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「でも・・・私、佐藤先輩とのことを、話したくて・・・。
聞いて欲しくて・・・。」
「柏木なんてもう良いじゃん。
そんなことよりさ、これから俺と水族館に行かない?」
「え・・・?」
佐藤先輩のことを見上げると、佐藤先輩が初めて見るような目で私のことを見ている。
いや、慎也とのデートの話し合い、その帰り道にも佐藤先輩の横顔はこういう目をしていたような気がする。
「ペンギン見に行こう?」
「でも、私・・・それよりも、佐藤先輩とのことを・・・佐藤先輩のことを、話したいです・・・。
中学校で出会った時の佐藤先輩のこと・・・、高校の男バスで出会った佐藤先輩のこと・・・、話したいです・・・。」
「水族館で俺が聞くよ。
どんな話でも俺が全部聞く。
水族館でペンギンを見ながら全部話して?」
「佐藤先輩には言えないこともあるんです・・・っ。
沢山、沢山あるんです・・・っ。
私、佐藤先輩に言ってないことが、言えないことが、沢山あって・・・・っっ。
それを聞いて欲しくて・・・、それも、聞いて欲しくて・・・。
私が今、佐藤先輩とのことをどう思っているのかも、聞いて欲しい・・・っ。」
「うん、水族館でそれも俺に全部教えて?
どんなに話だとしても、俺は晶の口から何でも聞きたい。」
「言えない・・・っ、佐藤先輩には、言えない・・・。
言いたくないです・・・。」
「やっぱり・・・俺とエッチなことをして、嫌だったって・・・?
それも最後までして、今は後悔してるって・・・?
俺にもう絶対に流されないって・・・?」
「・・・・・・・っっ」
佐藤先輩からそんな言葉が出てきて、それには泣きながら首を横に振る。
"私も佐藤先輩とエッチなことが出来て嬉しかったです・・・。”
"私も佐藤先輩と最後まで出来て、嬉しかったです・・・。”
"私にもあんなに凄いことをしてくれて、本当に本当に幸せでした・・・。”
それは佐藤先輩には言えない私の気持ちなので、心の中で必死に伝える。
心の中で伝えているから届くはずなんてないけど、それでも伝えずにはいられなかった。
だって、私は佐藤先輩のことが好きで。
佐藤先輩のことが大好きで。
私は、佐藤先輩のことを男の人として、もうこんなにも深く・・・深く、愛してしまった・・・。
だから、もう・・・
だから、もう、私・・・
「俺とはもう・・・本当の兄妹に、ちゃんと戻るって・・・?」
佐藤先輩がそう続けてきて、私は・・・大きく泣きながら、口を開いた。
我慢なんて出来ずに、口を開いてしまった。
「私はもう・・・っ、佐藤先輩と兄妹になんて、戻れないです・・・っっ!!
戻りたくないです・・・・・・・っっ!!」
私の話なら何でも聞いてくれるという佐藤先輩に、この口は止まらなくなる。
「もう、佐藤先輩とは・・・一緒には、いられないです・・・・っ。
もう、辛くて・・・苦しすぎて・・・、私・・・離れたい・・・。
佐藤先輩から、離れたい・・・。
でも・・・」
佐藤先輩の背中に、重くなっている腕をゆっくりと回す・・・。
そして、佐藤先輩の身体を少しだけギュッとした。
最後に、ギュッとした・・・。
「自分から離れるのは死ぬほど無理すぎるので、佐藤先輩から離してください・・・。」
最後に・・・ギュッと・・・ギュッと、する・・・。
「お願い・・・・・私を、離して・・・・。」
·
聞いて欲しくて・・・。」
「柏木なんてもう良いじゃん。
そんなことよりさ、これから俺と水族館に行かない?」
「え・・・?」
佐藤先輩のことを見上げると、佐藤先輩が初めて見るような目で私のことを見ている。
いや、慎也とのデートの話し合い、その帰り道にも佐藤先輩の横顔はこういう目をしていたような気がする。
「ペンギン見に行こう?」
「でも、私・・・それよりも、佐藤先輩とのことを・・・佐藤先輩のことを、話したいです・・・。
中学校で出会った時の佐藤先輩のこと・・・、高校の男バスで出会った佐藤先輩のこと・・・、話したいです・・・。」
「水族館で俺が聞くよ。
どんな話でも俺が全部聞く。
水族館でペンギンを見ながら全部話して?」
「佐藤先輩には言えないこともあるんです・・・っ。
沢山、沢山あるんです・・・っ。
私、佐藤先輩に言ってないことが、言えないことが、沢山あって・・・・っっ。
それを聞いて欲しくて・・・、それも、聞いて欲しくて・・・。
私が今、佐藤先輩とのことをどう思っているのかも、聞いて欲しい・・・っ。」
「うん、水族館でそれも俺に全部教えて?
どんなに話だとしても、俺は晶の口から何でも聞きたい。」
「言えない・・・っ、佐藤先輩には、言えない・・・。
言いたくないです・・・。」
「やっぱり・・・俺とエッチなことをして、嫌だったって・・・?
それも最後までして、今は後悔してるって・・・?
俺にもう絶対に流されないって・・・?」
「・・・・・・・っっ」
佐藤先輩からそんな言葉が出てきて、それには泣きながら首を横に振る。
"私も佐藤先輩とエッチなことが出来て嬉しかったです・・・。”
"私も佐藤先輩と最後まで出来て、嬉しかったです・・・。”
"私にもあんなに凄いことをしてくれて、本当に本当に幸せでした・・・。”
それは佐藤先輩には言えない私の気持ちなので、心の中で必死に伝える。
心の中で伝えているから届くはずなんてないけど、それでも伝えずにはいられなかった。
だって、私は佐藤先輩のことが好きで。
佐藤先輩のことが大好きで。
私は、佐藤先輩のことを男の人として、もうこんなにも深く・・・深く、愛してしまった・・・。
だから、もう・・・
だから、もう、私・・・
「俺とはもう・・・本当の兄妹に、ちゃんと戻るって・・・?」
佐藤先輩がそう続けてきて、私は・・・大きく泣きながら、口を開いた。
我慢なんて出来ずに、口を開いてしまった。
「私はもう・・・っ、佐藤先輩と兄妹になんて、戻れないです・・・っっ!!
戻りたくないです・・・・・・・っっ!!」
私の話なら何でも聞いてくれるという佐藤先輩に、この口は止まらなくなる。
「もう、佐藤先輩とは・・・一緒には、いられないです・・・・っ。
もう、辛くて・・・苦しすぎて・・・、私・・・離れたい・・・。
佐藤先輩から、離れたい・・・。
でも・・・」
佐藤先輩の背中に、重くなっている腕をゆっくりと回す・・・。
そして、佐藤先輩の身体を少しだけギュッとした。
最後に、ギュッとした・・・。
「自分から離れるのは死ぬほど無理すぎるので、佐藤先輩から離してください・・・。」
最後に・・・ギュッと・・・ギュッと、する・・・。
「お願い・・・・・私を、離して・・・・。」
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