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エピソード4.5
4.5−1
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佐藤先輩と子ども達とバスケをした後、佐藤先輩と一緒に私の家へと帰る。
水曜日の夜も佐藤先輩が私の家に来てくれ、ハンバーガーでお腹いっぱいになって食べられなくなっていた私のご飯を食べてくれた時、お母さんが土曜日の今日も佐藤先輩に私の家に帰ってくるようにお願いをしていたから。
「夫婦で陸上部のOB・OG会に出席出来るとか、マジで憧れるな・・・。」
お母さんが作ってくれていた夜ご飯を食べながら佐藤先輩が呟き、それから私のことを見てニコッと笑った。
「晶と俺も、中学のバスケ部のOB・OG会には一緒に行ってるけどね。」
「そうですね。」
「晶は女の子達からキャーキャー騒がれながら女の子とベッタリしてるから、俺は全然絡めないけどね。」
「それは嘘ですよ。
よく絡みにきて"兄妹の会話は家でして”って怒られてますよね?」
「そうだった?誰に?」
「・・・・・佐藤先輩に告白をしたことがある先輩とか。
3年生の時に佐藤先輩と同じクラスで、女バスの副キャプテンだった先輩。」
「ダメだ、顔がボンヤリとしか思い出せない。
名前なんて全然覚えてない。」
「普通に綺麗な先輩で、性格も佐藤先輩が付き合った女の子達よりもずっと良かったです。
なのに佐藤先輩、女バスの女の子とは絶対に付き合いませんでしたよね。
他にも女バスの女の子から告白されたこともあったのに。」
「女バスの女の子と付き合うのは絶対にナイでしょ。
女バスには晶がいるんだから彼女となんかよりも晶と喋って晶と遊んで晶と一緒に帰りたいよ。」
「・・・そう言って告白を断らないでくれて良かったです~。
そんなことを言ってたら絶対に私虐められてましたよ~。」
「それもナイでしょ。
晶のことを虐めるとか、女の子でも俺が許さないし。」
「分かりやすい虐めじゃなくで無視をするとか。」
「晶のパスを無視するとか不可能だって!!
だってこの手にスッと勝手に入って来るじゃん!!」
「それは佐藤先輩のパスも同じです!!」
「うん、同じだね。
晶と俺は・・・よく似てるよね。
何でこんなに似てるんだろう。」
「お母さん同士が何となく似てますよね。」
「それも絶対にナイ。
どう見ても晶のお母さんの方がめちゃくちゃ可愛い。
めっっっっちゃ可愛い。」
佐藤先輩が私以外の誰かのことをここまで"可愛い”と言ったことは初めてで。
彼女のことは"可愛い”とは言わずに"良い子”と言うし、私が仲の良い友達のことは"結構可愛いよね”と言ったりもするけれど、私の友達が佐藤先輩に告白をしても絶対に頷かない。
"ごめんね、でもこれからも晶とは仲良くしてあげてね。”と言って。
初めて佐藤先輩が私以外の誰かのことを"可愛い”と言った。
ハムスターのことを可愛いと言っても、それは全然何も思わないしむしろ"嬉しい”とも思うのに、お母さんのことをこんなに"可愛い”と言われて凄く嫌な気持ちになる。
凄く凄く、嫌な気持ちになる。
そんな自分に戸惑いながら黙々とご飯を食べていくと、佐藤先輩も黙々とご飯を食べ始めて。
そして、しばらく無言だった後・・・
「晶ってさ、今まで男子から告白されたことあるの?」
そんな質問をしてきた。
水曜日の夜も佐藤先輩が私の家に来てくれ、ハンバーガーでお腹いっぱいになって食べられなくなっていた私のご飯を食べてくれた時、お母さんが土曜日の今日も佐藤先輩に私の家に帰ってくるようにお願いをしていたから。
「夫婦で陸上部のOB・OG会に出席出来るとか、マジで憧れるな・・・。」
お母さんが作ってくれていた夜ご飯を食べながら佐藤先輩が呟き、それから私のことを見てニコッと笑った。
「晶と俺も、中学のバスケ部のOB・OG会には一緒に行ってるけどね。」
「そうですね。」
「晶は女の子達からキャーキャー騒がれながら女の子とベッタリしてるから、俺は全然絡めないけどね。」
「それは嘘ですよ。
よく絡みにきて"兄妹の会話は家でして”って怒られてますよね?」
「そうだった?誰に?」
「・・・・・佐藤先輩に告白をしたことがある先輩とか。
3年生の時に佐藤先輩と同じクラスで、女バスの副キャプテンだった先輩。」
「ダメだ、顔がボンヤリとしか思い出せない。
名前なんて全然覚えてない。」
「普通に綺麗な先輩で、性格も佐藤先輩が付き合った女の子達よりもずっと良かったです。
なのに佐藤先輩、女バスの女の子とは絶対に付き合いませんでしたよね。
他にも女バスの女の子から告白されたこともあったのに。」
「女バスの女の子と付き合うのは絶対にナイでしょ。
女バスには晶がいるんだから彼女となんかよりも晶と喋って晶と遊んで晶と一緒に帰りたいよ。」
「・・・そう言って告白を断らないでくれて良かったです~。
そんなことを言ってたら絶対に私虐められてましたよ~。」
「それもナイでしょ。
晶のことを虐めるとか、女の子でも俺が許さないし。」
「分かりやすい虐めじゃなくで無視をするとか。」
「晶のパスを無視するとか不可能だって!!
だってこの手にスッと勝手に入って来るじゃん!!」
「それは佐藤先輩のパスも同じです!!」
「うん、同じだね。
晶と俺は・・・よく似てるよね。
何でこんなに似てるんだろう。」
「お母さん同士が何となく似てますよね。」
「それも絶対にナイ。
どう見ても晶のお母さんの方がめちゃくちゃ可愛い。
めっっっっちゃ可愛い。」
佐藤先輩が私以外の誰かのことをここまで"可愛い”と言ったことは初めてで。
彼女のことは"可愛い”とは言わずに"良い子”と言うし、私が仲の良い友達のことは"結構可愛いよね”と言ったりもするけれど、私の友達が佐藤先輩に告白をしても絶対に頷かない。
"ごめんね、でもこれからも晶とは仲良くしてあげてね。”と言って。
初めて佐藤先輩が私以外の誰かのことを"可愛い”と言った。
ハムスターのことを可愛いと言っても、それは全然何も思わないしむしろ"嬉しい”とも思うのに、お母さんのことをこんなに"可愛い”と言われて凄く嫌な気持ちになる。
凄く凄く、嫌な気持ちになる。
そんな自分に戸惑いながら黙々とご飯を食べていくと、佐藤先輩も黙々とご飯を食べ始めて。
そして、しばらく無言だった後・・・
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そんな質問をしてきた。
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