ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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 配信者として人気が出始めた『アキラちゃんねる』。
 この日は大事件が起こっていた。

「た、大変です!」

 大声を上げる花子。

「ど、どうした!?」

 驚くアキラに、花子は震える手でスマートフォンの画面を見せる。

「ん? 『アキラちゃんねる』のSNSかな? SNSはあまり詳しくないんだけど……」

「……いま、DMが届いたんです!!」

「D……M……?」
 SNSに詳しくないアキラに呆れる花子。

「……チッ! DM! ダイレクトメールです! SNS上のメールみたいなもんです!」

「え? 舌打ち!? 怖っ…… それで、なんのメールだったの?」

「なんと……企業案件でした!」

「き、企業案件!?」

「そうです! 『ダンジョン製薬』という会社から企業案件が来ました!」

「えぇ!? す、すごい! 企業案件って……商品の紹介をすると、企業からたんまり紹介料でお金をもらえるというアレか!?」

「はい! 配信者の収入は動画での広告、チップ収益、そして企業案件です!」

「うおぉおお! やったーーーッ!」

 企業案件、それは配信者やインフルエンサーが企業の商品などの紹介・宣伝をすることで、金銭をもらえる。
 大手配信者になると、一件で数百万円の収入になることも珍しくはない。

 大喜びの二人。
 始めたばかりの『アキラちゃんねる』だが、最近のバズり具合を見て、案件が飛び込んできたのだった。

「やりましたねーっ! まさかこんなに早く案件が来るなんて!」

「やったね! 確かに我ながら、最近の配信は手ごたえを感じていたんだよ!」

「ふふふ、私が立て替えてる機材の借金も早く返してもらえそうですね……」

「うっ、そうだった……頑張るよ……」
 現実にかえるアキラであった。

「で、この『ダンジョン製薬』ってどんな会社?」

「うーん……調べてみたんですけど、そこまで大きい会社じゃなさそうですね。
 最近のダンジョンブームに乗っかって出来た会社で、薬草やポーションなんかの回復アイテムを取り扱ってるようです」

『ダンジョン製薬』、お手頃価格でダンジョン用の回復アイテムを販売する新米冒険者向けの企業だ。

「なるほどね、まあ俺たちに企業案件を出すくらいの会社なら大手じゃないか……」

「でもすごいことです! さっそく私が担当者と打ち合わせをしますね。
 ふふふ……宣伝費ふんだくってやりますよ!」

「本当、こういう時の花子さんは頼りになるよ……
 それにても、企業案件か……一気に配信者っぽくなってきたね!」

「私がプロデューサーについてるんですから、これくらいは当然ですよ!
 もっともっと企業案件もらって、ガンガン稼いでやるんです!!」

 ガッツポーズを決める花子。

「はは……」
(本当に会社での大人しかった『熊埜御堂さん』とは全然違うな……こっちが本当の性格なんだろうな……)

「でもアキラさん……こう配信が忙しくなってくると、会社も行ってる時間ありませんね……」

「うーん……今日は休日だからいいけど、確かに有給休暇もロクにとれないもんなぁ……」

「……もう辞めちゃいましょうか?」

「な、なに言ってるんだよ! まだ配信始めたばかりだぞ!」

「ふふふ、冗談ですよ!」

 全然冗談には聞こえず戸惑うアキラであった。

 そして、花子は『ダンジョン製薬』との打ち合わせに向かった。
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