66 / 102
5
5-4
しおりを挟む
「妹の方も結構なブラコンか・・・。
もうお前ら、2人でずっと仲良く一緒にいれば良いな!!解決!!
佐藤も彼氏とか作らないで兄貴とずっと一緒にいろ!な!!うん!!」
土屋先生が佐藤先輩の背中をバンバンと叩く。
「だから大丈夫だろっ!!
気持ち切り替えてくぞ!!!」
「でも俺・・・・、晶の子ども・・・抱きたい・・・。」
「うんうん、分かる分かる、子どもは可愛いからな!!
でもそんなことは今考えても仕方ねーから!!な!!」
「いや、考えちゃうって・・・。
晶の胸とかアソコとか、俺以外の男が滅茶苦茶にしてる所とか、考えちゃうって・・・。」
「よっぽど上手い奴じゃねーと滅茶苦茶には出来ねーから大丈夫だって!
・・・ていうか、そこに”俺以外の男"とか言うなって。
兄貴が怖えーこと言うなよ。」
「でも、無理・・・・死にたい・・・。
晶が俺以外の男にそんなことをされる前に、俺死にたい・・・。」
「まあ・・・・・言いたいことは何となくは分かるけどな。
俺の場合は生徒ではあったけど妹ではなかったから、他の男にヤられる前に手ぇ出したし。
でもお前らの場合は兄妹だし、そこは兄貴として乗り越えなきゃいけないからな、しんどいよな。」
「本当の兄妹ではないけどね・・・。
本当の兄妹じゃないから余計、しんどい・・・死にたい・・・。」
「・・・・・・・あれ、お前の所って何かある家だっけ?親再婚?」
「違う。」
「・・・・・・・・ああ、連れ子同士で兄妹になった後に親が離婚したのか。」
「いや、全然。」
「・・・・・・・・・悪い、マジで分かんねー。
お前らどんな兄妹なんだっけ?」
「中学のバスケ部で出会って、お互いに兄妹だと思ってて・・・・それで・・・・・・・俺は・・・この前・・・・うん、それ。」
「はあ・・・・・・?
お前ら本当の兄妹じゃねーの!?」
驚いた声を上げた土屋先生が私の方を勢い良く見てきた。
それには、私はスコアシートに記入をしながら頷いた。
「マジかよ!?・・・・・・はあ!?
おい、お前ら!!こいつらが本当の兄妹じゃないって知ってたか!!!?
・・・・・・・お前知ってた!?お前も!?・・・・・お前知らなかったか!だよな、お前も知らなかったよな!?」
ベンチではバスケのことではない別な盛り上がりが始まってしまい、それには”え、今練習試合ですけど!!"と思ったけれど、男子って女子とは違って”ちょっとバカだな"とも思った。
「マジかよ・・・今年度イチの驚き・・・。」
まだ4月なのにそんな表現をした土屋先生には笑ってしまうと、土屋先生が私のことをマジマジと見てきた。
「本当の兄妹じゃないのにお前らこんなに似てるのな。
男女の違いは勿論あるとはいえ顔も髪型も、バスケも、性格は結構違うけどちょっと抜けてる所はあってな。
あの佐藤花音の弟と妹だし、それは抜けてるよなと思ってたけどまさかの本当の兄妹じゃねーっていう。」
楽しそうに笑った土屋先生が私と佐藤先輩のことを交互に見た。
「本当の兄妹じゃないのにこんなに仲が良いしシスコンとブラコンで、竜也なんて”俺以外の男"とか考えるくらいのやつで・・・そんな、ヤバいくらい・・・愛してる、やつで・・・・・・・」
言葉を切った土屋先生が佐藤先輩のことを見た。
足の間に項垂れている佐藤先輩のことをジッと見下ろして・・・
それからゆっくりとコートの中を見た。
そして・・・
「竜也。」
騒がしい体育館の中、土屋先生が佐藤先輩のことを呼ぶ声が不思議と静かに響いた。
「・・・・・・・・・・。」
