【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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「でね、真理ちゃん!!
みんなで理子のことを無視しようとか言って!!!
理子、そんなことされても全然大丈夫なのに!!」



真理ちゃんが食器を洗っている横で、理子は今日幼稚園であったことを真理ちゃんに話していく。



「あとね、幼稚園から帰った後、妖怪の家で出たオヤツが全然美味しくなかった!!」



理子がそう言うと、真理ちゃんがクスクスと可愛く笑って・・・



「明日・・・理子ちゃんのおばあちゃんが、ここに送ってくれた時・・・私の友達から貰ったお菓子、渡しておくね・・・?
幼稚園が終わった後・・・おばあちゃんに、食べさせて貰って・・・?」



「真理ちゃんの友達、いつもお菓子沢山くれるから理子大好き!!
発売前のお菓子は、日曜日に真理ちゃんと食べたい!!」



「うん・・・私も、そのつもりだったよ・・・。」



真理ちゃんが可愛い笑顔で理子に笑い掛けてくれる。



その笑顔を見ながら、聞いてみた。



「あのね・・・お母さんが言ってたんだけど・・・。
真理ちゃんの名前と理子の名前、同じ漢字が入ってるんだって・・・。」



「そうだね・・・。
“理”の漢字が、一緒・・・。」



真理ちゃんの返事に理子は大きく頷く。



そして・・・



そして・・・



口を開いた・・・。



泣きそうになりながら、口を開いた・・・。



「あのね・・・真理ちゃんのこと・・・“真理姉”って呼んでもいい?」



“お姉ちゃん”とも迷ったけど、理子と“理”の字が一緒だから・・・。



だから、“真理姉”と呼びたいと思った・・・。



本当のお姉ちゃんみたいだったから・・・。



本当のお兄ちゃんよりも、真理ちゃんは本当のお姉ちゃんみたいだったから・・・。



優しくて温かくて・・・でも、理子がしっかりもしないといけなくて・・・。



でも、でも・・・



理子を甘えさせてくれる人で・・・。



毎日ずっと一緒にいてくれて・・・。



ずっとずっと一緒にいてくれて・・・。



幼稚園で見る他の子達のお母さんよりも可愛くて・・・。



他のお母さんよりも真理姉と食べる物は美味しくて・・・。



理子の・・・“お姉ちゃん”みたいで・・・。



真理ちゃんから何て返事をされるのか不安で・・・。
凄く、怖くて・・・。



でも、真理ちゃんは・・・



「うん、嬉しい・・・。
じゃあ・・・私も“理子”って呼んでもいい・・・?
その方が、本当の姉妹・・・みたい。」



そう言って、可愛く笑ってくれた。



そんな“真理姉”を、“お姉ちゃん”ではなくて“お母さん”だと感じてしまうのに、そんなに時間は掛からなかった。
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