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第18話
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なんで入学式が存在しているのだろうか?まだ、校長の話が存在しているのはわかる。内容は何一つ頭の中には入ってこないけど。
だが、学校関係者ではない人からの話、あれなんの意味がある?その人たちの話を丸々カットすればすぐに終わるだろう。こんなしょうもないイベントにスキップ機能を搭載して欲しいものだ。
何も考えずに聞いているものだから、少しずつ眠たくなっていく。そしていつの間にか座ったまま、寝ていたのだった。
時間が経った時だ。
「もうすぐ終わるよ」
そう囁かられながら起きるのだった。まだ寝たい気持ちの中、目をこすりしっかりと前を見る。まるでずっと起きていましたよとごまかすこともできるだろう。
入学式が終わり、元の教室まで移動した。そして、待ちに待ってはいない自己紹介の時間がやってくるのだった。人間という種族は醜い。どうせ、職業が優れている人は職業の話になるのが基本だ。
それが一番自信があり、マウントを取ることができるものだからだろう。さて、出席番号が最初の人から始めるようだ。その最初の人は、自分の職業が魔法使いであると言い出す。
これにより、職業を伝えることがデフォルトであるとされてしまう。だが、次の人が関係ないことを言えば、変わるだろう。
そして、次の人も同じように職業のことを話すのだった。職業を話さないといけないという流れができる。無難に学生時代の試みでいいだろう……。
ダンジョンに潜っていない人も「まだ職業は出ていません」と言うのだった。ある種の公開処刑だな。何人かは慌てたように職業が決まっていないと言っている。その人たちは生産職だったのだろうな。
俺の出席番号は中間あたりだ。ぼーっと名前を聞き流していると、俺の順番がやってくる。名前を言ってよろしくと返すことで、終わらせた。どうせすぐに終わる。
というか、たかが一回の自己紹介で名前を覚えることができるのは何人いるのだろうか?半分近くの人の名前は一日が経てば忘れているだろう。回数を重ねていけば覚えることができる。
少し順番が後ろに行った時のことだ。クラスが少しざわつくのだった。主にそのざわつきは女子から発せられたものだ。その自己紹介をしている者はイケメンだった。
……なるほどなー。女子とは現金なものだ。そして、「冒険者をやっています」と言い出す。
(職業を話す流れは完全に断ち切れたと思ったんだけどな……)
職業は「勇者」と言うのだった。正直職業を詐称しても問題がないが、困るのはそのパーティーを組んでいるものだ。俺には関係がない。残っている人たち、職業下位互換の人たちの自己紹介が始まった。
下位互換なことから、あまり盛り上がることはない。最大の驚きは勇者に固定されている。その下位互換が出たところで勇者以上の驚きは生まれない。
(勇者の後に話すとか、地獄だろうな……)
せめて勇者は最後でしょ。勇者に職業のインパクトで勝つことができるのは、魔王とか悪魔だろう。
勇者のインパクトにより全ての注目を攫った勇者くん。その近くにクラスのほとんどの人が集まっている。そして、全員から放たれる言葉は一緒にダンジョンに行こう。と言うものだ。
まるで砂糖に群がる蟻のようだ。気持ち悪い。甘い汁だけを吸いたいだけだろう。優しいのか、それとも肉壁にするのが目的なのかわからないが、そのダンジョンに一緒に行くと言う案を許諾している。
「あれにはなりたくないな」
ついつい、心の声が表面上に現れるのだった。普通に考えて気持ち悪さが勝ってしまう。後から困ったことになりそうだな。現に、一人の許可をすればなし崩しに、私もと声を荒げている。
「そう思う」
うっすらと同意の声が聞こえる。まあ、気のせいだろう。勇者がクラスメイトになったというハプニングはあったが、明日から三連休だ。ラッキーだ。さらにもう帰って良いらしい。
