【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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「お兄ちゃんってさ、妙子ちゃんのこと本当は好きだったでしょ・・・?」



その日の夜、普通の可愛いピンク色のパジャマ姿で、ベッドの中でお兄ちゃんに抱き付きながら聞いた。



あの日から、本当のお兄ちゃんがガミガミガミガミ煩くて、ナイトドレス禁止令が出てしまった。



だからか、私のお願いもお兄ちゃんは聞いてくれなくなって・・・。
パジャマ姿では興奮しないのか、どんなに甘く噛み付いてもスッと離れていってしまう・・・そんな感覚だった。



「的場さんは本当に僕の憧れ・・・。
あんな風な人に、僕はなりたかった・・・。」



「お兄ちゃんが妙子ちゃんみたいな感じだったら仲良くはなれるとは思うけど、こんなに好きじゃなかったよ?」



そう言いながらお兄ちゃんに強く抱き付くと、お兄ちゃんも私を強く抱き締めてくれた。



そして・・・



「僕達、本当の家族に・・・なるね・・・。」



「うん!!めちゃくちゃ嬉しい!!」



私が即答すると、お兄ちゃんは無言になった。



どうしたのかと思ってお兄ちゃんの顔を見ると、お兄ちゃんは悲しそうな顔で小さく笑っている。



「あの人から・・・連絡来てる?」



お兄ちゃんが言う“あの人”とは、お兄ちゃんの大学院の前で連絡先を交換した宝田(たからだ)さん。



「来てるよ!!
うちのお母さんが教育してたくらいだし、色々と気を遣える人でよかった!!」



「そっか、よかった・・・。」



お兄ちゃんがそう小さく呟いて、私を苦しいくらいに抱き締めてきた・・・。



「りーちゃん・・・。」



私のことを呼び、身体を小さく震わせている・・・。



「お兄ちゃん・・・?」



「・・・うん・・・うん、僕はお兄ちゃんだよ・・・。
ずっと・・・ちゃんと、お兄ちゃんでいるから・・・。
だから・・・1回、1回でいいから・・・名前、呼んで欲しい・・・。」
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