64 / 102
5
5-2
しおりを挟む
「いや、別に。」
「こんなにボロボロなプレーをして”別に"はねーだろ。
今回は珍しく3ヶ月くらい続いてたらしいからな、彼女も人気のある結構可愛い子だったし。
俺、先週の水曜日の夜にお前の彼女が他の男と良い感じで歩いてるのを目撃したんだよ。
辛いか~、辛いよな~、しんどすぎてシュートもパスもミスりまくるよな~?」
顔は見えないけれど、絶対に楽しそうに笑っている土屋先生が佐藤先輩にそう言うと・・・
「いや、別に。」
「反抗期中の家での男子かよ。」
土屋先生が小さく笑った後、静かな声で言った。
「彼女と別れたくらいでシュートもパスもミスりまくるとか、青春だな。」
それには佐藤先輩がすぐに答えた。
「いや、これは彼女は一切関係ないやつ。」
「強がるなって。
俺に言いたくねーのは分かるけど、お前には結構良いチームメイトがいるんだから、そいつらに話し聞いて貰ったりしろよ?」
「いや、でもマジで彼女は関係ないし。」
「・・・・じゃあ、何だよ、言ってみろよ。」
土屋先生が聞くと佐藤先輩は黙って・・・。
しばらく、黙って・・・・。
「しんどすぎて、言葉に出せない・・・。
大人になるのがすげー怖い・・・明日になるのも死ぬほど怖いし、この練習試合が昼に終わるのもどうしようもなく怖い・・・。」
「・・・・・・・・。」
開いた足の間に大きく項垂れた佐藤先輩を見て、土屋先生が言った。
「家で何かあったか?」
「・・・・・・・・。」
「そういえばお前、妹のハムスター・・・ペーだっけ?
ペーが死んだ時もしばらく元気はなかったよな。」
「ピー・・・。
中学の時にさ・・・、一緒に選んだんだ・・・。
俺・・・晶と一緒にさ・・・ピーを選んだんだ・・・。
プーのことも、一緒に選んだ・・・。」
「ああ、プーが死んだんだな・・・。」
「いや、プーはまだ生きてるし。
勝手にプーのことを殺すなし。」
「今の流れ、完全に死んでただろ!!」
「プーは元気に生きてるけど、俺が死にそう・・・。
いや、死にたい・・・。
俺、今日の午前中に死にたい・・・。」
「いや、マジでどうした・・・。」
「晶がさ・・・・・」
そこで私の名前が出てきたことには少し驚く・・・。
「ピーを選ぶ時、すげー可愛かった・・・。」
「そうか・・・。」
「プーを選んでる時はもっと可愛かった・・・。」
「そうか・・・。」
「出会った時から晶は可愛かったけど、どんどん女の子っぽくなっていった・・・。」
「そうか・・・。」
「そのどんどん可愛くなっていく所も可愛いなと思ってた・・・。」
「そうだな・・・。」
「でもさ、もう・・・無理、しんどい・・・死にたい・・・。」
「急に何でそこにいったんだよ!?
話しを途中ですっ飛ばすなよ!!」
土屋先生が佐藤先輩の背中をバンッと叩くと、佐藤先輩は持っていたタオルで顔を覆った。
そして・・・
「晶に男が出来る所なんて見るくらいなら・・・っこのまま死にたい・・・っ。」
そう言った。
「こんなにボロボロなプレーをして”別に"はねーだろ。
今回は珍しく3ヶ月くらい続いてたらしいからな、彼女も人気のある結構可愛い子だったし。
俺、先週の水曜日の夜にお前の彼女が他の男と良い感じで歩いてるのを目撃したんだよ。
辛いか~、辛いよな~、しんどすぎてシュートもパスもミスりまくるよな~?」
顔は見えないけれど、絶対に楽しそうに笑っている土屋先生が佐藤先輩にそう言うと・・・
「いや、別に。」
「反抗期中の家での男子かよ。」
土屋先生が小さく笑った後、静かな声で言った。
「彼女と別れたくらいでシュートもパスもミスりまくるとか、青春だな。」
それには佐藤先輩がすぐに答えた。
「いや、これは彼女は一切関係ないやつ。」
「強がるなって。
俺に言いたくねーのは分かるけど、お前には結構良いチームメイトがいるんだから、そいつらに話し聞いて貰ったりしろよ?」
「いや、でもマジで彼女は関係ないし。」
「・・・・じゃあ、何だよ、言ってみろよ。」
土屋先生が聞くと佐藤先輩は黙って・・・。
しばらく、黙って・・・・。
「しんどすぎて、言葉に出せない・・・。
大人になるのがすげー怖い・・・明日になるのも死ぬほど怖いし、この練習試合が昼に終わるのもどうしようもなく怖い・・・。」
「・・・・・・・・。」
開いた足の間に大きく項垂れた佐藤先輩を見て、土屋先生が言った。
「家で何かあったか?」
「・・・・・・・・。」
「そういえばお前、妹のハムスター・・・ペーだっけ?
ペーが死んだ時もしばらく元気はなかったよな。」
「ピー・・・。
中学の時にさ・・・、一緒に選んだんだ・・・。
俺・・・晶と一緒にさ・・・ピーを選んだんだ・・・。
プーのことも、一緒に選んだ・・・。」
「ああ、プーが死んだんだな・・・。」
「いや、プーはまだ生きてるし。
勝手にプーのことを殺すなし。」
「今の流れ、完全に死んでただろ!!」
「プーは元気に生きてるけど、俺が死にそう・・・。
いや、死にたい・・・。
俺、今日の午前中に死にたい・・・。」
「いや、マジでどうした・・・。」
「晶がさ・・・・・」
そこで私の名前が出てきたことには少し驚く・・・。
「ピーを選ぶ時、すげー可愛かった・・・。」
「そうか・・・。」
「プーを選んでる時はもっと可愛かった・・・。」
「そうか・・・。」
「出会った時から晶は可愛かったけど、どんどん女の子っぽくなっていった・・・。」
「そうか・・・。」
「そのどんどん可愛くなっていく所も可愛いなと思ってた・・・。」
「そうだな・・・。」
「でもさ、もう・・・無理、しんどい・・・死にたい・・・。」
「急に何でそこにいったんだよ!?
話しを途中ですっ飛ばすなよ!!」
土屋先生が佐藤先輩の背中をバンッと叩くと、佐藤先輩は持っていたタオルで顔を覆った。
そして・・・
「晶に男が出来る所なんて見るくらいなら・・・っこのまま死にたい・・・っ。」
そう言った。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる