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第十二話【大丈夫】中
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「すみません!ご主人様、こちらを開けてはいただけないでしょうか?」
「邪魔すんな!」
「邪魔など、とんでもない。そちらの子ではご主人様のご希望に添えないと思うので、代わろうと思いやってきました」
「はぁ?」
そう言えば、ドアが開いた。俺の顔を確認し、横柄に笑ったDomの男は首だけで入ってくるように促した。
「受け入れてくださりありがとうございます。失礼します」
この店のスタッフの一人であるように丁寧にふるまい、中へと入る。
入ってすぐ、はりつけにされている子の様子を確認する。モニター越しではわからなかったけど、口をふさがれているだけとは思えない乱れた呼吸に小刻みに震えている身体、サブドロップに陥っているのだろう。このままだと危険だ。
「で、てめぇが代わるってどういうことだ」
「そちらのSubではご主人様のPlayについていくことはできないようなので、代わりに自分をいじめていただければと思います」
「へぇ、じゃあてめぇは耐えられるのか?」
「見た目通り、自分は頑丈なのでご主人様のお望みのままに痛めつけていただきたいと思います」
口調は丁寧に、目線は挑発的に、加虐思考が強いDomには効果があるはずだ。
「いいだろう」
「では、その子は外へ。ご主人様の関心がそちらに移るのが嫌なので…」
「全部一人で受けるってことか、いい根性だ」
ターゲットを俺に移すことに無事成功し、1人で歩くことも動くこともできなくなっていた子は部屋の外へと放り出すように出された。
(あと頼む)
きっと今頃他のスタッフに保護されているはずだ。
「Strip!」【脱げ】
こちらのことなど何も考えてはいないグレアと共に、怒鳴るようなコマンドを受け俺は服に手をかけた。
先ほどの子と同じように張り付けられるだろうと思った俺は、今風呂に張られた水の中へと顔をうずめられている。
「ガボッガボッ…」
暴れて抵抗しないように、四肢は縛られも動かすこともかなわない。
それでも、咄嗟に息を吸い込み呼吸を止めたから少しは耐えられるはずだった。顔をつけた瞬間に背中を叩かれる事さえなければだけど…。
「さっき生意気な態度とったお仕置き」
生意気な態度なんかとった覚えはないのに、男はそう言い俺が顔を上げないように両手で体重をかけてくる。
正直、キツイなんてもんじゃない。閉じることのできない鼻からも、空気が吐き出された咄嗟に少しだけ開いてしまった口からも水が入り込み気管にも入り込む。
「ガハッ!」
「ほら、もう一回」
一度顔を上げられ、息を吸おうとした瞬間に再び沈められた。閉じるのが間に合わなかった口はすぐに水で満たされる。
(ヤバイ、ヤバイ)
頭の中で警報が鳴り響く、命の危険さえ感じる行為だ。すぐにセーフワードを使い止めなくてはならないのに、水につけられたままでは声をだすこともかなわない。
サイコパス、そんな言葉が頭に浮かぶ。それでも、本人はPlayに入る前にちゃんとセーフワード確認していた。それがいっそ質が悪い。
「グハッァ…はぁはぁ…」
やっと解放され、俺は床へと転がされた。大量に入った水が呼吸をするたびに口から吐き出される。
「苦しそうだな、手伝ってやるよ」
そう言われた瞬間、腹を足で圧された。
「グェッ!!」
瞬間、耐え切れない圧迫に口から水と共に今日食べた物が吐き出される。
(美味しかったのにもったいない)
まともな呼吸などできないまま、どこか冷静に吐き出してしまった物を見る。今日パーティー会場で出されて食べすぎるぐらいに食べていた物は無残な姿になっていた。
「なんか言うことあんだろ?」
「はぁ…ありが…とうござい…ます」
そう必死に答えれば、今度はグイっと縛られたままの腕を掴まれた。動かすこともままならない身体を男は引きずって行こうとしている。
「てめぇ重ぇな。歩けよ」
舌打ちと共に言われ、棒へと縛られたままの両足で歩くことを強制された。
ここで休むとまた水に沈められるかもしれない、俺は震える足で立ち上がった。おぼつかない足を動かし、X字のはりつけへ移動する俺を男は問答無用でせかすように引っ張る。
(あの子は多分されてない)
チラッと確認しただけだけど、髪は濡れてなかったし、俺以外があんな目にあった形跡もなかった。この死の危機を感じる行為をあの子はされていないはずだ。それをよかったと思ってしまうのは、俺にまだ余裕があることの表れだろう。
(大丈夫、まだいける)
留守にしたオーナーもすぐに帰ってくるだろう、そうすればもう終わる。
やっとのことで張り付け台へとつき、手首を縛っていた縄が外された。力加減などされずにギチギチに縛られていた手足はくっきりとした痕が残っている。
そして今度は貼り付け台についた手錠と足かせが俺の自由を奪う。
(ヤバイ!)
