【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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そんなお願いをした・・・。
そんなお願いを、真理姉の弟にした・・・。



そんなお願いをしてから、季節は変わって・・・



もう、冬になっていた・・・。



それでも・・・



真理姉の弟からは何もなくて・・・。



でも・・・



でも・・・



「岩渕は?」



夜ご飯の時間、今日も真理姉の弟は家にいない。
それにお兄ちゃんが怒った顔で今日も真理姉に聞いている。



お兄ちゃんはこれまで、真理姉の弟と家で全然話したことがなかったのに。
土日に真理姉の弟が家にいると、最近は真理姉の弟に色々と怒鳴り散らすようになった。



真理姉の弟は言い返すことはしないけど、あんなに怒っているお兄ちゃんの顔をしっかり見上げて返事をしていた。



そんな真理姉の弟の姿を思い返していると・・・



「豊・・・また、お父さんの会社だって・・・。」



真理姉がそう言って、首を傾げている。



「お父さんの会社で・・・何、してるんだろう・・・。」



「最悪なことしてるんだろ!!!」



お兄ちゃんがそう叫びながら理子のことを睨み付けてきた。
そして・・・



「ああいう奴に頼みやがって・・・。
マジで何なんだよ、あいつ・・・。」



お兄ちゃんがそう言いながら凄く怒っている。



「真理姉の弟のこと虐めるのやめてよ。
今理子がお願いしてることやってくれてるんだから。
真理姉の弟、最近よくケガしてるじゃん。」



「あれは俺じゃねーから。
俺は今のところあいつには口しか出してねーよ。
あんなナヨナヨして男らしくない奴に手なんて出すかよ。」



お兄ちゃんがそう言って真理姉のことを見た。



「父親があんなに男らしい人で、どうやったら息子があんな男らしくない奴になるんだよ?」



「私も豊も・・・お母さんの方に、似てるらしいの・・・。
私も・・・豊から、聞いただけだけど・・・。」



「あの人の遺伝子勿体ねーな・・・。」



お兄ちゃんがそう言って、また私を睨み付けてきた。



「あいつのせいで学校で変なのに絡まれるし最悪だよマジで。」



「変なのって?」



お兄ちゃんは一瞬黙り・・・



「マジで、猿みたいな人間・・・。
いや・・・あれは完全に猿だな。」



そんなとぼけたことを言っていた。
後になって知ったのだけれど・・・それは妙子ちゃんというインパクト抜群の女の子のことだった・・。
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