ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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 レベル5のダンジョンへ入る『アキラちゃんねる』。

「ゴホン、みなさん、こんばんは! 今日はレベル5のダンジョンへ行ってみましょう!
 今日は昨日ゲットした新アイテムの『鉄の剣』を使ってみましょう!
 さらにヘルメットに装着した小型カメラで僕の視点映像もお楽しみいただけます!」

 ◆コメント欄◆

【名無し お、新しい剣か!】


【名無し 視点カメラはいいね!】


【名無し 臨場感がいいんだよなぁ!】


 花子の提案した視点カメラは好評なようだった。

『アキラさん! 言い忘れました!』
 アキラのワイヤレスイヤホンに花子の声が響く。

『視点カメラが付いたんで、私の方に顔を向けないでくださいね! 顔バレしちゃいますから!』

「そっか……気をつけないとな。次回からは花子さんもヘルメットかぶろうか!」

『ヘルメットですか……うーん、まあそうしましょうか。ちょっとダサくて嫌ですが……』

(人にはヘルメットかぶせて何言ってんだ!)


 ダンジョンを進むと、モンスターが現れアキラに飛び掛かる。

 レベル5のモンスターでも、鉄の剣を装備したアキラの相手にはならない。
 アキラは襲い掛かるモンスターを次々と斬っていく。

「おおっ! 鉄の剣は強い! 木の棒とは切れ味が違いますよ!」

 最低レベルアイテムの木の棒からの進化を感じるアキラであった。

(まあでも……このあたりでやっておくかな……?)
「ぐわぁぁあああ!! 痛いーーっ!」

 モンスターが噛まれる……いや、噛ませるアキラ。

 ◆コメント欄◆

【名無し お……これは……?】


【名無し くるぞ……】


【名無し アキラ劇場開幕か!?】


 這いつくばりながら、アキラはポーションを取り出し、一気飲み。
「ゴクッゴクッ!」

【名無し きたー】


【名無し うおぉぉおおおお!!】


【名無し これが見たかったんだよ!!】

 すっかりポーション系配信者として名が売れたアキラのポーション一気飲みに熱狂するコメント欄。

『素晴らしい宣伝です……アキラさん!』
 アキラのパフォーマンスに涙を流しそうになる花子であった。

 ポーションで回復し、モンスターを斬り刻むアキラ。
 しかし、ここはレベル5だ。今までのダンジョンのモンスターとは一味違った。

 モンスター達は鉄の剣を振り回すアキラに、口から火を吹き攻撃する。

「うわっ! 炎だって!?」

 突然の炎に驚くアキラ、もっとも、黒のヘルメットの防御力のおかげでこれくらいの炎だったらダメージは少ない。
 しかし、モンスターとのバトルに慣れていないアキラは慌てふためく。

『アキラさん! 大丈夫ですよ! ザコモンスターの炎ならダメージはありません!』
 イヤホン越しの花子の声は慌てるアキラの耳に届かない。

「うわあぁぁあああ! も、燃える―――ッ!」

 アキラは火のついた体で暴れまわる。

 その時、アキラはうっかり後ろを向いてしまう。
 当然、ヘルメットについた視点カメラは花子に向く。

 青ざめる花子。
『ア、アキラさん!! ダメぇぇぇえ!!』

 ◆コメント欄◆

【名無し は!?!?! 女!?】


【名無し 女だぁぁぁぁぁ!!】


【名無し うおおおおお!! 美女だぁぁぁああ!!】


【名無し お前……そんな美女がカメラマンだったのか。チャンネル登録解除するわ】


 数回の「バズり」を経験してきた『アキラちゃんねる』だったが、この時のコメント欄の盛り上がりは間違いなく過去イチのものだった。

 花子の顔を映してしまったことに気づいたアキラ。

「し、しまった! さん! 顔を隠してぇえ!!」

『……バカ、花子……って……』
 全ては手遅れだった。

 ◆コメント欄◆

【名無し うおおお、花子ちゃーーーん!!★チップ5000円】


【名無し 花子さん、ずっとファンでした★チップ20000円】


【名無し 美人過ぎるわ……★チップ40000円】


 またしてもミスを重ね、花子の名前を呼んでしまうアキラ。

 止まらないコメント、投げられ続けるチップ。

『アキラさん……とんでもないことしてくれましたね……』
 顔と名前を全世界に配信された花子、その声は怒りに満ちていた。
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