【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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お兄ちゃんが出て行った後、理子は電気を付けて真理姉の弟の腕を引っ張り部屋の中に入れた。



「ここ、座っていいよ!!」



そう言って、理子は先にベッドの上に座り壁に背中をつけた。
そして、自分の横をポンポンと叩く。



「・・・そこ?」



「うん!ここ!!
土日は、寝る前にお母さんとここでお話してるんだよね!!
そんな感じで“お母さん”の話を聞きたい!!」



理子がそう言うと、真理姉の弟は小さく頷いて理子の隣に座った。



そして・・・



真理姉の弟の“お母さん”がいる茶色いノートと同じノートを、理子の隣で開いた。



「松居理菜(りな)、生年月日は19・・・」



「え、そこからなの!?」



理子は驚きながらも大笑いをして真理姉の弟を見る。
そんな理子を真理姉の弟は真顔で見ていて・・・



「そうだけど・・・。
鮫島君の妹のおばあちゃんのお腹の中に、いる時の話は・・・清書しなかった・・・ごめんね・・・。」



「違う違う!!そっちじゃなくて!!
てっきり、理子が生まれる少し前とか・・・結婚してからだと思ってたから!!」



理子がそう言うと、真理姉の弟は真面目な顔で理子を見詰める。



「鮫島君の妹を・・・納得させる為に、追い求めた結果・・・こうなったんだよね・・・。」



「そうなんだ・・・めちゃくちゃありがとう!!」



そうお礼を伝えると、真理姉の弟はまたノートを見ながら口を開いた。



理子のお母さんのことを・・・



理子を産んでくれたお母さんのことを・・・。
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