ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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 まどかの新しい剣も決まりひと段落した3人。

「そういえば店長、売るつもりは無いんですけど、強化石も買い取りってやってるんですか?」
 もちろん、アイテムをパワーアップさせるために必要な強化石を売る気はないがアキラが店長に尋ねる。

「あー、強化石ねェ……買い取れるけど安いぞ?」

「え? 安いんですか?」
 意外な返事が返ってきた。

「うーん、強化石自体は人気のアイテムなんだよ。それこそトップ冒険者たちはもっと上のレベルに行くため、アイテムに強化石を使ってパワーアップさせることに血まなこになってるぜ!
 しかし、問題があってな」

「問題?」

「ああ、前に店で買うアイテムより、自分自身でダンジョンガチャで手に入れたアイテムの方が強くなるって話はしたよな?」

「はい……」

「えぇ? そうなんですかっ!?」
 新しい剣をたった今買ったまどかは驚き、店長を睨みつける。

「ガッハッハ! 大丈夫、嬢ちゃんの使ってるアイテムくらいじゃ大差は無い。上級ダンジョンで強いモンスターと命のやり取りをしてるトップ冒険者くらいじゃなきゃ店で買うアイテムで十分だ!」

「ほ、本当ですの……?」
 疑いのまなざしを店長に向けるまどか。

「その目をやめろ! スポーツのトップアスリートはオーダーメイドの道具を使うが、趣味でスポーツをやってるやつは店で売ってる道具で十分だろ? それと同じだ」

「そうですか……」
 しぶしぶ納得する。

「で、話を戻すが、強化石もさっきの話と同じだ。自分で手に入れた強化石を使って、錬成したアイテムの方が強くなるって噂だ」

「なるほど……アイテムも強化石も自力で採らなきゃ上には行けないんですね……」

「ああ、本当にダンジョンってのは不思議なもんだ。まだまだ解明されて無いことばかりさ。
 だがお前ら、これがどういう意味か分かるか?」
 店長はニヤリと笑う。

「え? 自力でアイテムや強化石を集めないとトップ冒険者にはなれない……?」

「そう、つまりいくら金持ちだろうが、運動神経抜群の奴だろうが、自分でダンジョンでコツコツ戦わないと強くなれねぇってことよ」

「なるほど……」

 ダンジョンができた頃、世界中の金持ちが資金にものを言わせダンジョンを冒険していた。
 当時の最高の武器、防具を使って無双していたが、あるレベルを超えるとその金持ち冒険者たちは歯が立たなくなったという。

「……あの、つまり毎日毎日ダンジョンへ行って、アイテムや強化石を自力で集めれば……トップ冒険者になれる……と?」
 花子は店長に聞く。

「そりゃ毎日行けばレアガチャを引ける確率も上がるからな! しかし、一般人じゃ毎日は厳しいだろ? 数十回、数百回に一回、アイテムガチャでレアアイテムが出ても赤字だ。強化石だってそんなに多くは出ないしな」

「……なるほど!」
 3人は顔を見合わせて笑った。

「な、なんだお前ら!? それにしてもお前らもよくダンジョンに行ってるみてェだけど、金の使いすぎは気をつけろよ? ある意味ギャンブルみてェなもんだ」

「は、はい……そういえば店長ってダンジョンには行かないんですか?」
 屈強な体でこれだけダンジョンに詳しい店長だ。当然行っているだろうとアキラは聞く。

「あー……若い頃は少しな。最近は行ってねぇよ」
 途端に店長の声のトーンが下がる。

「若い頃? 店長さんって50歳くらいですわよね?
 若い頃と言うと……店長さんはダンジョン・ファースト・ジェネレーションってやつですわね!」

「ダ、ダンジョン・ファースト・ジェネレーション!? なんだそれ、意味は分からんがカッコいいじゃねェかっ!」

「ははは……元気になってよかった。
 あっ! あと俺たちが店に来た時のスーツの男達はなんですか?」
 アキラたち3人が来た時、店長と揉めていたスーツの男を思い出す。

「ああ? なんでもねぇよ!」

「どうせあれでしょ? 借金取りとかじゃないですか?」
 ムスッっとしながら答える店長に花子が言う。

「バ、バカヤロウ! 借金なんかねぇよ!
 ほら、用がすんだらとっとと帰りな!」

「はは……店長、今日は色々とありがとうございました。また来ます! それまでに強化石を使うに相応しいアイテムを自力で手に入れますよ!」 

「あ、ありがとうございました」
 まどかは深々と頭を下げる。

「おう! 今度は良いアイテム売りに来てくれや!」

 こうして3人は店を後にする。

 アキラ達のこれからの目標が決まった。
 配信者としての活動はもちろんだが、ダンジョンガチャで一生モノのレアアイテムを手に入れること、そして強化石を集めることだ。
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