31 / 102
2
2-16
しおりを挟む
随分と遠い、来るかも分からないそんな未来の話をされ、それには戸惑う。
「もうほぼ他人の俺は"オジサン”じゃないから"竜也おじちゃん”って呼んで貰えることはないだろうけど、晶の子どもを抱かせて貰えるのかな・・・?
俺、晶が産んだ子どもを抱きたいんだけど・・・。
それは絶対・・・、絶対、したいんだけど・・・。」
「それは・・・ちょっと、よく分からないです。」
「考えて・・・!今ちゃんと考えて!!
もう時間がないからそれだけでも今ちゃんと聞いておきたい!!
俺、晶が産んだ子どもは絶対に抱きたい!!
出産に立ち会いたいとか1番に抱きたいとかミルクをあげたいとかオムツを替えたいとかは言わないから!!!
それはもう、考えないから!!!
抱くだけでもしたらダメ・・・?
抱くだよ・・・?
ちょっと抱くだけだよ・・・?」
佐藤先輩があまりにも苦しそうな顔で、必死な顔でそう聞いてくるので、全然よく考えられないけれど、何となく頷いた。
頷いておいた・・・。
それには怖いくらい真剣な顔になった佐藤先輩が続ける。
「何時間?」
「え・・・?」
「じゃあ、何分・・・?」
「え・・・それを今から約束するんですか?」
「今しておかないと・・・。
あと30分もない未来で晶と俺はこんな会話も2度と出来なくなる。」
「じゃあ、10分くらい?」
「短・・・・っっっ!!!
マジか、めっっっっっちゃ短い!!!
20分は!?」
「じゃあそれで。」
「25分は・・・?」
「もう、それは何分でも私は良いですよ。」
「うん、ありがとう・・・。
よかった・・・ありがとう・・・。」
めちゃくちゃホッとした顔で、でも悲しそうな顔で笑う佐藤先輩の顔には私も泣きそうになる。
もうこうして会ったり喋ったりすることは出来なくなる・・・。
私が誰かと付き合って結婚をして、その人とエッチをして、その人との赤ちゃんを産むまでは出来なくなる・・・。
それは悲しい・・・。
それは、凄く凄く悲しい・・・。
"私もしたかった”と思ってしまう・・・。
"私も佐藤先輩と付き合って、佐藤先輩と結婚をして、佐藤先輩とエッチがしたかった”と思ってしまう・・・。
"こんな私の胸や裸やおまたでは反応してくれるはずはないけど、よく分からないけど一生懸命佐藤先輩のおちんちんを触ったり舐めたりするから、私も佐藤先輩にエッチをして欲しかった・・・。”
"佐藤先輩に私の身体も触って欲しかった・・・。”
"私・・・私、キスやエッチまでとは言わないから、私・・・”
胸を隠していた両手でギュッと自分のことを抱き締め、めちゃくちゃ震えてくる口を開いた。
「最後に・・・面倒なことを言ってもいいですか・・・?」
「うん、言って・・・、何でも言って。
何でも聞きたい・・・。
何でも良いから何でも言って・・・。」
佐藤先輩が何度も頷きながらそう答えてくれたけど、"怖い”と思いながら口を開いた。
一生懸命、口を開いた。
断られるかもしれないと思うと凄く怖くて・・・。
最後の最後に面倒だと・・・"嫌い”だと思われたらと思うと死ぬほど怖くて・・・。
この口から、どうしても声が出てこなくて・・・。
何度も口を開いては閉じ・・・
「うん。」
また、口を開いては閉じて・・・
「うん。」
何度も何度も、そうして・・・
「うん。」
ずっと優しい優しい顔と声で"うん”と繰り返してくれていた佐藤先輩に、私は言った。
もう時間が全然残っていないから、言った。
「ギュッて・・・・・、1秒だけでも良いので・・・私のことも抱いて貰えませんか・・・っっ」
大量の涙を流しながら、言った。
「もうほぼ他人の俺は"オジサン”じゃないから"竜也おじちゃん”って呼んで貰えることはないだろうけど、晶の子どもを抱かせて貰えるのかな・・・?
俺、晶が産んだ子どもを抱きたいんだけど・・・。
それは絶対・・・、絶対、したいんだけど・・・。」
「それは・・・ちょっと、よく分からないです。」
「考えて・・・!今ちゃんと考えて!!
もう時間がないからそれだけでも今ちゃんと聞いておきたい!!
俺、晶が産んだ子どもは絶対に抱きたい!!
出産に立ち会いたいとか1番に抱きたいとかミルクをあげたいとかオムツを替えたいとかは言わないから!!!
それはもう、考えないから!!!
抱くだけでもしたらダメ・・・?
抱くだよ・・・?
ちょっと抱くだけだよ・・・?」
佐藤先輩があまりにも苦しそうな顔で、必死な顔でそう聞いてくるので、全然よく考えられないけれど、何となく頷いた。
頷いておいた・・・。
それには怖いくらい真剣な顔になった佐藤先輩が続ける。
「何時間?」
「え・・・?」
「じゃあ、何分・・・?」
「え・・・それを今から約束するんですか?」
「今しておかないと・・・。
あと30分もない未来で晶と俺はこんな会話も2度と出来なくなる。」
「じゃあ、10分くらい?」
「短・・・・っっっ!!!
マジか、めっっっっっちゃ短い!!!
20分は!?」
「じゃあそれで。」
「25分は・・・?」
「もう、それは何分でも私は良いですよ。」
「うん、ありがとう・・・。
よかった・・・ありがとう・・・。」
めちゃくちゃホッとした顔で、でも悲しそうな顔で笑う佐藤先輩の顔には私も泣きそうになる。
もうこうして会ったり喋ったりすることは出来なくなる・・・。
私が誰かと付き合って結婚をして、その人とエッチをして、その人との赤ちゃんを産むまでは出来なくなる・・・。
それは悲しい・・・。
それは、凄く凄く悲しい・・・。
"私もしたかった”と思ってしまう・・・。
"私も佐藤先輩と付き合って、佐藤先輩と結婚をして、佐藤先輩とエッチがしたかった”と思ってしまう・・・。
"こんな私の胸や裸やおまたでは反応してくれるはずはないけど、よく分からないけど一生懸命佐藤先輩のおちんちんを触ったり舐めたりするから、私も佐藤先輩にエッチをして欲しかった・・・。”
"佐藤先輩に私の身体も触って欲しかった・・・。”
"私・・・私、キスやエッチまでとは言わないから、私・・・”
胸を隠していた両手でギュッと自分のことを抱き締め、めちゃくちゃ震えてくる口を開いた。
「最後に・・・面倒なことを言ってもいいですか・・・?」
「うん、言って・・・、何でも言って。
何でも聞きたい・・・。
何でも良いから何でも言って・・・。」
佐藤先輩が何度も頷きながらそう答えてくれたけど、"怖い”と思いながら口を開いた。
一生懸命、口を開いた。
断られるかもしれないと思うと凄く怖くて・・・。
最後の最後に面倒だと・・・"嫌い”だと思われたらと思うと死ぬほど怖くて・・・。
この口から、どうしても声が出てこなくて・・・。
何度も口を開いては閉じ・・・
「うん。」
また、口を開いては閉じて・・・
「うん。」
何度も何度も、そうして・・・
「うん。」
ずっと優しい優しい顔と声で"うん”と繰り返してくれていた佐藤先輩に、私は言った。
もう時間が全然残っていないから、言った。
「ギュッて・・・・・、1秒だけでも良いので・・・私のことも抱いて貰えませんか・・・っっ」
大量の涙を流しながら、言った。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる