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翌朝
久しぶりに早起きをして学校へと向かう。
4月でもこんなに朝が早いとまだ肌寒いことを思い出す。
「でも、朝練の時間はもっと早かったか・・・。」
朝練の時はジャージを着て登校をしていた私が、この時間に制服を着て登校をしている。
「サッカー部も野球部も頑張ってるね~・・・。
吹奏楽部まで走り込みか・・・。」
校庭で朝練をしている他の部活の様子をのんびりと観察しながら歩き、校舎ではなく体育館へと直行すると、体育館に近付くにつれて音が聞こえてきた。
バスケットボールの音・・・
バッシュの音・・・
毎日毎日毎日、毎日聞いていた音が、聞こえてきた。
当たり前すぎて何とも思っていなかった音が、今ではこの音を聞くと少し気持ち悪くなる。
もう痛くはないはずの左膝が痛いような気がしてくる。
それらから逃げ出したい気持ちが今日もあるけれど、それでもこの音からだけでも逃げたくないという気持ちにもなり、大きく息を吸ってから体育館の扉を開いた。
そしたら、すぐに見えた。
男バスや女バス、男バレや女バレ、バド部までいる結構な人数がいる体育館の中で・・・。
佐藤先輩がドリブルをしている姿が見えた。
他の人達がボヤケてしまうくらいに佐藤先輩だけがハッキリと見える。
身長だって体格だって小柄な方なのに、佐藤先輩はこんなにも大きく見える。
私にはこんなに大きく見えて・・・
私には、こんなに大きな存在になってしまっていて・・・
それで・・・
”大好きです・・・。"
心の中で呟いた時・・・
シュートを決めた佐藤先輩が、フッとこっちの方を見てきた。
私の方を、見てきて・・・
「晶!!!!」
私の名前を凄く凄く嬉しそうな顔で呼び、バスケットボールを拾うことなくダッシュで私の所まで走ってきた。
「おはようございます。」
「おはよう!!よく来たね!!!」
「昨日来るように言ったのは佐藤先輩じゃないですか。」
そう言ってから昨日受け取ってくれなかったジャージの上着を渡す。
「昨日は私の家まで貸してくれてありがとうございました。
”明日の朝練で返して"って言われたので、一応洗濯をして乾燥機で乾かしてあります。」
「え!?わざわざそんなことしてくれたの?」
「うん、お母さんが。」
「晶のお母さんそういう所ちゃんとしてるから!!
・・・めっちゃ良い匂いする!!
晶の匂いと同じ匂い!!」
「変なことを言わないでくださいよ、柔軟剤の匂いですから。」
「これ柔軟剤の匂いなの?
晶の部屋の匂いとも・・・晶のベッドとも同じじゃん。」
「寝具もこの柔軟剤で洗ってますね。」
「え~~・・・、柔軟剤の匂いとも何か違う気がするけど。」
「柔軟剤の匂いですから。」
気合いを入れまくって普通の顔でそう言った。
”10秒前まで抱き締めてました!!"
と言うわけにはいかないので、もうめちゃくちゃ気合いを入れた。
「バスケちょっとやってく?」
佐藤先輩が体育館の中を指差しながら言ってきて、それには今度は笑顔を作って首を横に振った。
「昨日の帰り道に晶が言ってくれたやつ、アレ言葉じゃ分かりにくいから実際動きながら聞きたいんだけど。
他の奴らにも同じ動きを再現して貰って、晶が言った動きが通用するのか知りたい。」
「それくらいなら・・・。」
「マジでありがとう!!!
晶に早く会いたくて今日はいつもよりも早起きしてたんだよ!!!」
「ちゃんと寝てくださいよ。」
「何だよ、ちょっとは嬉しそうにしてくれても良いじゃん。
俺だけが晶にこんなに会いたいとか寂しいじゃん。
昔はよく晶の方から、”昨日も今日も会ったのに、早く明日も会いたいって思ってます"とか言ってくれたじゃんか。」
「佐藤先輩とバスケをしたいから言ってたんです。」
「俺だってそうだし!!
