【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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そう聞いた理子に、真理姉の弟はゆっくりと振り返った。
いつも真理姉の言葉に・・・真理姉の言葉だけではなくて真理姉のお父さんの言葉も無視をしている真理姉の弟が、理子の言葉には振り返った。



それにはニヤニヤとしてしまう。
そんな理子に、真理姉の弟は小さく笑った。
よく見ると・・・やっぱり、真理姉の弟はお父さんとよく似ている顔をしている。



「うん・・・勉強は、好き・・・。
好きというか・・・勉強だけしか、出来ない・・・。」



「よく分からないけど、勉強だけ出来ればいいんじゃないの?」



「・・・ダメなんだよね。
僕は・・・それだけでもなくて、変だから・・・。」



そんなことを言われたので・・・



「理子だって変だから!!
獰猛じゃないし真理姉の弟の方がマシだよ!!」



理子がそう言うと真理姉の弟がまた小さく笑う。



「僕のお母さんは・・・お姉ちゃんと僕みたいな、感じだったらしい・・・。
本当は・・・そんな感じだったらしい・・・。」



真理姉の弟がそう言って、理子を優しい顔で見詰めてきた。



「鮫島君と・・・喧嘩・・・?」



そう聞かれて理子は首を横に振った。



「今日は真理姉の弟にお願いがあって来たの。」



「僕に・・・?
・・・お願いか・・・僕、勉強しか、出来ないからな・・・。」



真理姉の弟がそう言って困った顔で笑っているので、理子は口を開いた。



「でも、追い求めることが出来るんでしょ?
勉強みたいに、自分が納得するまで追い求めることが出来るんでしょ?」



理子が聞くと、真理姉の弟は真面目な顔になった。



「うん・・・それは、出来る・・・。」
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