【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

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「妙子ちゃんの同級生なんだって？」



副社長の小町さんという女性・・・。
物凄く美しい女性だった・・・。



でも・・・



りーちゃんのお母さんも同じくらい美人だし、毎日のように見ているのでそれ程驚くこともなかった。



「はい、的場さんとは小学校6年間同じクラスでした・・・。」



「妙子ちゃんの“キッカケ”になった男の子の1人？」



副社長がそう言いながら的場さんを見て・・・
的場さんが嬉しそうな顔をして頷いた。



「まさか会社で岩渕君に会えるとは思いませんでした！！
サメの家に行っても、岩渕君には会わないでってサメの妹から怒られちゃってて会えなくて！！」



的場さんがそんなことを言って、それには驚く。
そんな僕に的場さんは笑いながら・・・



「ずっと気になってたんだ！！
岩渕君に変わらず闘士があるのか！！
その闘士が消えてしまっていないか！！
消えてなくて良かった！！
勉強をしていない姿だったのに、興奮するくらい強いのが分かったよ！！」



「闘士・・・？
僕にそんなのあった・・・？」



「めちゃくちゃあったよ！！
だから私は岩渕君を守りたかった！！
岩渕君が闘士を持って勉強する姿を守りたかったんだ！！」



そんなことを言ってくれた・・・。



小学校時代の僕のことを・・・。



りーちゃん以外、認めてくれる人なんていないと思っていた僕のことを・・・。



ずっと前から、的場さんは認めてくれていた・・・。



「採用ね。」



副社長の声が僕の耳に入り、身体の中まで響いた・・・。
不思議と、よく響く声だった・・・。