ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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「それにしても、やっぱり店長も伝説の冒険者だったんですね!」
「けっ、伝説なんてもんじゃねェよ!」
 店長は不機嫌になる。なぜか前から店長は、自分の昔話の時には機嫌が悪くなるのだった。

「……でも、すごいですよ。よかったら今度俺たちと冒険に行きましょう! アドバイスくださいよ」
「あー……まあ気が向いたらな……」
 店長は相変わらず気の抜けた返事をする。

「あの……店長?」
「ん? なんだ、魔女っ子?」
「ウチにあった古いダンジョン雑誌に、店長の昔の写真があったので持ってきました……」
 花子は古い雑誌の切り抜きを取り出した。
 冒険者が写った記念写真のようだ。

「ばっ、ばか野郎! 変なもん持ってくんじゃねェよ!!」
 店長は顔を赤くする。

「え? どれが店長さんですか!?」
 まどかも興味津々だ。
 雑誌の切り抜きには数名の冒険者たちが写っている。

「……あっ、これ虎石さんか!? あっ! こっちには老人剣士が……この時もすでに老人だな……」
 おそらく20年ほど前に撮られた写真だろう。
 今では伝説とされる冒険者たちの若かりし頃の姿。

「えーっと……ん? 店長写ってないなぁ……」
「ええ……店長さんはいませんわね……」
 アキラとまどかは店長を探すが見つからない。どこにも髭モジャの男はいないのだ。

「ふふふ、甘いわね。2人とも! 店長はコレです!」
 花子は写真の1人の青年を指差す。
 整った顔立ちの細っそりとした美青年だ。

「……は? な、何言ってるんだ、花子さん? そんな訳……」
 アキラは写真と店長を交互に見る。

「……あっ! に、似てるかも!?」
「う、うるせェな! なんだよ似てるって。見るんじゃねえよ!」
 顔を真っ赤にし怒り出す店長。

「店長、イケメンだったんですね!」
「だったんですね、じゃねェだろ! ばかやろう!」

「でも、この写真のメンバーすごいですわね……私でも知ってる冒険者が何人かいますわ……
 あれ? 店長さん、この女性はどなたですか?」
 まどかは店長の横に立つ、1人の女性を指差す。

「……ああ、そいつはパーティーの仲間だよ……」
 店長はぶっきらぼうに返事をする。

「へぇー、綺麗な人ですね! 店長、好きだったんじゃないですか!?」
「……うるせェッ!!」
 突然、怒鳴り出す店長。
 いつも大声でしゃべり、怒ってばかりの店長だが、今回の怒りは本気だとアキラたちは分かった。

「す、すみません……」
 マズイ、何か聞かれたくないことだったんだ……3人は凍りついた。

「!! す、すまん。怒鳴ったりして……
 ほ、ほら……急にこんな昔の写真見られたら恥ずかしだろうがっ!
 ったくよ、もっとカッコよく撮れてる写真は無かったのか? バカ野郎め!」

 つい怒鳴ってしまった店長。わざとおちゃらけて空気を良くしようとしてるのが、アキラたちにはすぐに分かった。

「い、いえ……すみません。急に色々聞いて」

「あぁ? 気にすんな!
 いつか昔話でもしてやるよ。まあその時は金を取るけどな! ガッハッハ」

「ははは……楽しみにしてますよ」
 また無理に冗談を言っている店長だった。

 調子に乗りすぎたな。人には聞かれたく話の1つや2つあるんだろう。アキラはそう思い反省した。
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