【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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理子のお母さんは予定日よりも半月早く産まれた。
菜の花がまだ咲いていた5月の日、少し小さめの鳴き声でこの世界に産まれた。



母乳をよく飲んで、ミルクは全然飲めない子だった。
だからお母さんのお母さんは、理子のお母さんにつきっきりだった。
それと抱っこではないと寝られないくらいの甘えん坊で、日中も夜中も明け方も常にお母さんかお父さんに抱っこをされている赤ちゃんだった。



少しでも布団に寝かせると怒り狂ったように泣き叫び、子育てはとても大変だと思いお母さんは一人っ子になったそう。



お母さんのお母さんとお父さんはなかなか子どもを授かれなくて、やっと来てくれたお母さんのことを可愛いがって可愛いがって、2人して甘やかして甘やかして育てた。



そんな話から始まったお母さんの話・・・。



「これ、おばあちゃんから聞いたの?」



気になったので理子がそう聞くと、真理姉の弟は小さく笑いながら・・・



「おばあちゃんと・・・おじいちゃんに。」



「おじいちゃんって・・・妖怪ハゲじじいのこと!?」



「妖怪・・・?」



「だって理子のおじいちゃん、髪の毛も眉毛も1本もないんだよ!!
毛根っていうのもないし・・・それだけじゃなくて、身体中に毛が1本もないの!!」



理子がそう叫ぶと、真理姉の弟が大きく頷いた。



「知ってるよ・・・見せて、貰ったから・・・。」



その言葉には理子はビックリして・・・



「見せて貰ったって・・・?身体を?」



「うん・・・。」



「何て言って見せて貰ったの・・・!?」



「何で・・・ハゲてるんですか?って・・・聞いて・・・。」
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