何も言わない、何も動かない佐藤先輩に土屋先生が言う。
「さっき佐藤の”代わり"にコートに入った2年のガードの奴、今日めちゃくちゃ調子良いぞ。
見てみろよ。」
「・・・・・・・・・・。」
「あいつ、最近よく練習後に体育館に残ってる奴。
お前の真似ばっかり練習してるから、”お前が勝てる方法でかかってこいよ"って3on3してみたらすげー良い感じだった。
竜也とは全然違うけど、竜也とは全然違ってそれが良かった。」
「・・・・・・・・・。」
「あいつが言ってたよ、”竜也先輩の妹が努力するように言ってくれて良かった"って。
あいつも通学に結構時間が掛かる部員だから早く帰ってたけど、佐藤の言葉があいつの何かを変えたんだろうな。
お前の妹は良い子だな、顔もすげー可愛いじゃん。
女子の体育の時にチラッと聞こえた話しだと、佐藤って胸デカいらしいぞ。」
それには一気に顔が熱くなった。
そんな中で、土屋先生が続けてきた。
「竜也の"代わり"にガードやってる奴・・・。
俺が見たところ、あれは佐藤のことを女として結構気に入ってるぞ。」
「えっ・・・!?」
思わず声を上げてしまい土屋先生の方を見ると、土屋先生はコートの方を見続けたまま笑った。
「佐藤、そんなに顔赤くすんなよ。」
さっきの胸の話しで確かに顔は赤いだろうけど、私の顔を見ていない土屋先生がそう指摘をしてきた。
それから土屋先生は無言でコートの中を見ていく。
佐藤先輩は大きく項垂れたまま、やっぱりピクリとも動かない。
そうやって・・・
この1クォーターはそろそろ終わろうとしていた。
その、時・・・
「今、何分経ったと思う?」
土屋先生が突然そう聞いてきて・・・
「こうやって、あっという間に大人になるぞ。」
静かなのに深く響いてくる声で、そう言った。
もうお前ら、2人でずっと仲良く一緒にいれば良いな!!解決!!
佐藤も彼氏とか作らないで兄貴とずっと一緒にいろ!な!!うん!!」
土屋先生が佐藤先輩の背中をバンバンと叩く。
「だから大丈夫だろっ!!
気持ち切り替えてくぞ!!!」
「でも俺・・・・、晶の子ども・・・抱きたい・・・。」
「うんうん、分かる分かる、子どもは可愛いからな!!
でもそんなことは今考えても仕方ねーから!!な!!」
「いや、考えちゃうって・・・。
晶の胸とかアソコとか、俺以外の男が滅茶苦茶にしてる所とか、考えちゃうって・・・。」
「よっぽど上手い奴じゃねーと滅茶苦茶には出来ねーから大丈夫だって!
・・・ていうか、そこに”俺以外の男"とか言うなって。
兄貴が怖えーこと言うなよ。」
「でも、無理・・・・死にたい・・・。
晶が俺以外の男にそんなことをされる前に、俺死にたい・・・。」
「まあ・・・・・言いたいことは何となくは分かるけどな。
俺の場合は生徒ではあったけど妹ではなかったから、他の男にヤられる前に手ぇ出したし。
でもお前らの場合は兄妹だし、そこは兄貴として乗り越えなきゃいけないからな、しんどいよな。」
「本当の兄妹ではないけどね・・・。
本当の兄妹じゃないから余計、しんどい・・・死にたい・・・。」
「・・・・・・・あれ、お前の所って何かある家だっけ?親再婚?」
「違う。」
「・・・・・・・・ああ、連れ子同士で兄妹になった後に親が離婚したのか。」
「いや、全然。」
「・・・・・・・・・悪い、マジで分かんねー。
お前らどんな兄妹なんだっけ?」
「中学のバスケ部で出会って、お互いに兄妹だと思ってて・・・・それで・・・・・・・俺は・・・この前・・・・うん、それ。」
「はあ・・・・・・?
