ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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「さっそく配信しましょう! と、言いたいところですが……私はこれからアルバイトなんですわ。
 ダンジョンは明日から使わせてもらいますわね!」
 残念そうなまどか。

「お-、今日もアルバイトか……頑張るね。まどかちゃんはなんのアルバイトしてるの?」
 アキラが何気なく質問をすると、食い気味に花子がしゃべり出した。

「……はっ! ま、まさか、最近流行りのパパ活というやつでは……!?」
 花子が嫌そうな目でまどかを見る。

「失礼ねッ! そんなことするわけないでしょ! 普通の居酒屋よ!
 まったく、このおばさんは……そんなことばっかり考えてるのね! どんだけ性欲溜まってるの! 性欲魔人なの!?」
 まどかは呆れたように言い放つ。

「くっ! せ、性欲魔人!? この小娘……!」
 花子は顔を真っ赤にする。

「じゃあ今日は失礼しますわ。明日の夜、またおじゃまします」
 そう言い、まどかはアルバイトに向かった。

 ◇

 嵐が過ぎ去ったようなアキラの部屋。

「はぁ……疲れたね」

「ええ……あれが若い力なんですかね?」

「俺のせいでこうなっちゃって申し訳ないけど、まどかちゃんとも上手くやっていこうね……」

「はい。大丈夫ですよ。生意気なクソガキですけど……きっと悪い子じゃないと思います。育ちの良さも伝わってきます……
 ダンジョンのことも詳しいしだろうし、配信者としてはライバルですけど、こっちが利用してやりましょう!」

「うん、よろしくね!
 さて……まどかちゃんのことはそれくらいにして……そろそろ俺たちもヤろうか?」

「ヤ、ヤろうか!? そ、そんな……私……アキラさんは良きパートナーですが……その」
 顔を赤くし、慌てる花子。

「あの……ごめん。新アイテムも買ったし、そろそろ配信をヤろうか? って」

「あ、ああ……そうですよね。わ、分かってますよ!」
 花子は顔を赤くし怒り出す。

「はは……」
 アキラは、まどかが花子に言った 性欲魔人という言葉を思い出していた。

 ◇

「さて、新アイテムを装備してっと……うん! やっぽり盾カッコいいな!」
 新アイテムの『銀の盾 レア度★★★☆☆』、『鋼の剣 レア度★★☆☆☆』を持つアキラはご満悦だった。

「お! いいですね、『ダンジョン冒険者』って感じがしますよ!」
 花子は『スピードの指輪 レア度★★☆☆☆』を装備する。

「さあ! 行こうか!」

 アキラと花子は引き出しに入る。
 ハシゴを下り、ロビーに着くとここからは異世界のダンジョンだ。

「わ! なんか体が軽いですよ!? これが『素早さの指輪』の効果なんですね!」
 装備品の能力が発揮されるのはダンジョン内だけだ。

 辺りを俊敏に動き回る花子。
「どうですか? 速くないですか?」

 普段は運動神経が悪く、俊敏という言葉とは縁のない花子だったが、軽やかに飛び跳ねる。

「おー、速い速い!」

「ふふふ、今なら私……反復横跳び世界記録出せそうです!」
 嬉しそうに左右にピョンピョン跳ねる花子であった。

「ふむ……あの花子さんでもあのスピードか……俺も欲しいな……」

「『あの花子さん』……?」
 花子はアキラを睨みつける。

「い、いえ……なんでも」
 最近、花子が怖くなってきているアキラであった。

 新アイテムの調子は良さそうだ。

「よし、じゃあカメラ回すよ?」

「はい! ……なんか……昨日も配信してたのに久しぶりのような気がしますね……」

「たしかに……今日は色々あったからね……」
 新アイテムの買い物、まどか襲来と忙しい一日だった。

 召喚獣のカブトムシ・ドローン・カメラを召喚し、配信を始める。

「ゴホン……みなさん! こんにちは! 『アキラちゃんねる』です」
「こんにちはー、私もいまーす!」

 ヘルメットのアキラとマスクの花子は今日も配信を始める。
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