それに気づいたのはしっかりと固定されてからだった。さっきの子が背中向きだったのに対し、俺は男と向かい合うように固定されていた。
「こっちの方がしっかり顔がみれるだろ」
背中に比べ前面は柔らかい部分が多く、局部にも当てやすい。鞭の動きによって顔にも当たる可能性がある為普通は背中に当てるのが一般的だ。
「Look」【見ろ】
どす黒く突き刺すようなグレアと共に、コマンドを使われ抵抗することもできず俺は男をみた。
「言うことあんだろ」
「ご主人様の鞭をください」
「よし、たっぷり味わえ」
その後はもう、正しく拷問だった。完全にコントロールができていない一本鞭は、俺の胸だけでなく乳首や顔に当たり、挙句に一度試してみたかったという言葉と共に局部にまで振るわれた。
歯を食いしばり耐えると、面白くないらしく更に、皮膚を鞭が破く。
この部屋に備え付けられている道具は、スタッフの身体に配慮された物ばかりだから、この鞭はきっと男が持ち込んできたのだろう。
「ヒギャッ!!」
赤い後を通り越し、血を流す傷を更に鞭がえぐり、それでも顔をそらすこともできないまま俺はその時間が終わるまで耐えた。
「邪魔すんな!」
「邪魔など、とんでもない。そちらの子ではご主人様のご希望に添えないと思うので、代わろうと思いやってきました」
「はぁ?」
そう言えば、ドアが開いた。俺の顔を確認し、横柄に笑ったDomの男は首だけで入ってくるように促した。
「受け入れてくださりありがとうございます。失礼します」
この店のスタッフの一人であるように丁寧にふるまい、中へと入る。
入ってすぐ、はりつけにされている子の様子を確認する。モニター越しではわからなかったけど、口をふさがれているだけとは思えない乱れた呼吸に小刻みに震えている身体、サブドロップに陥っているのだろう。このままだと危険だ。
「で、てめぇが代わるってどういうことだ」
「そちらのSubではご主人様のPlayについていくことはできないようなので、代わりに自分をいじめていただければと思います」
「へぇ、じゃあてめぇは耐えられるのか?」
「見た目通り、自分は頑丈なのでご主人様のお望みのままに痛めつけていただきたいと思います」
口調は丁寧に、目線は挑発的に、加虐思考が強いDomには効果があるはずだ。
「いいだろう」
「では、その子は外へ。ご主人様の関心がそちらに移るのが嫌なので…」
「全部一人で受けるってことか、いい根性だ」
ターゲットを俺に移すことに無事成功し、1人で歩くことも動くこともできなくなっていた子は部屋の外へと放り出すように出された。
(あと頼む)
きっと今頃他のスタッフに保護されているはずだ。
「Strip!」【脱げ】
こちらのことなど何も考えてはいないグレアと共に、怒鳴るようなコマンドを受け俺は服に手をかけた。
先ほどの子と同じように張り付けられるだろうと思った俺は、今風呂に張られた水の中へと顔をうずめられている。
「ガボッガボッ…」
暴れて抵抗しないように、四肢は縛られも動かすこともかなわない。
それでも、咄嗟に息を吸い込み呼吸を止めたから少しは耐えられるはずだった。顔をつけた瞬間に背中を叩かれる事さえなければだけど…。
「さっき生意気な態度とったお仕置き」
生意気な態度なんかとった覚えはないのに、男はそう言い俺が顔を上げないように両手で体重をかけてくる。
正直、キツイなんてもんじゃない。閉じることのできない鼻からも、空気が吐き出された咄嗟に少しだけ開いてしまった口からも水が入り込み気管にも入り込む。
「ガハッ!」