お前ら本当の兄妹じゃねーの!?」
驚いた声を上げた土屋先生が私の方を勢い良く見てきた。
それには、私はスコアシートに記入をしながら頷いた。
「マジかよ!?・・・・・・はあ!?
おい、お前ら!!こいつらが本当の兄妹じゃないって知ってたか!!!?
・・・・・・・お前知ってた!?お前も!?・・・・・お前知らなかったか!だよな、お前も知らなかったよな!?」
ベンチではバスケのことではない別な盛り上がりが始まってしまい、それには”え、今練習試合ですけど!!"と思ったけれど、男子って女子とは違って”ちょっとバカだな"とも思った。
「マジかよ・・・今年度イチの驚き・・・。」
まだ4月なのにそんな表現をした土屋先生には笑ってしまうと、土屋先生が私のことをマジマジと見てきた。
「本当の兄妹じゃないのにお前らこんなに似てるのな。
男女の違いは勿論あるとはいえ顔も髪型も、バスケも、性格は結構違うけどちょっと抜けてる所はあってな。
あの佐藤花音の弟と妹だし、それは抜けてるよなと思ってたけどまさかの本当の兄妹じゃねーっていう。」
楽しそうに笑った土屋先生が私と佐藤先輩のことを交互に見た。
「本当の兄妹じゃないのにこんなに仲が良いしシスコンとブラコンで、竜也なんて”俺以外の男"とか考えるくらいのやつで・・・そんな、ヤバいくらい・・・愛してる、やつで・・・・・・・」
言葉を切った土屋先生が佐藤先輩のことを見た。
足の間に項垂れている佐藤先輩のことをジッと見下ろして・・・
それからゆっくりとコートの中を見た。
そして・・・
「竜也。」
騒がしい体育館の中、土屋先生が佐藤先輩のことを呼ぶ声が不思議と静かに響いた。
「・・・・・・・・・・。」
何も言わない、何も動かない佐藤先輩に土屋先生が言う。
「さっき佐藤の”代わり"にコートに入った2年のガードの奴、今日めちゃくちゃ調子良いぞ。
見てみろよ。」
「・・・・・・・・・・。」
「あいつ、最近よく練習後に体育館に残ってる奴。
お前の真似ばっかり練習してるから、”お前が勝てる方法でかかってこいよ"って3on3してみたらすげー良い感じだった。
竜也とは全然違うけど、竜也とは全然違ってそれが良かった。」
「・・・・・・・・・。」
「あいつが言ってたよ、”竜也先輩の妹が努力するように言ってくれて良かった"って。
あいつも通学に結構時間が掛かる部員だから早く帰ってたけど、佐藤の言葉があいつの何かを変えたんだろうな。
お前の妹は良い子だな、顔もすげー可愛いじゃん。
女子の体育の時にチラッと聞こえた話しだと、佐藤って胸デカいらしいぞ。」
それには一気に顔が熱くなった。
そんな中で、土屋先生が続けてきた。
「竜也の"代わり"にガードやってる奴・・・。
俺が見たところ、あれは佐藤のことを女として結構気に入ってるぞ。」
「えっ・・・!?」
思わず声を上げてしまい土屋先生の方を見ると、土屋先生はコートの方を見続けたまま笑った。
「佐藤、そんなに顔赤くすんなよ。」
さっきの胸の話しで確かに顔は赤いだろうけど、私の顔を見ていない土屋先生がそう指摘をしてきた。
それから土屋先生は無言でコートの中を見ていく。
佐藤先輩は大きく項垂れたまま、やっぱりピクリとも動かない。
そうやって・・・
この1クォーターはそろそろ終わろうとしていた。
その、時・・・
「今、何分経ったと思う?」
土屋先生が突然そう聞いてきて・・・
「こうやって、あっという間に大人になるぞ。」
静かなのに深く響いてくる声で、そう言った。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる