104 / 182
104
しおりを挟む
虎石は合格者たちに驚くべき話を始めた。
最近、この世界にモンスターが現れ始めたこと。
現在報告されたモンスターはレベルの低い弱いモンスターばかりで、大きな問題にはなっていない。
しかし、一番初めの通報の時と比べると、少しづつだがモンスターのレベルが上がっているようだ。
このままだといずれ、もっと強いモンスターが現れるかもしれない。
高レベルダンジョンのモンスターは警察や自衛隊でも太刀打ちするのは難しい。
「そんなことが起こっていたのか……」
「信じられませんね。モンスターは異世界でしか生存できないっていうのが、今までの通説だったんですけれども……」
「そこで万が一の『モンスター災害』に備え、ダンジョン省が作られ、私やここにいるメンバーが協力している。
自分で言うのもなんだが、ここにいる冒険者は皆、歴戦の戦士たちだ」
人類初のレベル50ダンジョンクリアの虎石ジュンジ、そのパーティーの戦士 髭モジャ店長こと金剛寺ユウキ、そして同時期に活躍していた今では老人だが、最強剣士の柳生イッセイ。
その他のメンバーもダンジョン好きなら1度は見たことある顔ぶれだ。
「……引退した今でも、最強パーティーになりそうなメンバーだな」
「そして、今ここに残っている君たちも我々の仲間だ。
異世界でしか生きられないモンスターが人間界に現れた。
詳しい事はまだ分からないが、異世界と人間界の違いがなくなってきている。
つまり、ダンジョンでしか使えないダンジョンアイテム、魔法や召喚獣がこの世界で使える日が来るのかもしれないと言う事だ」
「それって……この世界でも能力アップアイテムや、魔法が使えるようになるかもしれないってこと!?」
「ええ……信じられません……でも、モンスターが現れたって事はそういうことなのかもしれませんね」
ダンジョンアイテムはダンジョン内でしか使えない。
『ドラゴンの剣』をダンジョンの外に持ってきても、特別切れ味が良いわけでなく、ただの刃物として使うことができるが、召喚獣や魔法は使えない。
スピードアップのアイテムを装備しても、人間界では速く動けるということはなかった。
「そこで、もし強力なモンスターが人間界に現れる『モンスター災害』が起こった時には、君たち『政府公認冒険者』に応援を要請することになる。
普段からダンジョンで戦っている君たちなら、ダンジョンアイテムを使って、人間界でもモンスターを倒すことができるだろうと考えている」
「なるほど……つまり……俺たちは異世界から来る、人間界を襲うモンスターを倒すヒーローってわけだ!」
「ちょっと! アキラちゃんねるさん、恥ずかしいことを大声で言わないでください……」
「ま、まあそういうことだな……」
アキラの言葉に虎石も呆れたように言う。
「まあしかし、あくまで念のためだ。
現在はモンスターによる被害はゼロだ。
今の所、畑を荒らすタヌキやキツネみたいな害獣の方がよっぽど深刻な問題だよ。
それに、もしモンスターが現れたら私たちだって戦うつもりだ!」
虎石は力強く言う。
「……あの人たちだけで大体解決できそうだよね……」
会場中の『政府公認冒険者』は皆そう思った。
この会場からは『政府公認冒険者』が10人。
別会場で行われている冒険者研修でも20人ほどが選ばれ、全国で30人ほどの『政府公認冒険者』が誕生したようだ。
虎石は最後に、先ほどの話のモンスターが現れたことは一般人には秘密なこと。
これからは『政府公認冒険者』を名乗り活動し、乱暴な素人冒険者を注意し、模範的な冒険者になること。
定期的な研修があることを伝えた。
「まあ、基本的には今までと変わらない。
冒険者は自由だ。『政府公認冒険者』になってもそれは変わらない!
トレーニングを欠かさずに、もっと強くなれ! 以上だ!」
こうして冒険者研修が終わった。
最近、この世界にモンスターが現れ始めたこと。
現在報告されたモンスターはレベルの低い弱いモンスターばかりで、大きな問題にはなっていない。
しかし、一番初めの通報の時と比べると、少しづつだがモンスターのレベルが上がっているようだ。
このままだといずれ、もっと強いモンスターが現れるかもしれない。
高レベルダンジョンのモンスターは警察や自衛隊でも太刀打ちするのは難しい。
「そんなことが起こっていたのか……」
「信じられませんね。モンスターは異世界でしか生存できないっていうのが、今までの通説だったんですけれども……」
「そこで万が一の『モンスター災害』に備え、ダンジョン省が作られ、私やここにいるメンバーが協力している。
自分で言うのもなんだが、ここにいる冒険者は皆、歴戦の戦士たちだ」
人類初のレベル50ダンジョンクリアの虎石ジュンジ、そのパーティーの戦士 髭モジャ店長こと金剛寺ユウキ、そして同時期に活躍していた今では老人だが、最強剣士の柳生イッセイ。
その他のメンバーもダンジョン好きなら1度は見たことある顔ぶれだ。
「……引退した今でも、最強パーティーになりそうなメンバーだな」
「そして、今ここに残っている君たちも我々の仲間だ。
異世界でしか生きられないモンスターが人間界に現れた。
詳しい事はまだ分からないが、異世界と人間界の違いがなくなってきている。
つまり、ダンジョンでしか使えないダンジョンアイテム、魔法や召喚獣がこの世界で使える日が来るのかもしれないと言う事だ」
「それって……この世界でも能力アップアイテムや、魔法が使えるようになるかもしれないってこと!?」
「ええ……信じられません……でも、モンスターが現れたって事はそういうことなのかもしれませんね」
ダンジョンアイテムはダンジョン内でしか使えない。
『ドラゴンの剣』をダンジョンの外に持ってきても、特別切れ味が良いわけでなく、ただの刃物として使うことができるが、召喚獣や魔法は使えない。
スピードアップのアイテムを装備しても、人間界では速く動けるということはなかった。
「そこで、もし強力なモンスターが人間界に現れる『モンスター災害』が起こった時には、君たち『政府公認冒険者』に応援を要請することになる。
普段からダンジョンで戦っている君たちなら、ダンジョンアイテムを使って、人間界でもモンスターを倒すことができるだろうと考えている」
「なるほど……つまり……俺たちは異世界から来る、人間界を襲うモンスターを倒すヒーローってわけだ!」
「ちょっと! アキラちゃんねるさん、恥ずかしいことを大声で言わないでください……」
「ま、まあそういうことだな……」
アキラの言葉に虎石も呆れたように言う。
「まあしかし、あくまで念のためだ。
現在はモンスターによる被害はゼロだ。
今の所、畑を荒らすタヌキやキツネみたいな害獣の方がよっぽど深刻な問題だよ。
それに、もしモンスターが現れたら私たちだって戦うつもりだ!」
虎石は力強く言う。
「……あの人たちだけで大体解決できそうだよね……」
会場中の『政府公認冒険者』は皆そう思った。
この会場からは『政府公認冒険者』が10人。
別会場で行われている冒険者研修でも20人ほどが選ばれ、全国で30人ほどの『政府公認冒険者』が誕生したようだ。
虎石は最後に、先ほどの話のモンスターが現れたことは一般人には秘密なこと。
これからは『政府公認冒険者』を名乗り活動し、乱暴な素人冒険者を注意し、模範的な冒険者になること。
定期的な研修があることを伝えた。
「まあ、基本的には今までと変わらない。
冒険者は自由だ。『政府公認冒険者』になってもそれは変わらない!
トレーニングを欠かさずに、もっと強くなれ! 以上だ!」
こうして冒険者研修が終わった。
21
あなたにおすすめの小説
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
イレギュラーから始まるポンコツハンター 〜Fランクハンターが英雄を目指したら〜
KeyBow
ファンタジー
遡ること20年前、世界中に突如として同時に多数のダンジョンが出現し、人々を混乱に陥れた。そのダンジョンから湧き出る魔物たちは、生活を脅かし、冒険者たちの誕生を促した。
主人公、市河銀治は、最低ランクのハンターとして日々を生き抜く高校生。彼の家計を支えるため、ダンジョンに潜り続けるが、その実力は周囲から「洋梨」と揶揄されるほどの弱さだ。しかし、銀治の心には、行方不明の父親を思う強い思いがあった。
ある日、クラスメイトの春森新司からレイド戦への参加を強要され、銀治は不安を抱えながらも挑むことを決意する。しかし、待ち受けていたのは予想外の強敵と仲間たちの裏切り。絶望的な状況で、銀治は新たなスキルを手に入れ、運命を切り開くために立ち上がる。
果たして、彼は仲間たちを救い、自らの運命を変えることができるのか?友情、裏切り、そして成長を描くアクションファンタジーここに始まる!
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
剣と魔法の世界で俺だけロボット
神無月 紅
ファンタジー
東北の田舎町に住んでいたロボット好きの宮本荒人は、交通事故に巻き込まれたことにより異世界に転生する。
転生した先は、古代魔法文明の遺跡を探索する探索者の集団……クランに所属する夫婦の子供、アラン。
ただし、アランには武器や魔法の才能はほとんどなく、努力に努力を重ねてもどうにか平均に届くかどうかといった程度でしかなかった。
だがそんな中、古代魔法文明の遺跡に潜った時に強制的に転移させられた先にあったのは、心核。
使用者の根源とも言うべきものをその身に纏うマジックアイテム。
この世界においては稀少で、同時に極めて強力な武器の一つとして知られているそれを、アランは生き延びるために使う。……だが、何故か身に纏ったのはファンタジー世界なのにロボット!?
剣と魔法のファンタジー世界において、何故か全高十八メートルもある人型機動兵器を手に入れた主人公。
当然そのような特別な存在が放っておかれるはずもなく……?
小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
上流階級はダンジョンマスター!?そんな世界で僕は下克上なんて求めません!!
まったりー
ファンタジー
転生した主人公は、平民でありながらダンジョンを作る力を持って生まれ、その力を持った者の定めとなる貴族入りが確定します。
ですが主人公は、普通の暮らしを目指し目立たない様振る舞いますが、ダンジョンを作る事しか出来ない能力な為、奮闘してしまいます。
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる