ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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 ホールは中も立派な作りだった。
 集められた冒険者は100名近くいるようだ。

「あッ! アキラさん! 見てください。あの人有名な冒険者ですよ! あっ、あの人も最近人気の配信者です! エーッ! あの人までいる! サイン貰えないかしら……?」
 ダンジョンオタクの花子は周りをキョロキョロし、大騒ぎしている。

「……花子さん、意外とミーハーなんだね……」
「花子姉さん……恥ずかしいので、少し静かにしてください……」

 しばらくすると、黒いスーツを着た男たちが現れた。

「お? あの人たちが運営の人かな?」
「そうみたいですね。なんか……前に髭モジャ店長のお店で見たような人たちに似た雰囲気ですね」

 1人のスーツを着た男が話し出す。
 50歳前後の焼けた肌で高い身長、屈強な体、間違いなく一般人ではないだろう。
「ん? あの人……どこかで見たことあるような……?」
 花子がつぶやく。

「皆さん。お集まりいただきありがとうございます。
 冒険者研修の責任者を務めます、虎石ジュンジです」

「と、虎石ジュンジ!?」
 驚く花子。会場がザワつく。

「花子さん、虎石って……確か……」
「はい。虎石さんは世界で初めてレベル50のダンジョンをクリアしたパーティーの隊長だった人です!
 もう現役を引退してますが、虎石さんの戦いっぷりは今でも多くのファンがいます!」
 目を輝かせるダンジョンオタクの花子であった。

「……解説ありがとう。なるほど、元トップ冒険者が今日の研修を仕切ってるんだね」

 虎石は話を続ける。
「みんなに集まってもらったのは他でもない、既に噂が流れていて聞いたことある者も多いかもしれないが、この度『ダンジョン省』と言う新しい政府の組織ができた。
 私はそこの責任者をやっている」

「おー、噂のダンジョン省ってのは本当だったんだね」

 虎石の話はこうだった。
 ダンジョンができて30年、今までは趣味やアクティビティーの1つとして楽しまれてきたダンジョン。
 近年の盛り上がり、注目度の高さから、レベルの高い冒険者の管理や教育をし、『政府公認冒険者』という制度を設けるために作られた組織と言うことだ。

 しかし、今まで自由に冒険してきた冒険者たち、政府に管理などされたくない者もいた。

「おいおいオッサン! 俺たちは冒険者だぜ? お前らなんかに管理されてたまるか!」
 全身刺青だらけの冒険者は虎石に暴言を吐く。

「くっ! あいつ、虎石さんになんてことッ! 許せません」
「……は、花子さん、落ち着いて!」

「ははは、もちろんそれは分かっているよ」
 暴言も笑い流す虎石。

「知っている者もいるかもしれないが、俺も元々冒険者だ。冒険者っていうのは自由を求めるもんだ。それくらい俺にだって分かるさ。
『政府公認冒険者』は強制じゃない。今まで通りフリーで活動してもらっても構わない。
 とりあえず今日の研修を受けて決めてくれればいい」

「……そういうことか。俺たちはどうしようね?」
「うーん、まあ虎石さんの言うように、今日の研修が終わってから考えてみましょう?」

「それに……『政府公認冒険者』になれるのはこの中でも数名だろう……」
 虎石はそう続けた。

「え……?」

 不穏な雰囲気が流れる中、冒険者研修は始まった。
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