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それには、土屋先生がゆ~っくりと私の方を見てきたのが視界に入った。
「お前の兄貴、ヤベーな。」
私は苦笑いをしながらスコアシートを書いていく。
「俺の嫁さんの兄貴も結構なシスコンだけど、お前それ以上だよな。」
「・・・・・・・・。」
「お前が高1の頃なんかは、”俺の妹が可愛くて"とか、”妹と飯食ってる時にさ~"とか、”妹に早く会いたい"とか、”妹に会えなくて寂しい~"とか言いながら普通に彼女いまくってたけど、妹が高校に入ってからは”晶晶晶晶"でな。
ここまでのシスコンがいるのかと思って、そこまでブラコンでもないような妹の方を見ると・・・」
土屋先生がまた私のことを見た。
「お前も大変だな~。
お前、大変だろ。」
それにも苦笑いで返すと、土屋先生がまた佐藤先輩の方を見た。
そして・・・
「シスコンの兄貴がいる嫁さんと結婚した俺から言いたいことは、もう諦めろ!!だけだな。」
土屋先生が言い切ると、佐藤先輩は更に足の間に沈んでいった。
「仕方ないだろ、妹もいつまでもガキでいられねーし。
女の子から少しずつ大人になっていって、好きな男だって出来るし、好きな男と付き合うことだってあるし、そいつとキスしたりエロいことだってやっていくんだよ、諦めろよ。」
「それ・・・・・っマジで言わないで・・・・っ。」
「仕方ないだろ、お前の妹は結構可愛い顔だし、性格も良いし、佐藤のことを好きになる男だって普通にいるだろ。
自分の妹が誰からも好きになって貰えないより喜ばしいことだろ、喜べよ。」
「何も嬉しくない・・・・っ喜べない・・・っ。」
「・・・・・こいつ、泣いてるんだけど。」
私からは佐藤先輩が泣いている所までは分からないけれど、佐藤先輩はそんな理由でこんな感じになってしまっているらしい。
「妹からも何か言ってやれよ。
”私だって大人になっていくんだら仕方ないでしょ!"とか、”好きな人からキスもエッチなこともして欲しいって思ってるの!"とか。
俺の嫁さんはそういうのを言いまくって兄貴を発狂させながらも諦めさせてたぞ?」
土屋先生からそう言われ、それには戸惑う・・・。
だって、私だって大人になるのが怖い気もする。
私にはどんな未来が待っているのかと思うと凄く怖くなってくる・・・。
昨日の夕方、あの高速道路の下で佐藤先輩と子ども達とバスケをするという夢は叶えられたけれど、でも・・・
だけど・・・
「私が1番好きなスポーツは佐藤先輩と遊ぶバスケットボールです。
それは絶対に変わりません。
どんな未来が待っていたとしても、世界で1番好きで世界で1番愛しているスポーツは、佐藤先輩と遊ぶバスケットボールです。
私・・・私は・・・、結婚するなら、佐藤先輩みたいな人が良いなと、昔から思っています・・・。」
それは伝えた。
これだけは、伝えられた・・・。
「お前の兄貴、ヤベーな。」
私は苦笑いをしながらスコアシートを書いていく。
「俺の嫁さんの兄貴も結構なシスコンだけど、お前それ以上だよな。」
「・・・・・・・・。」
「お前が高1の頃なんかは、”俺の妹が可愛くて"とか、”妹と飯食ってる時にさ~"とか、”妹に早く会いたい"とか、”妹に会えなくて寂しい~"とか言いながら普通に彼女いまくってたけど、妹が高校に入ってからは”晶晶晶晶"でな。
ここまでのシスコンがいるのかと思って、そこまでブラコンでもないような妹の方を見ると・・・」
土屋先生がまた私のことを見た。
「お前も大変だな~。
お前、大変だろ。」
それにも苦笑いで返すと、土屋先生がまた佐藤先輩の方を見た。
そして・・・
「シスコンの兄貴がいる嫁さんと結婚した俺から言いたいことは、もう諦めろ!!だけだな。」
土屋先生が言い切ると、佐藤先輩は更に足の間に沈んでいった。
「仕方ないだろ、妹もいつまでもガキでいられねーし。
女の子から少しずつ大人になっていって、好きな男だって出来るし、好きな男と付き合うことだってあるし、そいつとキスしたりエロいことだってやっていくんだよ、諦めろよ。」
「それ・・・・・っマジで言わないで・・・・っ。」
「仕方ないだろ、お前の妹は結構可愛い顔だし、性格も良いし、佐藤のことを好きになる男だって普通にいるだろ。
自分の妹が誰からも好きになって貰えないより喜ばしいことだろ、喜べよ。」
「何も嬉しくない・・・・っ喜べない・・・っ。」
「・・・・・こいつ、泣いてるんだけど。」
私からは佐藤先輩が泣いている所までは分からないけれど、佐藤先輩はそんな理由でこんな感じになってしまっているらしい。
「妹からも何か言ってやれよ。
”私だって大人になっていくんだら仕方ないでしょ!"とか、”好きな人からキスもエッチなこともして欲しいって思ってるの!"とか。
俺の嫁さんはそういうのを言いまくって兄貴を発狂させながらも諦めさせてたぞ?」
土屋先生からそう言われ、それには戸惑う・・・。
だって、私だって大人になるのが怖い気もする。
私にはどんな未来が待っているのかと思うと凄く怖くなってくる・・・。
昨日の夕方、あの高速道路の下で佐藤先輩と子ども達とバスケをするという夢は叶えられたけれど、でも・・・
だけど・・・
「私が1番好きなスポーツは佐藤先輩と遊ぶバスケットボールです。
それは絶対に変わりません。
どんな未来が待っていたとしても、世界で1番好きで世界で1番愛しているスポーツは、佐藤先輩と遊ぶバスケットボールです。
私・・・私は・・・、結婚するなら、佐藤先輩みたいな人が良いなと、昔から思っています・・・。」
それは伝えた。
これだけは、伝えられた・・・。
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