・・・・・・いや、俺はバスケをしないとしても晶と会いたいけど!!」
私が怪我をする前はよくしていたやり取りをしながら、ローファーを脱いで久しぶりにこの時間に体育館に入ろうとした。
そしたら・・・
「あ!佐藤!!!」
体育館の中から”佐藤"と呼ばれ、それには声の主を探した。
視界には佐藤先輩が振り返り、私と同じく声の主を探している姿が見える。
「すみません!ちょっと佐藤と話して良いっすか!?」
男バレのマネージャーの男子、1年生の時に同じクラスだった柳瀬君が佐藤先輩にペコッとお辞儀をすると・・・
「何?」
私ではなく佐藤先輩が”何?"と聞いた。
久しぶりに早起きをして学校へと向かう。
4月でもこんなに朝が早いとまだ肌寒いことを思い出す。
「でも、朝練の時間はもっと早かったか・・・。」
朝練の時はジャージを着て登校をしていた私が、この時間に制服を着て登校をしている。
「サッカー部も野球部も頑張ってるね~・・・。
吹奏楽部まで走り込みか・・・。」
校庭で朝練をしている他の部活の様子をのんびりと観察しながら歩き、校舎ではなく体育館へと直行すると、体育館に近付くにつれて音が聞こえてきた。
バスケットボールの音・・・
バッシュの音・・・
毎日毎日毎日、毎日聞いていた音が、聞こえてきた。
当たり前すぎて何とも思っていなかった音が、今ではこの音を聞くと少し気持ち悪くなる。
もう痛くはないはずの左膝が痛いような気がしてくる。
それらから逃げ出したい気持ちが今日もあるけれど、それでもこの音からだけでも逃げたくないという気持ちにもなり、大きく息を吸ってから体育館の扉を開いた。
そしたら、すぐに見えた。
男バスや女バス、男バレや女バレ、バド部までいる結構な人数がいる体育館の中で・・・。
佐藤先輩がドリブルをしている姿が見えた。
他の人達がボヤケてしまうくらいに佐藤先輩だけがハッキリと見える。
身長だって体格だって小柄な方なのに、佐藤先輩はこんなにも大きく見える。
私にはこんなに大きく見えて・・・
私には、こんなに大きな存在になってしまっていて・・・
それで・・・
”大好きです・・・。"
心の中で呟いた時・・・
シュートを決めた佐藤先輩が、フッとこっちの方を見てきた。
私の方を、見てきて・・・
「晶!!!!」
私の名前を凄く凄く嬉しそうな顔で呼び、バスケットボールを拾うことなくダッシュで私の所まで走ってきた。
「おはようございます。」
「おはよう!!よく来たね!!!」
「昨日来るように言ったのは佐藤先輩じゃないですか。」
そう言ってから昨日受け取ってくれなかったジャージの上着を渡す。
「昨日は私の家まで貸してくれてありがとうございました。
”明日の朝練で返して"って言われたので、一応洗濯をして乾燥機で乾かしてあります。」
「え!?わざわざそんなことしてくれたの?」
「うん、お母さんが。」
「晶のお母さんそういう所ちゃんとしてるから!!
・・・めっちゃ良い匂いする!!
晶の匂いと同じ匂い!!」
「変なことを言わないでくださいよ、柔軟剤の匂いですから。」
「これ柔軟剤の匂いなの?
晶の部屋の匂いとも・・・晶のベッドとも同じじゃん。」
「寝具もこの柔軟剤で洗ってますね。」
「え~~・・・、柔軟剤の匂いとも何か違う気がするけど。」
「柔軟剤の匂いですから。」
気合いを入れまくって普通の顔でそう言った。
”10秒前まで抱き締めてました!!"
と言うわけにはいかないので、もうめちゃくちゃ気合いを入れた。
「バスケちょっとやってく?」
佐藤先輩が体育館の中を指差しながら言ってきて、それには今度は笑顔を作って首を横に振った。
「昨日の帰り道に晶が言ってくれたやつ、アレ言葉じゃ分かりにくいから実際動きながら聞きたいんだけど。
他の奴らにも同じ動きを再現して貰って、晶が言った動きが通用するのか知りたい。」
「それくらいなら・・・。」
「マジでありがとう!!!
晶に早く会いたくて今日はいつもよりも早起きしてたんだよ!!!」
「ちゃんと寝てくださいよ。」
「何だよ、ちょっとは嬉しそうにしてくれても良いじゃん。
俺だけが晶にこんなに会いたいとか寂しいじゃん。
昔はよく晶の方から、”昨日も今日も会ったのに、早く明日も会いたいって思ってます"とか言ってくれたじゃんか。」
「佐藤先輩とバスケをしたいから言ってたんです。」
「俺だってそうだし!!
・・・・・・いや、俺はバスケをしないとしても晶と会いたいけど!!」
私が怪我をする前はよくしていたやり取りをしながら、ローファーを脱いで久しぶりにこの時間に体育館に入ろうとした。
そしたら・・・
「あ!佐藤!!!」
体育館の中から”佐藤"と呼ばれ、それには声の主を探した。
視界には佐藤先輩が振り返り、私と同じく声の主を探している姿が見える。
「すみません!ちょっと佐藤と話して良いっすか!?」
男バレのマネージャーの男子、1年生の時に同じクラスだった柳瀬君が佐藤先輩にペコッとお辞儀をすると・・・
「何?」
私ではなく佐藤先輩が”何?"と聞いた。
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