「ほら、もう一回」
一度顔を上げられ、息を吸おうとした瞬間に再び沈められた。閉じるのが間に合わなかった口はすぐに水で満たされる。
(ヤバイ、ヤバイ)
頭の中で警報が鳴り響く、命の危険さえ感じる行為だ。すぐにセーフワードを使い止めなくてはならないのに、水につけられたままでは声をだすこともかなわない。
サイコパス、そんな言葉が頭に浮かぶ。それでも、本人はPlayに入る前にちゃんとセーフワード確認していた。それがいっそ質が悪い。
「グハッァ…はぁはぁ…」
やっと解放され、俺は床へと転がされた。大量に入った水が呼吸をするたびに口から吐き出される。
「苦しそうだな、手伝ってやるよ」
そう言われた瞬間、腹を足で圧された。
「グェッ!!」
瞬間、耐え切れない圧迫に口から水と共に今日食べた物が吐き出される。
(美味しかったのにもったいない)
まともな呼吸などできないまま、どこか冷静に吐き出してしまった物を見る。今日パーティー会場で出されて食べすぎるぐらいに食べていた物は無残な姿になっていた。
「なんか言うことあんだろ?」
「はぁ…ありが…とうござい…ます」
そう必死に答えれば、今度はグイっと縛られたままの腕を掴まれた。動かすこともままならない身体を男は引きずって行こうとしている。
「てめぇ重ぇな。歩けよ」
舌打ちと共に言われ、棒へと縛られたままの両足で歩くことを強制された。
ここで休むとまた水に沈められるかもしれない、俺は震える足で立ち上がった。おぼつかない足を動かし、X字のはりつけへ移動する俺を男は問答無用でせかすように引っ張る。
(あの子は多分されてない)
チラッと確認しただけだけど、髪は濡れてなかったし、俺以外があんな目にあった形跡もなかった。この死の危機を感じる行為をあの子はされていないはずだ。それをよかったと思ってしまうのは、俺にまだ余裕があることの表れだろう。
(大丈夫、まだいける)
留守にしたオーナーもすぐに帰ってくるだろう、そうすればもう終わる。
やっとのことで張り付け台へとつき、手首を縛っていた縄が外された。力加減などされずにギチギチに縛られていた手足はくっきりとした痕が残っている。
そして今度は貼り付け台についた手錠と足かせが俺の自由を奪う。
(ヤバイ!)
それに気づいたのはしっかりと固定されてからだった。さっきの子が背中向きだったのに対し、俺は男と向かい合うように固定されていた。
「こっちの方がしっかり顔がみれるだろ」
背中に比べ前面は柔らかい部分が多く、局部にも当てやすい。鞭の動きによって顔にも当たる可能性がある為普通は背中に当てるのが一般的だ。
「Look」【見ろ】
どす黒く突き刺すようなグレアと共に、コマンドを使われ抵抗することもできず俺は男をみた。
「言うことあんだろ」
「ご主人様の鞭をください」
「よし、たっぷり味わえ」
その後はもう、正しく拷問だった。完全にコントロールができていない一本鞭は、俺の胸だけでなく乳首や顔に当たり、挙句に一度試してみたかったという言葉と共に局部にまで振るわれた。
歯を食いしばり耐えると、面白くないらしく更に、皮膚を鞭が破く。
この部屋に備え付けられている道具は、スタッフの身体に配慮された物ばかりだから、この鞭はきっと男が持ち込んできたのだろう。
「ヒギャッ!!」
赤い後を通り越し、血を流す傷を更に鞭がえぐり、それでも顔をそらすこともできないまま俺はその時間が終わるまで耐えた。
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