どうせ、勉強をしなくても良い点は取れるし、ダンジョンに潜りに行くのは決まっている。宿題は夜にすればいいか。急いで家に帰り、宿題をし、さっさと眠りについた。
だが、学校関係者ではない人からの話、あれなんの意味がある?その人たちの話を丸々カットすればすぐに終わるだろう。こんなしょうもないイベントにスキップ機能を搭載して欲しいものだ。
何も考えずに聞いているものだから、少しずつ眠たくなっていく。そしていつの間にか座ったまま、寝ていたのだった。
時間が経った時だ。
「もうすぐ終わるよ」
そう囁かられながら起きるのだった。まだ寝たい気持ちの中、目をこすりしっかりと前を見る。まるでずっと起きていましたよとごまかすこともできるだろう。
入学式が終わり、元の教室まで移動した。そして、待ちに待ってはいない自己紹介の時間がやってくるのだった。人間という種族は醜い。どうせ、職業が優れている人は職業の話になるのが基本だ。
それが一番自信があり、マウントを取ることができるものだからだろう。さて、出席番号が最初の人から始めるようだ。その最初の人は、自分の職業が魔法使いであると言い出す。
これにより、職業を伝えることがデフォルトであるとされてしまう。だが、次の人が関係ないことを言えば、変わるだろう。
そして、次の人も同じように職業のことを話すのだった。職業を話さないといけないという流れができる。無難に学生時代の試みでいいだろう……。
ダンジョンに潜っていない人も「まだ職業は出ていません」と言うのだった。ある種の公開処刑だな。何人かは慌てたように職業が決まっていないと言っている。その人たちは生産職だったのだろうな。
俺の出席番号は中間あたりだ。ぼーっと名前を聞き流していると、俺の順番がやってくる。名前を言ってよろしくと返すことで、終わらせた。どうせすぐに終わる。
というか、たかが一回の自己紹介で名前を覚えることができるのは何人いるのだろうか?半分近くの人の名前は一日が経てば忘れているだろう。回数を重ねていけば覚えることができる。
少し順番が後ろに行った時のことだ。クラスが少しざわつくのだった。主にそのざわつきは女子から発せられたものだ。その自己紹介をしている者はイケメンだった。
……なるほどなー。女子とは現金なものだ。そして、「冒険者をやっています」と言い出す。
(職業を話す流れは完全に断ち切れたと思ったんだけどな……)
職業は「勇者」と言うのだった。正直職業を詐称しても問題がないが、困るのはそのパーティーを組んでいるものだ。俺には関係がない。残っている人たち、職業下位互換の人たちの自己紹介が始まった。
下位互換なことから、あまり盛り上がることはない。最大の驚きは勇者に固定されている。その下位互換が出たところで勇者以上の驚きは生まれない。
(勇者の後に話すとか、地獄だろうな……)
せめて勇者は最後でしょ。勇者に職業のインパクトで勝つことができるのは、魔王とか悪魔だろう。
勇者のインパクトにより全ての注目を攫った勇者くん。その近くにクラスのほとんどの人が集まっている。そして、全員から放たれる言葉は一緒にダンジョンに行こう。と言うものだ。
まるで砂糖に群がる蟻のようだ。気持ち悪い。甘い汁だけを吸いたいだけだろう。優しいのか、それとも肉壁にするのが目的なのかわからないが、そのダンジョンに一緒に行くと言う案を許諾している。
「あれにはなりたくないな」
ついつい、心の声が表面上に現れるのだった。普通に考えて気持ち悪さが勝ってしまう。後から困ったことになりそうだな。現に、一人の許可をすればなし崩しに、私もと声を荒げている。
「そう思う」
うっすらと同意の声が聞こえる。まあ、気のせいだろう。勇者がクラスメイトになったというハプニングはあったが、明日から三連休だ。ラッキーだ。さらにもう帰って良いらしい。
どうせ、勉強をしなくても良い点は取れるし、ダンジョンに潜りに行くのは決まっている。宿題は夜にすればいいか。急いで家に帰り、宿題をし、さっさと眠りについた。
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