ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

文字の大きさ
56 / 182

56

しおりを挟む
 配信を終え、部屋に戻ってきた3人。

「ふう……撮影ありがとうございましたわ。おかげでいい配信が出来ました」
 一仕事終えた まどかはヘルメットを脱ぎ、汗を拭きながら言う。

「よかったら、今後も『まどかチャンネル』のカメラマンとして雇って差し上げてもいいですわよ? フフッ」

「クッ! ……このガキィ!! アキラさん! 私たちも今すぐダンジョンへ行きましょう!」

「ま、まあ落ち着いて花子さん……」

「ダメですよ! まどかちゃんの配信を見てたでしょ? このままじゃ……『アキラちゃんねる』は喰われますよ!」
 大盛況だった『まどかチャンネル』を見た花子は荒れていた。

「ふふふ、私の恐ろしさが今頃分かったようですわね! さて、今日のチップで新しい武器でも買いに行こうかしら?」
 大量のチップとチャンネル登録者を得たまどかは余裕の表情。

「キーッ! 行きますよ、アキラさん! さあ早くヘルメットを被って!」
 アキラに無理やりヘルメットを被せる花子。

「ちょ、ちょっと……って、このヘルメットはまどかちゃんの……!」

 それからというもの『アキラちゃんねる』と『まどかチャンネル』は競い合うように配信を続け、お互いチャンネルを成長させていった。

 ◇

 数週間後

 アキラと花子は貯まったダンジョンアイテムを売りに行こうと町へ出る。

「髭モジャ店長は元気かな?」

「久しぶりですね。何個か集まった強化石のことも聞いてみましょう」

「アイテムショップは初めてですわ! 楽しみです」

「……って、なんでアンタも付いてくるのよ?」
 まどかを睨みつける花子。

「う、うぅ……私、お買い物は1人で行ったことがありませんので……」

「チッ! これだから箱入り娘は困ったもんですよ」

「い、いいじゃないか。たまには3人で! ねっ?」

「ふん、アキラさんはいつもまどかちゃんに甘いんだから!」
 ふてくされる花子。

 アキラと花子、そして付いて来たまどかの3人は前回アイテムを買った、髭モジャ店長の古アイテムショップへ向かう。


「ここが俺たち行きつけのアイテムショップだよ」
 アキラは来店2回目の行きつけ? の店をまどかに紹介する。

「ここ……ですか。なんというか、思ったより汚……趣のある……コンパクトなお店ですわね……」
 古アイテムショップの外観を見て言葉に詰まるまどかであった。

「ここより、アッチの大きいアイテムショップがいいんじゃありませんか……?」

「……アッチの店はね、最悪なのよ! 思い出しただけで腹が立ってくるわ!」
 大型店舗での失礼な接客を思い出し、イラつく花子。

「はは……で、でもここはいい店なんだよ?」

 アキラが古アイテムショップの扉を開くと、店内から声が聞こえる。

「あれ? 今日はお客さんがいるみたいですね?」
 花子は中を覗き込む。カウンターで数人の客が髭モジャ店長と何やら話し込んでいるようだ。

「そうみたいだね。狭いお店だし、ちょっと外で待ってようか?」


 店の入り口で待つ3人。

『お願いしますよ。あなたに協力をお願いしたいんです』
『しつけェなぁ! とっとと出ていけ!』

 店内の何やら揉めているような会話が聞こえ漏れる。

「……なんでしょうね?」

 しばらくして客が出てくる。
 スーツを着た数人の男たちは困ったような表情で店をあとにする。

「うーん……こんな店に似つかわない客だね……さ、行こうか」


「おーっ、久しぶりだな! 生きてたか!」
 3人が店に入ると前と同じような豪快なあいさつで迎え入れてくれる店長。

「お久しぶりです」

「お、嬢ちゃんもまた来たのか! あぁ? そのガキは初めてか?」
 店長はまどかをジロリと見る。

「は……はじめ……まして……」
 声と体の大きい、髭モジャ店長に怯えているまどか。おそらくお嬢様の彼女の人生で初めて会うタイプの人種なのだろう。

「んー? ボウズ、やるじゃねェか! また女を仲間に入れたのか?」

「ち、違いますよ!」
 慌てて否定するアキラ。

「で、どっちがお前の本命なんだ?」

「……まったく、相変わらず下品なおっさんね……この子も私たちと同じダンジョン配信者よ」
 花子は店長に言う。

「なに? このガキも? かーっ! 嫌だねェ、どいつもこいつも配信者か!」

「ひっ!」
 店長の言動ひとつひとつに怯えるまどか。

「このガキもあれか? 最近流行りのスカートをヒラヒラさせてパンツでも見せて配信してんのか? ガッハッハッハ!」

「サイテーね……このおっさんは……」

「カエル……カエリタイ……」

 呆れる花子と涙目になるまどかだった。

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

処理中です...