【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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約2週間後・・・



加賀製薬の広報部の部屋で、一昨日アップした動画の反響を確認していく。



「理子ちゃん、新しい動画凄い話題になってるね?」



研究室の米倉さんがフラッと私の所に来て、そう言ってきた。



一昨日アップしたお兄ちゃんの動画のことをそう言ってきた。



「今回いつもよりも編集に時間が掛かったの?
いつもよりも間隔空いてたよね?」



「こっちの編集は予定通り終わったんだけど、相川さんに相談して待って貰ってた。
もう1本の動画と同じ日にアップしたかったから。」



「もう1本って・・・“可愛くて美味しい私のまり姉”の方だよね?
そっちも見たよ~!!
今回限定で、“可愛くて美味しい僕のまり姉の妹”!!!」



声高くそう言われ、私は苦笑いをする。
そっちのことはあまり触れて欲しくなかったから。



「あれ、岩渕君が編集したの?」



「うん、お兄ちゃんが編集した。」



「いつもと同じ尺なのに中身が詰まってて、なのに詰め込み過ぎてる感もないし・・・。
ハラハラドキドキ、涙、感動、笑い、そして続きも見たくなる感じで終わらせてたね!!」



「初めてお兄ちゃんに編集して貰ったけど、凄く勉強にはなった。
やっぱりお兄ちゃんは凄い・・・。
凄い・・・凄いけど・・・!!!!」



私はパソコンを操作し、画面の中に出てきたお兄ちゃんに向かって噛み付く。



「私の初めての顔出しが、あんなに太ってる時の場面になるなんて!!!!」



「でも、ちゃんと痩せてる時の理子ちゃんも一瞬入れてたじゃん?
“5キロの増減は見た目に出る”って改めて教えてくれたよね。」



米倉さんが笑いながらそう言ってくれるけど、私は全然笑えない。



“可愛くて美味しいまり姉”の再生回数がこの2日間で伸びまくっているけれど、全然笑えない。



「“リコ”にプロポーズをした“お兄ちゃん”、加賀製薬の動画に出てる人だって凄い話題になってるよね!!
それでどっちの動画も再生回数凄いことになってるね!!」
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