ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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 無事、勝利を収め帰ってきたまどか。

「はぁ……疲れました。人間相手だと色々と気を使いますね」
「すごい戦いだったよ」
「かっこよかったわよ! まどかちゃん!」

 さすがの天才少女も、初めての人間との戦いに疲れたようだ。

 ◇

 続いて花子の番号が呼ばれる。
「うぅ……行ってきますね」
「気をつけてね。花子さん」

「まどかちゃんの相手が弓矢使いでしたし、対戦相手がまた魔法使いとは限らないんですかね?」
「そうだね……まあ冒険者は剣を使う人が多いから」
 周りを見渡すと、確かに半数以上の冒険者が剣を持っている。

「嫌だなぁ……人と戦うのはもちろん、剣使いとなんて戦ったことないですからね……」
 花子は不安そうにダンジョンへと入っていた。

「大丈夫ですかね? 花子姉さん……」
「うーん、まあ『炎帝のブレスレット』があるからね……心配はいらないと思うけど。いや、相手の命が心配か……」

 ◇

 闘技場に立つ花子、対戦相手は金髪でセクシーな格好をしたギャル冒険者だ。
「何をこのバカそうなギャルは……」

 そして、嫌な予感は的中した。
 相手は巨大な剣を持っている。アキラやまどかの剣の数倍の大きさのある大剣だ。
「げっ!? ほんとに剣使いじゃないの!」

「あら? 珍しいわね、女なんて」
 対戦相手のギャルが言う。

「よ、よろしく……」
 派手なギャルを相手におとなしくなる花子だった。

「ふふ、なんかアンタ……顔はそこそこ可愛いけど……地味な女ね。オタサーの姫感があるわね!」
 ギャルは馬鹿にしたように笑う。

「オ、オタサーの姫!? あ、あんたねぇ!!」

「それでは始め!」
 2人が言い合いをしている中、試合は始まった。

 ◇

「……なんか、花子さん喧嘩してる……?」
「花子姉さん……集中して!」
 スクリーンを眺めるアキラとまどか。

 ◇

「くそ! 許さん!」
 怒りに震える花子。すぐに飛びかかってくるだろうと炎魔法の準備をする。しかし相手は動かない。

 ギャルは大剣を構え、近づくものを長い大剣でなぎ払おうとしているようだ。

「……なに? こないの?」
 困惑する花子。
 武器を使う冒険者は接近戦を好む。
 特に魔法使いの花子相手なら、距離を取らずすぐに飛びかかってくるのがセオリーだが……

「ふふふ、かかってこい! 私の大剣はどんな攻撃も切り刻んでやるわ!」
 対戦相手はドッシリと構えている。

「なるほど……私の魔法をその大剣で防ごうってことね……舐められたものね!」
 花子は相手に手のひらを向ける。

「くらいなさい! ビッチ!」
 一次予選とは違い、今回は魔力を抑えられていない。
 フルパワーの魔法は花子の体が耐えられない。
 若干加減しながら、炎魔法を撃つ。

『ゴゴゴ……』
 加減したとはいえ、『炎帝のブレスレット レア度★★★★★』を装備した花子の攻撃は規格外だ。

「……は? デカ過ぎない!?」
 ギャルは慌てる。迫り来る巨大な火球、まともにくらったら一撃でアウトだ。
 しかし、彼女もここまで残った冒険者。
 花子の魔法を冷静に見極める。

「はあっ!」
『ザンッ!』
 火球を大剣で真っ二つに斬る。

「そ、そんな!」
 花子にとって『炎帝のブレスレット』が初めて破られた瞬間だった。
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