し不貞腐れたような顔で続けた。
「俺はこんなに愛してるのに、成長してきたらうちの”妹"もあんまり絡んでくれなくなったよね。
高校では階も違うし部活の時間も違うし、朝練だけは一緒に行って練習も少し付き合えて、昼練ではたまに会えて、たまに体育館ですれ違って・・・とか出来てたけど、最近はたまに家の近くのコンビニとかで会えたら立ち話するとか、たまに晶の家に行って晶の家のハムスターにオヤツを差し入れする口実で晶に会うとか、そのくらいしか出来なくなって。
怪我のことで俺はめちゃくちゃ心配してたのに晶は全然頼ってくれなくてなぁぁぁぁ・・・・、そういえばその時の彼女がアレだ、5日で振ってきた彼女だ。
確かにその時は晶の話ばっかりしてたけど、でも怪我の心配をしてただけだし、別れ話の時も彼女からそんな話されたこともないよ?」
「・・・・へぇ、そうなんだ。
よし、俺らは帰るか。」
「え、いいの・・・?なんか・・・」
「いや、いい。
こういうのは周りはどうにも出来ないやつだから時間の無駄。」
「ぁ・・・・っ、晶先輩!!
お先に失礼します!!!」
「うん、今日もありがとね。」
「晶先輩に"ありがとう"って・・・・っっ今日も感謝をしていただいて・・・・・っっ」
「分かった分かった、後で聞くから。」
ラブラブというよりは仲の良い兄妹みたいな2人の後ろ姿を見ながら、”こういうカップル、良いな"と思った。
佐藤先輩が彼女と一緒にいる所を見ても、不思議と”佐藤先輩の彼女になりたいな"とか、”佐藤先輩と付き合えたら・・・"みたいなことを思ったことがなかったのに、あの2人の後ろ姿を見て初めて思った。
「いいなぁ・・・、私も付き合いたいなぁ・・・。」
磯貝さんの後ろ姿には自分を、そして磯貝さんの彼氏の後ろ姿には佐藤先輩を重ねながら呟いた。
そして・・・
「エッチ・・・、したいなぁ・・・。」
そんなことまで無意識に口から出てきて、それにはめちゃくちゃ慌てながら両手で口をおさえた。
顔も耳も熱くなってきて・・・、それだけではなくて、身体中がどんどん熱くなってきた。
言い訳の言葉が何も思い浮かばない中、自分の心臓の音が聞こえてきて・・・
「晶にはまだまだ早いよ。」
佐藤先輩の低い声・・・、やけに低くて冷たい声を聞き、下を向きながらギュッと目を閉じた。
そしたら、見えた。
妄想の中の佐藤先輩が優い顔で笑いながら私に手を伸ばしてくれている姿が。
今日1日、何度も何度も何度も見てしまったそんな妄想を今また見てしまって・・・。
「ちょっと思ってみただけです・・・。」
「思うだけでもまだまだ早いよ。」
「思うくらいなら良いじゃないですか・・・。
私、もう高校2年生だし・・・。
そういうことをしてる子はもうしてるし・・・。」
「いや、思うだけじゃなくて声にも出てたし。」
「間違えて言っちゃっただけです・・・。」
「そういうこと、言わない方が良いよ。
そういうことを言われると男も空気読んでやらないといけなくなるし。」
「彼女さん達とはそんな感じでしたんですか?」
「・・・・・まあ、そんな流れ。」
「佐藤先輩だって佐藤先輩の彼女さん達だって、高校生なのにエッチしてるじゃないですか。」
「いや、でも晶にはまだまだ早すぎてダメ。
兄貴の俺としては、晶は結婚してからじゃないとダメなやつだ。
・・・・・いや、やっぱり結婚してからでもダメかも。」
「それはもう意味分かんないです!!」
無理矢理にでも笑い、男子更衣室を指差した。
「寒くなってきたので早く着替えてきてください!!」
「確かに、今日ちょっと寒いね。」
佐藤先輩が頷き、手に持っていた自分のジャージの上着を私の胸に押し付けてきた。
それにはドキッとして・・・。
「これ着て待ってて。」
そう言われたけれど、その上着をなかなか受け取れなくて。
一旦引けていた熱がまた一瞬で戻ってきた。
「佐藤先輩・・・・胸・・・・・・。」
「胸?」
「手・・・・・、胸・・・・・に、当たってるので・・・・。」
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる