【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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「マジで恐ろしい奴だよ・・・。」



お兄ちゃんが私の歯形がついた腕を擦りながら私を睨み付けてくる。



私の血の繋がった本当のお兄ちゃん。
鮫島光一、今年24歳。
大きな身体と怖いけど整った顔。



このお兄ちゃんが、私と血が繋がっているたった1人の家族。



そして、困った顔で笑い続けているのも私の“お兄ちゃん”。



“お兄ちゃん”のお父さんと、私と血の繋がらないお母さんが再婚をする予定だから。



私が5歳、お兄ちゃんが7歳の時にお互いの家族を紹介された。
そして、翌年にはこの社宅で隣の部屋同士でほぼ一緒に暮らしている。



“お兄ちゃん”のお父さんと私のお母さんは否定しているけれど、2人はどう見てもそういう感じで。
私が大学を卒業するのを待っているのではと、きょうだいの中ではそう思っている。



私が6歳、“お兄ちゃん”が8歳の頃から一緒にいた。
兄妹として、ずっと一緒にいた。
お兄ちゃんやお母さんよりもずっと一緒にいた。



“お兄ちゃん”のお姉ちゃん、真理姉と同じくらい、私は“お兄ちゃん”と一緒にいた。



いずれ戸籍上も兄妹になるとしても、血が繋がっていないから結婚出来る。



私は“お兄ちゃん”が大大大好きで。



本当のお兄ちゃんと同じ歳の、岩渕豊が大好きで。



お兄ちゃん2人が去年の12月に内定を貰った会社、加賀製薬の人事部に飛び入りで面接に行ってしまった程大好きで。



私はお兄ちゃんと結婚がしたい。



お兄ちゃんに私と結婚して貰いたい。



お兄ちゃんと妹だけど、私を戴いて欲しい。



いつか戴いてくれる日を夢見て、お兄ちゃんの為に綺麗に整えているこの身体を。



そして、私自身を・・・。



戴いて欲しい・・・。



「お兄ちゃん・・・私を、戴いて?」



今日もそうお願いをする。



何度でも、お願いをする。
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